第50話 幾つかの戦闘
蜘蛛は大食いだし、生物は頭を潰せば死ぬ。
前世では、そう言う理だったけど、この世界で同じとは限らない。
気を引き締めて、戦闘を続けるようです。
少し浴びてしまった毒の影響が無い事を、薬師技や回復魔法スキルに確認し、狩りを再開する事に。
次は、ゴブリン12匹だ。
今度は、隠れたまま鋼鉄の戦斧を使って攻撃してみる。
ハッキリ言うとスピードの次元が違うから、斧で木の剪定や薪割をしている感じかな。
ゴブリンだって生きているのに、理不尽な世界だ。
だけど、俺の糧になってくれと戦い続ける。
まあ、戦いと言うより暗殺だけどね。
なお、戦斧は痛まない様に、付与魔法により魔法障壁を付与してある。
うん。
ゴブリン程度なら、これで武器は痛まない。
しかし、木こり技も優秀だな。
斧だって下手に使うと、自分を傷付けたり、相手に刺さったまま使えなくなったりするけど、最適かなと思う攻撃方法とかを教えてくれる。
ありがたい事だ。
これを繰り返して行けば、斧の使い方が身に付いて、スキルに教わる手間も無くせるか。
斧技スキルも別にあるのだけど、何が違うのだろう。
と同じ武器スキルである剣技スキルを鑑定したりスキルに聞いてみたりしてみると、スキルのレベルが上がると、剣を装備していると筋力、器用、俊敏と言ったステータスに補正が入ると言う違いがあるみたい。
武器系スキルのレベルが上がると武技が手に入るとかだと良かった気もするが。
しかし、魔法より残酷に感じるのは、何故だろう。
魔法で倒すとゲームみたいな感じになるからかな。
見えない敵におびえる人型魔物を倒したのは初めてだったか。
いや。
魔法でも同じような事はあったけど、距離があったので、ここまで表情とかを確認しなかったのか。
だけど、既に俺も何度か死にかけている。
それでも狩りに出ている時点で、生死を掛ける意思を固めている。
それでも、嫌な感じになったけど。
下手をすれば鬱になるかと思う程度には。
余計な隙を作らない為に、今の内に弱い敵で残酷な行為にも慣れておいた方が良いのかもしれない。
そう考えながら戦利品処理をして、ゴブリンの魔石F12個、青銅の剣4、青銅の槍2、こん棒4、青銅の斧2、を入手。
次は、魔トカゲ。
魔大トカゲは恐竜程度だったが、魔トカゲはコモドオオトカゲくらいか。
あれって噛まれると、凶悪なバクテリアか何かで治療方法が無く死ぬって話だったけど。
回復魔法スキルでは、LV2で毒や病気等も治療できる「治癒」も手に入れられる。
治癒魔法は、先程の強力な毒も治療出来たので、おそらくは大丈夫だろうけど。
でも、油断していたらレベル不足で治療出来ませんでしたとかありそうか。
そんな事も考えつつ、隠れたまま火矢で頭を破壊。
これは、そのまま冒険者ギルドへ売ろうと格納箱に入れる。
次は強い反応へと向かう。
懐かしい、魔虎の反応。
転生してきた直後から比べると、俺もかなり強くなっているはずだけど、と近づいて行くと向こうも物陰に隠れながら接近してくる。
隠れている俺を発見しているなんて流石だ。
俺は、全力の魔矢で首を喉から貫くようにイメージして放つ。
奴は、魔力矢に対する対処法を知らなかったのか、油断していたのか、キッチリ命中し爆発した。
それで『やったか』と思ったのが良くなかったのか、血を流しながら突っ込んでくる。
亜空間収納に鋼鉄の戦斧を収納しオークからの戦利品である鉄の槍を取り出し、火壁と槍で牽制しながら距離を取る。
でも、その火壁を避けたり、突っ込んできたりする魔虎に、更に3度同じ場所に魔矢を撃ちこむと喉が完全に破壊できたようで倒れ込んだ。
死んだふりで無い事を気配探索でチェック。
以前に比べれば、アッサリと倒せた。
まあ、あの時とは、魔力魔法のレベルも、知力・精神のステータスも全然違うから。
強い魔物なので冒険者ギルドへは売りにくいかなと戦利品処理で魔虎の魔石C、魔虎の皮、魔虎の牙4個、魔虎の肝を取得。
亜空間収納に入れ周りを確認する。
だけど、転生してきた場所の様に薬草があるように感じない。
あれって、ボーナスステージだったと、改めて教えられる。
あの神様って、結構優しい処もあったんだな。
まあ、魔虎にやられるパターンだって、無かったわけでは無いけど。
だけど、魔虎も少知少能スキルで倒せたらしいし。
あれだけの薬草を次どこで手に入れられるだろう。
そう考えていると。
【薬草は、マナ(空間に満ちている制御されていない魔力)の高い地域に生える為、この様な普通の濃さのマナしかない場所では、滅多に育ちません】と、少知が教えてくれる。
そうなんだね。
となると、やはり、今保有している薬草類は無計画に売ったりはせず、大切に使うべきか。
と、再確認して次の獲物へ。
次は、またゴブリン達だったので、鋼鉄の戦斧を使った戦闘を。
うん。
まだ気持ち悪いけど、慣れるまで続けよう。
15匹を数分で倒し、戦利品処理を掛ける。
ゴブリンの魔石F15、青銅の剣3、青銅の槍3、青銅の斧3、こん棒6。
次は、魔イノシシを隠れたまま、魔法障壁を付与したままの戦斧で『強打』と念じながら攻撃すると、首を切り落とす様な勢いになった。
これは売ろうと、その場で血抜きをしながら周りの草を採取し亜空間収納と格納箱へ。
今日は出発が遅かったし、薬包紙、麻の材料になりそうな草や木の葉等を採取していた為、もう帰り始める時間となった。
帰りは、今日も隠れるのを止めて、防御を全力でしながら帰ろうかな。
魔法障壁を自分自身に付与し、MPを多めに消費する代わりに丈夫にした魔法障壁を張り、鑑定と任意タイプの探索を繰り返ししながら、帰り始める。
臭いで分かるのか、音で分かるのか。
今日も、魔狼12匹と魔大狼4匹の集団に襲われる。
火壁で魔狼達の動きを邪魔し、火矢の攻撃で魔狼の首を破壊。
魔大狼には、火矢だけでなく切り札の魔力矢も避けられ、鉄の槍を使った接近戦に。
一匹は、襲って来たのを避けながら、鉄の槍で腹を裂く。
一匹は、追加で放った魔力矢で首を破壊して。
最後の一匹は、槍で牽制しながら、全方位から魔力弾を14発撃ち込み、飛び上がって無防備になった処を魔力矢で首を攻撃し、止めに槍を打ち下ろす。
全滅したのを気配探索で確認後、全て戦利品処理。
魔大狼の魔石D4個、魔大狼の皮4枚、魔大狼の牙16、魔狼の魔石12個、魔狼の皮12枚、魔狼の牙48個。
更に、都市への帰る途中の木々の生えている場所の近くを通った時に、魔猿の集団に襲われた。
魔角大猿1匹、魔大猿4匹、魔猿73匹の集団。
木の上から降りてきて、飛びつき噛みつこうとしてくる。
幸い魔角大猿でも、怪獣と言う程巨大では無かったけど、それなりに素早い。
幸い、高い俊敏ステータスにより、余裕があるし鉄の槍も使い牽制し避けながら一匹ずつ魔力矢と火矢で倒していく。
火矢で倒した15匹は、冒険者ギルドへ売ろうかな。
そう思いつつ、残りを戦利品処理すると、魔角大猿の魔石D、魔大猿の魔石E4個、魔猿の魔石F58個となった。
皮が戦利品とならないとなると、魔石しかお金にならない。
だとしたら買取りに出す意味がないなと、残りも戦利品処理をして魔猿の魔石F15個に。
ここで、転職が可能になったので、魔道士に転職する。
後は、魔イノシシを1匹、魔トカゲを2匹を火矢と魔力矢で倒して、街道へ戻る。
帰りも、紙や麻の原料とする為の植物の採取に時間を取ったので、こんなものか。
と思いつつ、都市の門をくぐった。
今日も、それなりの数の魔物を倒せたようです。
しかも、魔虎クラスも倒しました。
確実に強くなっている様ですね。




