第74話 初めてのパーティでの狩り
家を借り、その住環境を整える為に時間が掛かったので、14時を過ぎてしまいした。
それでも主人公の力が見たいとの事で、狩りに行くようですが。
ステータスウィンドウに付いている機能により3人のパーティになった。
それを確認後、東の門へ向う。
そこで、彼女達二人分の門の通行料を1月分、各2000Gはらい二人の門使用の許可証をもらう。
彼女達に経験値系のスキルの存在を隠すため、経験値増加スキルをOFFにする。
「君らが30分疲れないで走れる程度のスピードで、東へ行ってくれるかな」
そう狩りをする為に移動してくれと言うと。
「どういう事でしょう?」
と、怪訝な顔をしてカトレインが聞いて来る。
「この辺は、人が多くて魔物を好きな様に狩れないでしょ」
と言うと、二人はその意味を理解したようだけど、不安そうな顔になる。
「正面以外は、俺がチェックするから、前だけ向いて走れば良いから。
後は、俺から離れすぎないようにね」
そう言うと、おそらく街道沿いなら大丈夫と思ったようで。
「はい」と言って、走り始める。
彼女達もLV10は軽く超えているから、前の世界の人の1.5倍程度は身体能力が高い筈。
なので、30分で10キロ程都市から離れられた。
「そろそろ止まって。ここから南に下りるから」
「ちょっと待ってください。
都市からこれだけ離れたら街道から外れるのは絶対にダメだと聞いていないのですか」
と、カトレインが信じられないと言う感じで言ってくる。
「ああ。力のない者はね。
自分達が、街道沿いや都市の周りで魔物を狩っていて、レベル上限になれると思っているの?」
そう事実を突きつけると、二人とも黙り込んでしまう。
流石に不味いかなと、力の一部を見せる事に。
「一応、見せておくか」
と大き目に張ってある魔法障壁を半透明にして見える様に。
「こ。これって」
そう絶句気味に聞いて来るクトリアと、愕然としているカトレインに、
「魔法障壁だね。
俺の切り札の一つ。
これで、君達も一緒に守るから、俺から離れない様に」
と説明すると、驚いた表情で黙り込む二人。
それを確認しながら、魔法障壁を透明に戻す。
「ここからは、ゆっくり移動だ。
30分だけ南下して、それで何もなくても都市に帰ろう」
そう言っても、複雑そうな表情のまま、何も言わないので。
「俺が先頭を行くから、二人は正面以外を索敵して」と指示をすると。
「はい」と流石に返事が帰って来た。
二人が付いて来ているのを確認しながら南下し始めると、オーク12匹の集団が居た。
まあ、気配探索で気が付いていたので、それに向かったのだけどね。
オーク達は、喜び勇んでこちらを攻撃してこようとしたが、先頭を走っていた仲間が火矢で首を破壊され、驚き狼狽え逃げ出し始めたので、火矢だけでなく魔力矢による攻撃も追加し全滅させる。
始めてみるカトレインは絶句している感じかな。
「一人当たり2万程度の職業経験値が手に入ったか。
今日は、これで良いかな?」
「ええ」と、答えてくれたクトリアだけでなくカトレインもやや愕然としている感じ。
「じゃあ帰ろう」
そう言って、オーク達の戦利品を格納箱に入れて都市に戻る事に。
戦利品は、オーク12匹、鋼鉄の剣3、鋼鉄の槍2、鋼鉄の斧2、鋼鉄の槌5、魔獣の鎧12セット。
帰りに武器屋によって、魔物の武器防具を幾つか売る。
青銅の剣2、鉄の剣2、こん棒10。鉄の剣1本、鉄の槍2本、鉄の斧3本、鋼鉄の剣3、鋼鉄の斧2、鋼鉄の槍2本、鋼鉄の槌3、魔獣の革鎧6セットを売る。
全部で、78300GAUになった。
販売を終えて家に帰ろうとすると、
「冒険者ギルドへは行かないの?」とカトレインが聞いて来る。
「ああ。この時間に行くと、トラブルになりそうだから」
そう言っても「どうして?」とカトレインに不思議そうにされるので、ちゃんと説明をしておく。
「俺は、戦利品の解体を毎回頼んで裏の解体倉庫に行っているから『大物ぶるな』とか言われるんだよね。
だから、人がいない朝遅くに行って頼むことにしている」
「そうなのですか」と、理由を話してもカトレインはまだ不思議そうだ。
まあ、出来るだけ隠れていたいって俺の状況は教えていないしね。
それを誤魔化す訳では無いが、
「ああ。近日中に3人で、獲物からの戦利品の剥ぎ取り方を習いに行った方が良いだろうけど」
と、今後の予定も伝えておく。
すると「どうしてですか?」と、今度はクトリアが聞いて来る。
「今日のオークとかは、確か解体を頼んでも売れるのは魔石だけだから、手数料引かれると、お金にならないと思う」
「武器や防具は冒険者ギルドで売らないのですね?」と、カトレインも疑問に思った事を聞いて来る。
心に壁はあるのだろうけど、こう言う会話があるのは良い傾向かな。
「ああ。中抜きされない分、高く買い取ってくれるみたいだしね。
まあ、油断すると買いたたかれるようだけど」
「そうですね」と、カトレインは冒険者ギルドへ納品した時の貢献度が気になるようだけど、今は目先の金だ。
初めてのパーティでの狩りを無事に終える事が出来ました。
でも、隠れる力を二人に見せないのだとしたら、1人での狩りの時の様な隠れて奇襲と言う狩りとは色々と違ってきそうですね。




