表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/190

第60話 ギルド職員達と

 冒険者ギルドの職員との新人研修が始まりました。

 主人公は、表情分析スキルで3人の職員が善良そう、敵対しなさそうと読み取り、色々と話をしているようです。

 それは、本当に良い事なのかどうか。

 冒険者ギルドの新人研修で野営のやり方の基礎を教わり、実際に野営をする事になった。


 俺は暗視スキルも気配探索スキルも持っているので夜間戦闘も問題は無いが、その力を見られるのは不味い気がするので暗視スキルはオフにして野営の訓練を受ける事に。


 2人で交代での夜番。


 アインさんとダイさんは暗視のスキルを。


 俺とハリーさんが気配探索を持っているという事で、俺とアインさんのペアとダイさんとハリーさんのペアでの野営となった。


 何も起こらなかったけど、やはり夜に魔物に襲われるのは、かなり危険なようだ。


 音も魔物を呼び寄せるかもしれないと、会話も殆どせずに座って時間を過ごす。


 俺と一緒に最初の夜番をしているアインさんは、こういう時にスキル上げとか、スキルとの会話をして時間を潰しているそうだ。


 なる程ね。


 と、俺も気配探索だけで真っ暗な中で戦闘できるかという視点で、気配探索スキルと会話していたのだけど、難しそうだね。


 まず大前提として、広い範囲ではなく狭い範囲で気配探索を濃密に行い、見ているのと同程度に気配を感じる必要があるのだけど。


 では、生き物なら気配があるけど、岩とか土とかに気配があるか。


 有るのは有るらしいが、俺の気配探索のレベルでは感じられないので、暗闇の中動き回る事は出来ない。


 まあ、ある程度なら草の気配とかで、地面の位置とかも分かるけどね。


 だから近接戦闘は無理そうだ、となる。


 では、魔法で倒す事にするにしても、火矢を光を出さない様にイメージで変更できるかと言うと駄目だった。


 魔力矢はイメージによる変更で、白くて光る矢から半透明の矢に変更できるんだけど、真っ暗闇だと薄っすらと光ってしまうそうだ。


 試しに、周りに光が漏れない様に自分の体や布団代わりのマントで囲い、小石位の魔力弾を発生してみたのだけど、やっぱり夜でも魔力弾を完全に見えなくする事は出来なかった。


 魔法障壁や魔力壁は、完全に無色透明に出来るのに。


 まあ、薄っすら光るくらいだから、魔力矢の光で魔物をおびき寄せるとも思えないけど、それを気にするのだと魔力矢に隠形とか秘匿スキルを使い、他の力で認識できなくする必要があるようだ。


 攻撃用の魔法と防御用の魔法では、その理に違う部分でも有るのだろうか。


 まあ、魔力矢や魔力弾を他のスキルの力無しに無色透明に出来たら、凶悪過ぎるとは思うけどね。


 その次に確認した水矢は、光を全く放たない状態で攻撃できるそうだ。


 元々光を放つタイプの攻撃魔法じゃないからな。


 攻撃魔法も、敵の弱点属性とか属性耐性及び無効化とかを考えると色々と取得しておくべきだな、とは思っていたけど、こういう点でも違いがあるんだと改めて思った。


 そんな事を考えたり聞いたりしていると、交代の時間になりマントにくるまり就寝。


 朝起きると、もう明るかったので、携帯食を食べトイレを済ませ魔物に注意しながらの移動となった。



 研修の途中に、時々表情分析スキルを使ったが、3人とも善良な人だった。


 少なくとも俺の情報を、今売ろうとは思っていない。


 それに『すまない』、『もう、あんな事は嫌だ』と言った感情まで読み取れた。


 それが何かは分からないけど、俺をこれから裏切ろうと言う感情ではなかった。


 それに安心して、研修を終えられたのだけど。


 3人の方に色々と思う処があったようだ。


 都市への帰り路でも、こんな話をした。


 「この国は内乱で戦力が低下し、そこから回復しそうにない。

  ダイスケは、どうすれば良いと思う?」


 と、真剣な感じでアインさんが聞いて来る。


 「今すぐと言う点だと、高ランクの冒険者を招致とかでしょうかね。

  長期的な話だと、13歳からの2年間の兵役による訓練だけでは、余程才能のある者しかスキルや難しい転職条件は取得できないでしょう。

  貴族や騎士の家系だけでなく、普通の人達も通える学問所・訓練所を作り、そこでスキル・職業に関連する教育と訓練をすれば、随分国としての戦力は変わってくると思いますけどね」


 と、少知に『何故16歳での転生なの?』と聞いた時に【成人年齢である事と兵役が終わる年齢でないと兵役からの逃亡者と疑われる為です】と話が出たので少知に色々と聞いて知っている兵役について思った事を言ってみる。


 「剣技、槍技、魔法系、感知系か」


 そうアインさんが困ったように呟く。


 まあ、簡単に取得出来ないんだろうな。


 そう思いつつも、更に、


 「信者と言うか神官も教会組織に任せっきりにしない方が良いかもしれませんし。

  後は、付与師は結構難しそうですけどね」


 と言ってみたところ。


 「ああ。火魔法とかの攻撃魔法を取得した者が、魔法を剣に帯びさせようと訓練していると、稀になれる人がいると聞いた事があるが」


 と、アインさんが俺の知らない情報を教えてくれる。


 「そうなのですか?」


 「まあ現状は、殆ど生まれついての才能を持っている人だけらしいが」


 そう更にアインさんが追加の情報を。


 まあ、これは知っている情報だったけど。


 「聖者や英雄が取得する聖魔法の聖の祝福とか聖の護りを使ったり、勇者とか賢識者になった人が状態異常魔法や聖魔法を取得して使ったりすると、転職条件を得られるのではないのですか?」


 と、俺が少知スキルに聞いた話を言うと。


 「そうなのか?」と、アインさん達は初耳と言う感じだ。


 「俺は、魔法的効果を付与し続ける事で付与師の転職条件が得られると聞いていたので。

  でも、今挙げた職業だと簡単にレベル上限になれないから、転職出来ないのか」


 と、俺が諦めがちに言うと。


 「後は、スキル追加の宝珠か」と、ハリーさんが補足してくれる。


 「ああ。それで、状態異常魔法か聖魔法を取得し使用しつつレベル上限に達するか、転職の宝珠でレベル上限にならずに転職出来れば可能性はあるのか。

  まあ、どちらにしろ、俺には無理そうですけどね」


 と謙遜しておく。


 「付与師を諦めるのなら就ける職業に制限があるだろうけど、特級職(5級職)とか最上級職(6級職)になるのでもなければ、そこまでは必要ないからな」


 そうアインさんは俺を慰める感じで言ってくれるけど。


 「だと良いのですけどね」


 「ダイスケでも、力が足りないのか?」


 と、俺の発言が気になったのかアインさんが驚きながら聞いて来る。


 「足りないですよ。

  多分、後何十年かけても、欲しい力には届かないでしょうね」


 「転生者でもなければ、レベル条件が必ずネックになるからな」


 と、ハリーさんも慰める様に言ってくれる。


 「ええ。レベル上限が2違うだけでも、結構違いますからね」


 そう言いつつ、話題を別の事に変えてみる。


 「後は、子供は労働力と言う考え方を変えて行かないと、子供の頃からスキルや転職条件を得る為の訓練をさせようとはならないと言うのもあるか」


 「まあ、水汲み、洗濯、子守、畑の草抜き、採取するだけで良い木の実や草の実の確保とか、子供の仕事も色々とあるからな」


 と、ハリーさんが昔を思い出している感じで子供の仕事を挙げて来る。


 「となると、兵役を2年では無く3~6年にするとかになるのかもしれませんけど、兵役と言っても実質労役の方が多かったりするのですよね?」


 「まあ、危険な目にあわないと言う意味だと、兵役より労役の方が好ましいと思う者も居るからな。

  兵役では無く訓練の期間とすれば良いのかもしれないが、なら兵役でする労役で造られる建造物や資源や道具をどうやって確保すると言う話にもなるし」


 と、難しそうに考え込むアインさん。


 「それらを別途手に入れる為には資金が必要で、教育の為にお金が必要と言う風になるんでしょうね」


 そう言うと、3人とも考え込んでしまった。


 この国に、そんなお金は無いと言う事なのか、そんな風に国家予算を使ってくれる訳がないと思っているのか。


 そんな会話をしながら、警戒もしながら、都市に帰って来られた。


 「まあ、こちらも色々と考えさせられたが、ダイスケも仲間は造った方が良い」


 とハリーさんが皆を代表して忠告してくれる。


 「奴隷の従者は雇おうと思っているのですけどね」


 そう言うと「そうなるか」と、ハリーさんは納得した感じになる。


 「ええ。今は高額のお金か、体の欠損の治療の手段を探している処です」


 「なるほどな」とダイさんも納得した感じで相槌を打ってくる。


 「では、ありがとうございました」


 「ああ。こちらこそだ」


 そう言って3人と別れて、今日は宿に行く事にした。


 俺の情報は漏洩したけど、生き残るために必要な知識もこの世界の常識も幾つも得られた。


 これで直ぐに移動した方が良いとは思うけど。


 あの二人が気になっている。


 さて、どうしたものか。

 戦力不足で滅びそうと言われているこの国をどうすべきなのか。

 そんな話をしたら、視点が違い過ぎて転生者である事がバレルと思うのですが。



参考資料(後日変更有)

 本文では細かくなるので割愛した設定なのですが、6級職(最上級職)の特殊性として、一定のレベルになると得られる魔法系スキルを選べると言うのがあります。

 ただ少し細かくて、ノーマルスキル相当(下級魔法)、ユニークスキル相当(中級魔法)、アルティメットスキル相当(上級魔法)と3ランクあります。

 ノーマルスキルなら火魔法・魔力魔法等、ユニークスキルなら状態異常魔法・聖魔法・爆裂魔法等、アルティメットスキル相当なら次元魔法があります。

 そして、下記の職業は下記の様にスキル(魔法)を取得し選べる設定です。

(ただし、英雄に3回なったからと言って、ユニークスキルである魔法スキルを6つ取得出来る訳では無く、取得出来る枠が空いていないと、取得出来ない設定です。

具体例。

 勇者LV41で聖魔法の取得を選択したけど、英雄でLV11になり聖魔法を取得した事になると、勇者の方のLV41で取得出来る魔法スキルの枠が空き、勇者でもう一度LV41前後になると、別の魔法が取得出来る、等)


英雄

 転職時取得    英雄技スキル

 LV11前後取得  聖魔法

 LV21前後取得  光魔法

 LV31前後取得  光輪撃

 LV41前後取得  取得を選択したユニークスキル以下の魔法スキル

 LV51前後取得  取得を選択したユニークスキル以下の魔法スキル


勇者

 転職時取得    勇者技スキル

 LV11前後取得  雷魔法

 LV21前後取得  多連撃

 LV31前後取得  取得を選択したノーマルスキルである魔法スキル

 LV41前後取得  取得を選択したユニークスキル以下の魔法スキル

 LV51前後取得  取得を選択したアルティメットスキル以下の魔法スキル


賢識者

 転職時取得     賢識者技スキル

 LV11前後取得  取得を選択したノーマルスキルである魔法スキル

 LV21前後取得  取得を選択したノーマルスキルである魔法スキル

 LV31前後取得  取得を選択したユニークスキル以下の魔法スキル

 LV41前後取得  取得を選択したユニークスキル以下の魔法スキル

 LV51前後取得  取得を選択したアルティメットスキル以下の魔法スキル

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ