第48話 各種生産
色々と調べ、戦い、宿に戻って反省して就寝。
そして、次の日の朝を迎えたのだけど、出発前にする事があるようです。
朝の食堂での食事を終えて、いったん部屋に戻り、魔生薬の生産に挑戦する事とした。
折角なった薬師だからね。
でも、魔生薬造りに必要な道具である薬研とか薬研車を持っていない事に気が付く。
薬研や薬研車とは、時代劇なんかで見られる医者が薬草等をすり潰したりしている道具。
無くてもMPとスキルで魔生薬を造れるが、自身のMPや魔石により薬草等の成分を薬効に変える部分の効率が全然違う。
なので、消費MPを抑える為に薬草師技スキルで造られた薬研及び薬研車を使うべき、とのスキルの説明があったので入手すべき物としている。
他にも、魔生薬を長期間保存する為に必要な薬包紙もない。
まあ、こちらについては造った薬はとりあえず亜空間収納に入れておけば良い筈だけど。
なお、薬研とかは薬師技のレベルが上がれば自分で造れるのだけど、今はLV1だから。
では、何が造れるのかと薬師技スキルに確認すると、薬包紙と傷薬がLV1から造れるようだ。
傷薬は傷薬草と魔石で。
薬包紙は、その辺の植物の葉・茎の繊維からスキルとMPを使って紙が作れる様なので、それを採取して来ないと。
まあ、木工スキルのレベル上げの為に刈った木の枝とかもあるから、それを転用すればいいか。
そう考え、亜空間収納内の枝や木にスキルを使い、薬包紙を100枚ほど造る事にした。
薬師技と念じ、表示されたメニューの中から生産を選び、更に薬包紙作成を選び造りたいタイプの薬包紙や原材料とする木等を選ぶ。
そこまでは良かったのだけど、薬師技メニュー内の『同じ設定で造る』を選択と念じる又は『同じ設定で造る』と念じ、更に『はい/いいえ』の『はい』を選択すると念じる事を100回繰り返したのは面倒だった。
マウスでクリックとか、コントローラーのボタンを押す方が楽だよな。
思念操作だから、雑念が入ったり、集中力が足りなかったりすると、反応しないからか。
前の世界でも、視線入力とかあったけど、誤入力とかが問題になるのだっけ?
まあ、慣れもある程度関係してくるかもしれないけど。
しかし、木工のスキル上げも、綺麗さっぱり忘れていたなと反省。
木工スキルは、槍とか斧とかの木製の柄とか造れるだけでない。
スキルと魔力を使い素早く水分を抜いて建材にしたり、本来材木とは出来ない木を合板や集成材やコルク材にしたり、薪と言った燃料にしたり、炭化させて炭にしたり。
木を加工し組み立てて家具を作ったりできるスキルだから、便利だと思って取得して、そのままになっていた。
材料を確保したら、できる事を増やす為にもレベル上げをしたい処だけど、森には近づきたくないからな。
危険では無い場所での木材の確保も、マメにしておいた方が良いのかもしれない。
ちなみに薬師技スキルは、魔生薬を造らず薬包紙だけ大量に造ってもレベル10まで持って行けそうだ。
経験値増加スキルのお陰だな。
紙の原料と出来る植物を、今日は大量に確保しよう。
背の高い雑草の生えている場所なら幾らでも有るから。
まあ、そう言う場所は、潜んでいる奴がいて近づくのが怖いって言うのもあるけど、魔法で切っては垂れた処から亜空間収納しよう。
次は、料理スキルを使ってみる。
魔イノシシの肉と魔牛の肉を1つずつ、料理スキルとMPを使い殺菌し熟成させる。
アッサリと短期間で出来たけど、ここじゃ料理できないし、美味しいかどうか分からないな。
ビーフジャーキーみたいな状態まで加工すれば良いのだけど。
う~ん。
宿のチェックアウト迄、それ程時間は無いから、それは後回しかな。
とりあえず、亜空間収納に入れておこう。
次は、裁縫か。
魔蜘蛛の糸を1200メートル分取得したけど、それは糸そのものではない。
蜘蛛のお尻の糸腺と呼ばれる袋状の器官に液体の原料として入っている状態だ。
空気に触れると固まるらしく、それを出糸器官から粘着力が無い状態で、一定の太さで取り出し糸にする作業を裁縫スキルがMPを使い行ってくれる。
これを、革鎧を縫う用の太さで100メートルほど造る事にした。
その際に、スキルにどういう方向で糸を強化するかと確認があったのだけど、良く解からない。
なので、どうすべきかを裁縫スキルに聞くと、火に強く丈夫になるように強化するのが普通との事なので、そう指示して作成をした
これで皮は色々と持っているので、また革鎧が造れるだろう。
ただし、糸を造る作業を終えた時点で宿のチェックアウト時間が来そうになったので、とりあえず外に出る事に。
幾つかの生産を試してみました。
生き残る為には、取得した生産スキルも有効に使うべきだと思うのですが、どうなのでしょう。




