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第75話 これからの狩りについて

 狩りを無事に終えて、借家に帰ってきました。

 初めての3人での狩りを経て、これからどうするのかも色々と話すようです。

 3人での初めての狩りを終え家に帰り、彼女達は食事の準備。


 その間に、俺は経験値系スキルをONにしてスキル上げだ。


 不足する物があれば彼女達から声が掛かるかも、とドアを完全には閉めずにいた為、食事だと呼びに来たカトレインが、


 「な。何をしているのですか?」


 と驚きながら声を掛けて来た。


 俺が魔力弾を大量に目の前に浮かせているのに驚いたようだ。


 「ああ。スキル上げだけど」


 「そ、その魔法は?」


 「キャンセルするから大丈夫でしょ」


 「そ、そんな事できるのですか?」


 キャンセルして見せると、安心したようで、


 「危険な事をしていたのではないんですね」


 と言って来る。


 そんなに、危ない事なのかな。


 と言うか、小知に一般的な魔法系スキルのレベル上げの方法を聞いておいた方が良さそうかな。


 そう思いつつ、


 「いや。借りたばかりの家を壊す気は無いからね」


 と言うと、ふと気が付いたように、


 「魔力弾が多弾頭化しているなんて」


 と、少し驚いた感じで言ってくるので。


 「いや。魔力障壁を作れるレベルになっていれば、当然だけどね」


 そう言うと、絶句しているカトレイン。


 まあ、魔力魔法を持っている人が少ないから注意すべきスキルなのだけど、彼女達には狩りの時の護りとして明かしてしまったから、もう隠す必要はないのだけど。


 それでも、もっと慎重にスキル上げをすべきだったかな。


 この世界の常識を知らなすぎる。


 そう自分に改めて注意を呼び掛けてから「食事に行こう」といって、居間に移動する。


 「私達、本当に転職出来るのですね」と食事開始してしばらくするとカトレインが聞いて来た。


 「さあ。断言はしない方が良いと思うけど。

  今日も運が良かった方だと思うし」


 「そうなのですか?」


 と、クトリアが真剣な感じで聞いて来る。


 俺の発言の意味を知りたいようだ。


 「ああ。オーク12匹だっただろう。

  あれがゴブリンなら経験値は5~10分の1かな」


 そう言うと、二人とも運が良かったと言う意味が理解できたようだ。


 でも、それだけだと絶望するかもしれないので。


 「逆にハイオークなら5倍から10倍か。

  オーガになると、更に数倍かな」


 と違った情報も提供する。


 「オーガを倒したことがあるのですか?」


 と半信半疑と言う感じで聞いて来るクトリア。


 「あんなに簡単には倒せないけどね」


 「し、Cランクの魔物なのに」


 と、俺の発言が本当と言う事に驚いているカトレインに現状を教える事に。


 「でも、1人の時とは戦い方が変わるから、3人の時は戦わない方が良いのかもしれないけど」


 そう隠れたまま魔法で倒した事を思い出しながら言うと。


 「そ、そんな」二人は困っている感じだけど。


 「死んだら意味がないでしょ。

  死なせる気もないし」


 そう安全第一だと伝えると、二人は微妙な感じかな。


 やっぱり、あまり長い間、俺の愛人ではいたくない様だ。


 「そうだ、これを渡しておく」と39100GAUずつ渡す。


 「これは?」


 「君達の取り分だね」


 「こ、こんなに」と単純に驚いているクトリア。


 それに対し「これって、武器屋で受け取ったお金の全てでは無いのですか?」とカトレインが確認してくる。


 「端数の100GAUは俺がもらったけどね」


 「ど、どうして」と、納得できないと俺に噛みついてくる感じのカトレイン。


 「まあ、端数は次に足して渡しても良いけど」


 「違います。どうしてこんな大金を」


 と何故か怒りながら聞いて来るカトレインに困惑しながら伝える。


 「君らの取り分だけどね」


 「私達、何もしていません。

  いえ。貴方の足を引っ張っているだけです」


 と、クトリアもムキになって言ってくる。


 「それでも、パーティなんだから、分配は必要だと思うけど」


 そう言っても「でも、何故3等分じゃないのですか?」とカトレインも怒ったままだ。


 馬鹿にされている感じなのだろうか。


 「ああ。Dランク以上の魔物の戦利品を売ると目立つらしいんだよね。

  だから、当面それらは売らずに俺が死蔵する事になりそうだから」


 と言うと、二人とも冷静に戻った感じ。


 俺の説明不足だったのかな。


 「だから、それは君らに分配出来なさそうだから」


 「そう言う事ですか」と、カトレインが誤解した事を申し訳なそうに。


 「まあ、現状一番儲かっているのはEランクの魔牛だから、運よくそれを大量に討伐できれば、それ程君らに損をさせずに済むとは思うけど」


 「運なのですか?」と、クトリアは意味が良く理解できないと言う感じで聞いて来るので。


 「運だけでもないけどね。

  移動距離は1人の時より大分短くなるだろうから、狙っている魔物と出会える確率はどうしても減るだろうし」


 そう状況を説明すると、まだ黙り込む二人。


 「まあ、レベルが20台になれば、それも改善するだろうけどね」


 そう助け船を出したのだけど。


 「村人でステータスが低い私が足を引っ張るのですね」


 と、クトリアが落ち込みながら呟く。


 「まあ、俺が背負って走っても良いのだけど、周りに対する警戒も十分にしておかないと生き残れないから」


 そう言うと二人とも俺の目を見ながら真面目な表情で「はい」と返事をしてくれた。


 なので、少し先の事も聞いておこうと、


 「とりあえずはクトリアの転職だけど、何を目指すの?」


 と聞いてみると。


 「私は、戦士になりたいです」


 「その前に、他の職業になっておく気は?」


 「他の職業ですか」


 と、クトリアは想定していた通り驚いている。


 「ああ。信者になれば、お守り程度の力とはいえ祈願が使える。

  魔法使いになれるのなら、転職して火魔法を手に入れれば攻撃力は全然違うし、斥候になれるのなら感知系の能力で生き残る可能性を上げられるし」


 そう言っても、クトリアはピンと来ない様なので、具体例の説明を続ける事にした。

 初めての共同での狩りを終えて、色々と思う処があった様です。

 それを踏まえて、主人公なりに色々と考えて来た強化方法を彼女達にも選択させるようです。

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