第51話 忘れてた
魔物を狩り、都市に戻ってきました。
狩りの反省が必要なくなるまで、まだ時間は掛かりそうですかね。
都市に戻り、食事の美味しかった狼人族の老夫婦の宿を取る。
やっぱり、5000Gの前払い。
食事の前に幾つかある武器屋の一つに行く事に。
少知に良心的と聞いた武器屋に着く前に、フード付きのマントをかぶり、紐で縛った武器や防具を亜空間収納から出して持って行く。
「これを売りたいのだけど」
と、武器屋の買取のカウンターにまとめておいた武器を置く。
「査定するからちょっと待って」
そう言われたので、待っている間に売っている武器や防具や道具を確認していると。
「これは、ゴブリンの武器や防具か?」
と、店主から声が掛かる。
「ゴブリンだけでなくオークも入っているけど」
そう思い出しながら言うと。
「だから、そこそこ良質な鉄製もあるのか。
青銅の剣7、青銅の槍5、青銅の斧5、こん棒15、皮の服39、鉄の剣8、鉄の槍2、鉄の槌4、鉄の斧4、皮の鎧6セットの買取りだな」
「そうだ」
「一個当たり、青銅の武器が100GAU、こん棒は10GAU、皮の服は100GAU、鉄製の武器がオークの物みたいだから1000GAU、皮の鎧が500GAUで良いか」
「ああ」
と言って、全部の合計26750GAUを受け取る。
これで小金にはなった。
宿に帰り、食事を終えて、宿の担当に朝8時に起こしてもらえるか聞いた上で頼む。
明日は、ギルドの講習があるから。
そして、今日の反省の時間なんだけど。
魔毒爆蛙ね。
『爆』の字は入っているけど、頭部を破壊されているのに、こちらの接近を待って爆発するかね。
しかも、強力な毒をまき散らしやがって。
毒の霧がヤバそうだったので、周りを最低限確認した後に目をつむって対処したけど、あと少し目をつぶるのが遅かったら、目を毒にやられていたそうだ。
当然、息も止めていたんだけど、皮膚から吸収した毒であっという間に倒れ込みそうになる程強力な毒だった。
頭を潰せば大丈夫だろうと言う、前世の常識は忘れよう。
脳が頭部に無い事だってありそうだし。
だけど、魔法の威力不足という問題があり、頭部と言った弱点を攻める必要はあるんだよな。
まあ、死んだと安易に思わず、戦利品化するか格納箱又は亜空間収納に収納するまでは油断しないで良いのかな。
当然、気配探索とかで気配を探りつつ、先読みスキルで危険が無いか確認しつつか。
後は、『毒』とか『爆』とか名前に付いている魔物には要注意か。
しかし、毒に魔法障壁が溶かされるとは。
爆発の衝撃波には耐えていたのに、障壁に張り付いた毒により溶かされたのだから、奴の毒にはそう言う性質まであったという事なのだろう。
怖すぎるよ。
魔物の種類によっては、倒した後も油断しない様にすべきだろう。
次は、現状の把握とこれからすべき事だけど、今日は薬師から魔導士に転職出来た。
植物の繊維を集めると言う目的に時間が掛かるだろうから、今日は転職出来ないと思っていたのだけど、強めの魔大蜘蛛、魔虎、魔大狼を狩れたので。
魔毒爆蛙も、魔石は回収できなかったけど経験値にはなったしな。
そう言えば、ステータスが上がったお陰か、魔力魔法のレベルが上がったお陰か、あれほど苦戦した魔虎を数発の魔力矢で倒すことが出来た。
たった数日だと言うのに、凄い進歩だ。
となると、魔虎クラスを倒しまくる事で、転職のスピードを上げられる。
でも、あの魔虎はこちらに気が付いていた。
こちらも気が付いていたから冷静に対処したけど、もし奇襲を受けていたら話は全然違ったな。
やっぱり、地道に感知系、隠れ偽る系のスキルのレベル上げを続けておくべきだろう。
4級職になると、転職には15億弱もの経験値が必要となる。
そうなったら、また考えるべきなのだろうけど、今は地道に自力を上げながら強くなり続けよう。
次は、これからの話だけど。
何に転職しよう。
生産系になったとしても、生産に必要なモノを揃えられず物を思うように作れないと言うのは、昨日寝る前に確認した。
となると、戦闘力を上げたい。
白騎士かな。
戦闘力アップと言うか、受け流しと言う防御スキルだけど。
まあ、明日は冒険者ギルドでの研修だから、転職するのは明後日になりそうだし。
と言う事で、寝る前に薬師技スキルのレベル上げの為に薬包紙の生産をしておこうと思ったのだけど、ここで薬師から魔導士に転職している事に気が付いた。
ああ。職業の恩恵が無いから、薬師技スキルの成長は半分になる。
材料いっぱい集めたけど、倍必要になってしまったか。
経験値増加スキルがあるから、それでも他人よりは効率が良いけどさ。
と凹んだ処で今日の生産は諦めて、ふて寝させてもらった。
明日は冒険者ギルドで講習を受けて、冒険者登録をするようです。
定番のトラブルはあるのでしょうか。




