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第55話 魔牛の値段

 女性二人から仲間にしてくれと言われましたが、物別れに終わりました。

 クトリアが何故主人公に仲間にしてくれと言ったのか。

 カトレインは理解出来ないようで、その理由を尋ねるようです。

 カトレインがクトリアの手を強引に引っ張り、冒険者ギルドから飛び出して周りに人が居ない広場の一角に。


 「クトリア、どうしたの?

  あんな男に」


 カトレインは嫌そうに吐き捨てる。


 「あの人は、強いの」


 そう、クトリアはカトレインの目を見つめながらハッキリ言う。


 「そうなの?」


 「たった一人で、乗合場所を襲って来た魔狼12匹をあっと言う間に倒したの」


 「ど、どうやって」


 と、カトレインは驚愕の表情をしてクトリアに確認する。


 「火魔法を使っていた」


 「えっ」と、絶句気味に驚くカトレイン。


 この世界では、攻撃魔法を使える者は希少な存在とまでは言えないが、一目置かれる存在ではある。


 「しかも、格納箱スキルまで持っていたの」


 「どうして、それを先に教えてくれないの」


 そうカトレインは驚いた表情のまま少しクトリアを問い質すと。


 「人前で言う事では無いし、下手に喋ると彼の信頼を失うかもしれないから」


 そう、クトリアが事情を説明すると。


 「ああ」と、カトレインは納得したけど。


 「で、でも、私はあんな男のモノになるなんて」


 と、カトレインは嫌そうに自分を抱きしめる。


 「なら、私が彼の女になったら」


 そう、クトリアは悲しそうにカトレインに告げる。


 「だ、ダメよ。

  何の為に故郷を出てきたの。

  私も、あなたも。

  嫌な男に、人生を支配されるのが嫌で出てきたのでしょ」


 顔をしかめながらカトレインがクトリアにきつい口調で言うか。


 「だけど、お金は減る一方だよね。

  今日、ギルドの登録料を払い正式に冒険者になったけど、Fランクになるまでは門の使用料も払わないと駄目だし、FランクになるにはFランクの魔物に関する依頼をある程度の数達成しないと駄目だって話だから、それはまだまだ先の話でしょ。

  このままだと、生活が出来ないだけでなく、税金や滞在費が払えなくて奴隷落ちか野垂れ死にだよ。

  なら、こちらが選べる方が、まだましだよ」


 と、クトリアがカトレインに反論する。


 「あの人は、悪い方の男ではなかったでしょ。

  騙して、私達とする事だって出来だろうけど、しなかった」


 「だけど、私達断られたでしょ」


 と、少しキレ気味にカトレインは言うが。


 「彼も男だし、私達が覚悟を決めれば、また違うかもしれない」


 そう真剣な目をして言うクトリアに対し、カトレインはしばらく考えて込んでいたが。


 「……。

  まだ、数十日なら生活できる。

  その間に考えましょう」


 と、カトレインは先送りする事を選んだようだ。


 「うん。

  でも、カトレインも考えておいて。

  私だけが彼のモノになっても良いから」


 そう言って黙り込んだ二人の表情は暗いままだった。



 俺は、ギルドの有料の研修を申し込んで5000GAU払った。


 明日にでも、研修は可能だそうだ


 研修を出来るだけ早く受けた方が良いか、もっとこの世界の常識を得てからの方が良いか迷ったのだけど、明日からお願いした。


 なんでも、冒険に出かける前の準備から、夜番のやり方から、戦い方及び最低限の戦利品の処理の仕方等、2日かけて教えてもらえるようだ。


 後は、昨日頼んでおいた戦利品の買取の代金を受け取る。


 買い取ってもらった内容は、魔狼の魔石E14個、魔狼の牙56本、魔狼の皮14枚、魔トカゲの魔石F2個、魔ムカデの魔石F1個、魔牛の魔石E15個、魔牛の皮15枚、魔牛の肉60個。


 それぞれ、単価が250GAU、1000GAU、7000GAU、50GAU、100GAU、50GAU、5000GAU、2万GAUだ。


 「総額、1433450GAUです」


 と初めて白金貨を渡される。


 100万GAU(1000万円相当)を超えるとはな。


 魔牛の肉は、一匹当たり足の数の4個取れるのに、1つ2万GAUだからか。


 ギルドが安く買い取っているだろうに、市場価格だと幾らになるのだろう。


 ああ。


 日本でも牛一頭数百万円とか普通だったか。


 しかも、前の世界の牛より大きいし。


 なら、これでもかなり安いな。


 とは言え、肉用に飼育された牛とは違うだろうし、肉屋に卸すと格納箱スキルが他の人達にもバレるか。


 「後、今回の買取依頼でギルドへの貢献が基準を超えたので、毎月1日にあるランクアップの講義を受ければFになれますけど」


 「ああ、門の通行料がタダになると言う」


 「後は、F以上になればギルドからの信頼度も上がり受けられる依頼が一気に増えますが」


 「まあ、まだ10日あるし考えておくよ。

  今日も買取を御願いしたいのだけど」


 と今日も裏に行って、魔狼15匹、魔牛18頭、魔イノシシ3匹、魔トカゲ3匹を出す。


 「解体した人の話だと、魔牛は血抜きをもっと徹底すると、買取価格が高くなるそうです」


 「そっか。

  でも、これはもう手遅れだね。

  しかも、よく考えたら道具とかも必要だし、都市の外でキッチリ血抜きが終わるまで待つのも危険だし難しいか」


 「格納箱の中でも血抜きが出来る道具があるそうですから、ご検討ください」


 と言うやり取りをして、買取を御願いした。

 魔牛の肉は、思った通り高額で売れるようです。

 これで、2人の女性の事は忘れ、奴隷の配下を手に入れる方に行くのでしょうか。

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