表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/190

第52話 冒険者ギルドでの講習

 危険な目にあいながらも順調に強くなって来ています。

 ですが、今日は冒険者ギルドへ登録する為の講習会です。

 宿での朝食を終え、冒険者ギルドへ向かう。


 この世界では、ステータスウィンドウが誰にでも表示できる上に、それに時間も分単位までデジタル表示されるので日付や時間の確認は楽だ。


 代わりに時計と言う技術が発展しない欠点はあるのだろうけど。


 そう言うモノを、この世界を創り運営している神々は求めていないのだろう。


 1分が60秒、1時間が60分、1日が24時間、1年が12か月までは同じだが、一か月が30日だけで1年も360日だけと微妙に違い、うるう年みたいなのが無いのも、数学とか天文学とかの発展を必要としていないのだろう等と推測できる。


 でも、時計としてはストップウォッチとか、タイマーくらいなら必要かな。


 砂時計で良い程度の時間の感覚なら必要ないのかもしれないが、時計の技術が全く必要ない訳でも無いか。


 まあ、推測したところで、どうしようもないのだけどね。


 9時からの講習会の10分前には冒険者ギルドへ到着し、受付で講習会の場所を聞いて2階の会議室に様な部屋に。


 すると、先に2人の女性がいる。


 一人は乗合馬車で一緒になった、大きな剣を持ったエルフの女性。


 後一人は、神官みたいな服装をした獅子人族の女性。


 鑑定によると、どちらも成人したばかりのようだ。


 女性2人で話し込んでいるようだから会話には加わらず、並べてある椅子に座って待つ。


 すると、講師らしきギルド職員2人が入ってきた。


 「今日は、3人か」と猿人族の男性職員。


 「はい。参加を確認していた人は全員そろっています」と犬人族の女性職員が話す処を見ると、こちらは補助かな。


 「では、講習を始めるか」と講習会が始まる。


 休憩をはさみ4時間くらいかかった講習会を要約するとこんな感じ。


 まず、冒険者ギルドの大まかな仕組み。


 前に受付嬢からの説明にもあった通り、この冒険者ギルドは、この国や大陸どころか世界で統一されている組織だそうだ。


 まあ、国とかと対立する事も考えると、その位大きな組織でないと駄目なのかもしれないが、競争原理は働かないだろうから、腐敗とか怖いんだよな。


 前の世界でも、独占禁止法とか大切だなと思っていたし。


 だけど、まあ、様子を見るしかないか。


 冒険者ギルドは、冒険者のランクの認定もしており世界全体である程度統一されているそうで、G,F、E、D、C、B、A、Sの8ランクがある。


 また、魔物の戦利品の売却代金や仲介した依頼料から税金を天引きしておいて冒険者の税金を代わりに収めていたりもするので、冒険者のランクが最低ランクのGからF以上になると、冒険者ギルドのある市町村ではギルド証の提示で門の使用料は免除される。


 更に、冒険者ギルドに魔物討伐・警護を依存している村や町では、冒険者ギルドがなくてもギルド証の提示で門の使用料が免除される事があるそうだ。


 ただ、依頼をこなしたり戦利品の売却をしたりしていないと、FからGと言ったようにランクを落とされることもあるらしいので、それは注意してくれとの事。


 この冒険者ギルドの仕事は、ならず者も多く居る冒険者達の管理。


 薬草の採取や魔物討伐や街の清掃などの依頼の仲介。


 街近くや街道沿いの魔物討伐。


 ダンジョンが近くにある場合は、その中の魔物の間引き。


 人族と同じように魔物も人族や魔物を倒すと経験値を取得して強くなる。


 放っておくと手が付けられなくなる程強くなる事もあるので、街の近く、街道沿い、ダンジョン等に間引きに行くのは大切な仕事そうだ。


 勿論、それらは国や都市も行っている事らしいが、正直戦力不足で十分では無いらしい。


 また、ギルドの所在する都市等に危機が迫った場合は、それの排除にも動く組織だと言う事らしい。


 なお、冒険者ランクがBより上になると、指名依頼と言って強制的に依頼を受けさせられるような事もあるらしいが、そう言う場合は街の存亡が掛かっているような討伐・防衛依頼が多いらしい。


 断れるし逃げられるが、それをすると、Cランクに下がるらしい。


 講師は、強くなった者の義務とか言っていたけど、どうなんだろう。


 命を懸けさすほどの義務の、もう一つの側面である権利がそれに見合うモノなら良いけど。


 また、Bランクからは日頃の査定だけでなくランクアップの為の試験もあるらしく、面倒そうなので俺は回避かな。


 でも、試験無しでBランク以上になれる例外もあるそうだけど。


 また、冒険者ランクとは別にパーティランクもあり、冒険者ギルドにパーティでの登録をすると貰えるそうだ。


 これも、G~A,Sと、その上のランクとしてSS,SSSと言った10のランクがある。


 また、指名依頼やランクアップのテストがあるのも同じで、パーティランクの場合はAから指名依頼があるようになり、ランクアップ試験もAかららしいし、これも試験免除と言う例外はあるそうだ。


 そして、これらのランクに応じて受けられる依頼の種類が変わるので、良い依頼が受けたければ、パーティ又は個人の冒険者ランクを上げてくれとも言われた。


 俺としては、指名依頼とか面倒だし、戦利品の魔物の肉を売ればお金になるし、義務を負いたくないのでCランクで良いのだろうな、と現状の結論が出た。


 そして、次は魔物のランクについての説明があった。


 魔物も冒険者と同じようにランク付けされている。


 それは、ギルドへの貢献度が考慮される冒険者とは異なり単純な強さによるランク。


 G~A,S,SS、SSSとランクがあり、Gだとスライムとかスケルトンとか最弱の魔物。


 Aだとグレーターデーモン。


 Sだと成竜ドラゴンと言った感じ。


 まあ、厳密に言うと、ドラゴンは竜族で魔物では無いらしいが。


 なお、魔物が体内に持っている魔石のランクと完全ではないが、ほぼ同じらしい。


 また、GとFとの間には大きな差があるらしく、Gの魔物なら装備を整えた1級職の村人LV10程度でも討伐は十分に可能だけど、Fの魔物となると2級職のLV20以上は必要といった目安になるらしい。


 まあ、Fランクの魔物の討伐目安については余裕を持った目安なので、最低限必要なレベルとなると1級職のレベル20以上、2級職でレベル10以上。


 更に、スキルによって、また変わるとも言われたが。


 俺の場合、FランクどころかCランクの魔虎を1級職の村人レベル1で倒したのだから、強い力を持った有用なスキルを持っていたら、職業のレベルが多少低くても十分に戦えると言うのは間違いないし、そうなるだろう。


 また、戦闘用のスキルとか何も持っていない人の場合、1級職どころか2級職でも一人では魔物のFランクの討伐は厳しいと思え、とも言われた。


 ちなみに、同ランクの冒険者が3人いれば1ランク上げると言う計算もあるらしいけど、それはバランスの取れたパーティで且つ連携が取れればと念を押された。


 それらの講義が終わった後、質疑応答の時間になったのだけど。



 「君は、複数の職業を極めていると言うのは本当なのか?」


 と、猿人族の講師が俺に声をかけてきた。


 「ええ」


 「何故、そんな無駄な事を」


 と、怒るでもなく顔を軽くしかめながら問い質してくる。


 「師匠の教えですけど」


 「師匠は強かったのか?」


 「ええ、少なくとも俺よりは」


 「器用貧乏になるだろう?」


 「ええ、器用貧乏ですね」


 「なのに何故?」


 と、理解不能と言う感じで聞いて来るけど。


 「一人で生き抜くためには、多様な力が必要だからかな」


 と、詐術スキルが教えてくれる嘘を言っておく。


 「一人で生きるのは不可能だろう?」


 「その通りなのですけどね。

  でも可能な限り、そう言う方針で行きたいので」


 「何故だ?」


 と食い気味に聞いて来る講師。


 「はぁ。

  裏切られるのは、もう御免と言えば分かりますか」


 詐術スキルが顔の表情や口調まで指導してくれるので、それに従いながら告げると。


 「死ぬよりはいいと思うが」


 と、少し納得した感じになりながらも、まだ意見してくる講師。


 「次は、死んだ方がマシかもしれませんよ」


 これも詐術スキルが導いてくれた答えを言うと。


 「……、分かった」


 と講師も渋々納得したと言う感じだろう。


 「だが、他の二人にはハッキリ言っておくが、最低でも2人、可能なら3人以上でパーティを組め。

  でないと、生き残るのは不可能だと思っていた方が良い。

  彼の様なケースは特別だから」


 ああ。そう言う意味で確認だったのか。


 個人情報を漏らすつもりかと思ったけど、他の2人への忠告なのね。


 「では、講義を終えるが、実は有料の研修もある。

  一泊二日で5000Gだが受ける人は居るか?」


 俺が手を上げると。


 「二人は受けないのか?」


 「はい。今は金銭的に」


 と、獅子人族の方の女性が。


 「分かった。受けられるようになったら受けた方が良い」


 「はい」


 「ギルドの有料研修は依頼と言う形になるから、受付で申し込んでくれ」


 とのやり取りで講義を終え、5000Gを払いGランクの銅のギルド証を受け取った。


 さて、狩りに行くか買い物かなと思いながら、冒険者ギルドの階段を下っていると、大きな剣を持ったエルフの女性から声が掛かる。


 「あの、話を聞いてもらいたいのですけど」


 ああ。


 トラブルでなければ良いけど。

 やっと、ヒロイン登場でしょうか。



 以前にも同じ事を書いてしまいましたが、これで世界観の説明を最低限終えられたのかな、という処です。

 となると、ストーリーが進み始める筈なのですが、どうだったかな。

 同時に5~6か所推敲していたら、訳が分からなくなってしまったと言う状態です。前後関係とか無茶苦茶になっていないと良いのですが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ