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第53話 二人からの提案

 冒険者ギルドでの講習会を終え、ギルド証を受け取ると、一緒に講習を受けた女性から声が掛かりました。

 トラブルなのか何なのか。

 「あの、話を聞いてもらいたいのですけど」


 そう一緒に冒険者ギルドの講習を受けていたエルフの女性から声を掛けられる。


 「別に構いませんが」


 「良かった」


 と、ホッとした表情で言うエルフの女性。


 でも、もう一人の女性は微妙な顔をしているけど。


 その事に不安を覚えつつ、


 「では、どこで話します?」と、聞くと、


 「ギルドの1階の食堂で良いですか」との返事。


 変な処に連れ込まれるわけではなかったと少し安心し、


 「良いですよ」と、返事をして食堂に向かう。


 椅子に座ると、ここはウェイトレスが注文を取りに来るタイプの様で、注文を取りに来た。


 俺は、市場で見たことのある果物を絞ったタイプのジュースを頼むけど、彼女達は頼まない。


 「飲み物くらいは御馳走しますけど」


 と言うと驚いている。


 この世界は、男性が女性に御馳走すると言った文化は無いのかな。


 まあ前の世界でも、あまりしなくなったって職場の先輩が言っていたか。


 そんな事も思い出しつつ、


 「じゃあ、同じものを3つ」


 と頼んで自己紹介から。


 一人の女性は、この都市に来る時に乗合馬車で一緒になった女性。


 水色の長い髪を小さめのツインテールにした、なんて言うか美人で儚げな女性。


 体も華奢で、心配になるくらい。


 でも、スタイルは良いと対象のスタイルを正確に計測できる裁縫スキルが教えてくれる。


 鑑定によるとエルフだ。


 だけど、耳は少し尖った程度か。


 瞳は青で、目もエルフっぽくなく丸い感じなので、プライドが高そうには見えない。


 服装は、青を基調とした革鎧かな。


 その色に拘りがあるのかもしれない。


 彼女の名前は、クトリアと言うらしい。


 もう一人の女性は、長いストレートの金髪が腰の下まで伸びている。


 目は大きく緑色の瞳で、自信にあふれた表情か、少しプライドが高いようにも見える。


 クラスの委員長か生徒会長って感じかな。


 その上、お嬢様って雰囲気も多少。


 彼女もかなりの美人。


 胸やお尻は少し大きめで、ウェストは細いと言う暴力的なスタイルだ。


 鑑定によると獅子人族なので、人間とは形の違う耳と尻尾があるようだ。


 神官みたいな衣装なのだけど、色が白ではなくオレンジ色が主体。


 この色にも、何か意味があるのだろうか。


 彼女の名前は、カトレイン。


 ただ、二人ともそれなりに傷んだ服と装備を着ているので、苦労している感じが気になるかな。


 飲み物が来たので、3人分の600GAUを払い、飲み物を勧めてから俺が飲み物を飲む。


 すると、私達とパーティを組んでいただけないでしょうか」


 と、クトリアが話し始める。


 彼女が代表して俺と話すようだ。

 

 「……、えっと。

  さっきの話を一緒に聞いていましたよね?」


 「裏切られるよりは、と言う話ですか」


 「そう」


 「でも、一生一人では無いのですよね?」


 「そうですね。

  でも、だから奴隷の従者を手に入れる為にお金を貯め始めたところなのですけど」


 「でも……」


  と、クトリアが何か言おうとしたところで。

 

 「なんだい、クトリアとカトレインじゃないか」


 と、食堂の奥から出てきた5人の女性冒険者グループが、彼女達に声をかけて来る。


 「今度は、男をたらし込もうって話かい。

  いい加減、諦めたらどうなんだい」


 そう彼女達のリーダーっぽい人に声を掛けられ、彼女達が悔しそうに下を向く。


 「あんたも、騙されない様に気を付けるんだね」


 そう言って、その女性の冒険者たちは外へ出て行った。


 う~ん。何か不味いトラブル持ちなのだろうか。

 二人の女性には、どんな事情があるのでしょう。

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