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第7話 勝てないの?

 限られた時間の中、色々と考えて自分を強化していきました。

 その際に、気になった事まで色々と聞いていたら、魔虎との遭遇までの猶予時間は無くなってしまった様です。

 その為、慌てて最後確認をしたら。


 本文は、短めです。

 魔虎に遭遇するまで後一分しかない。


 そこで最後の確認と、


 「これで、絶対に魔虎に勝てるよね?」


 そう少知に確認したのだけど、


 【いいえ】


 と、残酷な返事が返ってくる。


 「えっ! 絶対に勝てないの?」


 【いいえ】


 ……、ああ。


 『絶対に』なんて聞いたからか。


 「勝つ可能性は、どのくらい?」


 【……】


 「負ける可能性の方が高いのかな?」


 【はい】


 「……」


 落ち込んでしまったが、そんな暇はない。


 アッサリ殺されるイメージとしては、魔虎のスピードに対処できずに瞬殺される事だろう。


 となると、俊敏向上スキルをLV9で取得。


 更に取得するスキルを見直そうとした処で、もの凄い悪寒が体を走った。


 察知スキルによる警鐘だと慌てて振り向くと、魔虎が瓦礫と化している建物の隙間からこちらを睨んでいる。


 その獰猛な視線・気配に恐怖で体がすくむ。


 あの大きさ。


 押し倒されたら終わりだ。


 あの並んだ牙と口の大きさ。


 噛みつかれたら、体を嚙みちぎられるか穴だらけにされて、すぐに飲み込まれそうだ。


 くそ。


 恐怖耐性とか威圧耐性とかを取っておくべきだったか。


 それでも、と言うか、その為に長距離攻撃が出来る魔法を手に入れておいた。


 振るえる心をねじ伏せながら魔力魔法の『魔力弾』を声に出しながら撃ち込むと避けられる。


 えっ。魔法の攻撃って避けられるの?


 ああ。魔力弾が直進する破壊の魔力の弾。


 魔力矢が念ずる事で曲げる事も可能な上に自動追尾機能付きの破壊の魔力の弾だったかな。


 だけど、魔力矢の方は切り札にしようと、槍で牽制しながら魔力弾を繰り返し魔虎に打ち込んで接近させないようにする。


 取得するスキルの事を考えるだけでなく、戦い方をもっと考えておくべきだった。


 幸い、MP(使用可能状態で蓄えてある魔力)が不足しない様に、魔力回復、魔力節減及び魔力倍化を取得してある。


 なので、魔力弾は連続で打ち続けてもMP不足にはならずに済みそうだけど。


 もっと速くと願いながら魔力弾を打つと、魔力弾のスピードが上がり魔虎の左肩に命中した。


 あ。イメージで魔法が変わったり、多めに魔力を込めることで威力が上がったりすると魔力魔法スキルが教えてくれる。


 もっとも、魔虎にダメージがある様に見えないけど。


 魔力操作スキルを持っているお陰か、今まで感じた事も使った事も無い自分の中にある魔力を意識できるし、魔法に多めに魔力を回す事も可能のようだ。


 また、『魔力弾』と念じるのが面倒だと思ったところで、『魔弾』と魔法に名前を付けると、『魔力弾』が『魔弾』と念じる事でも打てると魔力魔法スキルが教えてくれた。


 なので、魔力を多めに込める様にしスピードも速くイメージして魔弾と念じ打ち続けると、魔虎は廃墟の影に隠れた。


 少なくとも嫌がる程度のダメージは与えていると少し安心。


 距離を取ろうと後ろに下がり始めたタイミングで、魔虎が陰から飛び掛かってきた。

 

 中型トラックよりでかい猛禽類だと言うのに。


 距離が20メートルはあると言うのに、凄いスピードとジャンプ力だ。


 思わず逃げようとしたけど、先読みスキルが『逃げると死ぬ』と教えてきた。


 なので、恐怖と戦いながら。


 と言うか、『死ぬか』と切れて全力で魔弾を撃ち込み、槍で奴の口の中を狙い突く。


 槍頭は奴に噛み折られたが、魔弾が奴の左目を潰してくれた。


 それを確認しながら、目の前に着地した奴の潰れた目の方に回り込もうとしたが、奴が振るった腕によって顔を庇う為にかざした左手の肉が抉られる。


 更に魔弾を撃ち込みながら距離を取るが、当たった魔弾がダメージを与えているかどうかも分からない。


 左手は、感覚が無い。


 しかも、無理に使おうとすると不味そうな感じはある。


 柄だけになった壊れた槍を捨て、亜空間収納から鉄の剣を出して右手に持つ。


 止血したいけど、奴を倒してからか。


 しかし、どうすればいいのか。

 お互い手負いになってしまいました。

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