第45話 甘味ゲット
市場調査をしながらの買い物で所持金が寂しくなりました。
となると、魔物を狩って稼ぐと言う思考になるのですが。
買い物を終え、今日も東の門から出て東へ向かった後、街道からそれて南下する。
幸い上がったステータスのお陰で、移動にかかる時間は短い。
確か二本足で走るのが早いダチョウが時速70キロくらい出すはずだから、人族でもステータスが上がれば80キロから120キロくらいで走れるようになるのかな?
まあ、空気抵抗とか摩擦とかが世界の理の違いによって全然違ってくる可能性もあるし、細かく計測する気も無いけど。
昨日と同様に、行きは無い事に偽装、秘匿、隠形を使用して、隠れながらの移動。
幸い街道沿いでは、魔物から攻撃される事は無かった。
そこから南下し始めると、気配探索等に丁度いい魔物の反応が幾つも出始める。
まずは、オーク12匹。
レベルが上がり、攻撃力の増した火矢で頭部を一匹ずつ潰す。
驚き怯えながらなんか叫んでいるけど、俺は知らない。
そう言えば討伐依頼にオークがあるって話もあったけど、と少知に確認すると、討伐を確認する部位は魔石らしい。
魔石は、多くの生産で原料になるから、魔石を原料の一部とする薬師技や鍛冶師技スキル等のスキルを持っているだけで、簡易鑑定により名称やランクは分かるからな。
冒険者ギルドに、そう言う簡易鑑定が出来る者が居るのだろう。
ちなみに、オークの魔石についてはオークの討伐依頼を受けていればそれなりの金額になるらしい。
しかし、ゴブリンやオークの討伐依頼は毎日決まった数しか出されない為に真っ先に無くなるらしく、ノンビリと冒険者ギルドへ行く俺では依頼を受けられない。
普通に魔石Eランクを売ったのでは大した金額にならないし、少知に聞いたら武器や防具以外にお金になる部分も無いようなので綺麗に倒すことに拘らず攻撃魔法のスキル上げをする事にした。
虚勢を張っている感じのオーク達を火矢で攻撃。
最後の一匹になった処で、オークの持っていた槍を拾い、姿を現す。
破れかぶれって感じで突っ込んできたオークの頭に、槍技に命ぜられるまま槍を打ち下ろし倒す。
戦利品処理スキルを使うとオークの魔石E12個、鉄の剣4本、鉄の槍2本、鉄の槌2本、鉄の斧4本、革の服12着だ。
ふ~ん。
オークを倒すと鉄製の武器は手に入るのか。
あまり品質は良くなさそうだけど、ゴブリンの持っている武器とは違い使えそうではある。
オークの着ていた革の服も戦利品処理後に残ったという事は、売れると言う事なのだろうけど、どうするんだろう。
少知に聞いた処、革鎧の補強に使えたりするらしいが、多分買取価格は安いだろうな。
そんな事も考えつつ移動し、次は魔熊。
これは、皮が高く売れそうだし、その皮を使った防具を自分が使う事も考え、口から入って脳を破壊するとイメージした魔力矢を撃ち込む。
でも、偶々なのか危険を察知したのか、口が閉じられ前歯に当たって失敗。
痛がってはいるようだけど歯は丈夫そうで、破壊するのに手間が掛かりそうだ。
ならばと首廻りを攻撃する事として、魔力弾と魔力矢を何度も打ち込む。
攻撃されているのに気が付いても敵を認識できず、立ち上がって周りを警戒するが、それでも俺を見つけることは出来ないので一方的な戦いだ。
地響きをたてて倒れた魔熊に戦利品処理をすると魔熊の魔石D、魔熊の皮に。
次は、魔狼14匹。
防御力の弱そうな喉へと攻撃し、イメージによる変更で火矢の爆発に方向性を持たせる事で首に致命傷が入れられる様になったので、これも火矢で攻撃。
必死で俺を探している様だけど、俺を見つけることは出来ないまま火矢で全て倒し、これは全て戦利品処理をしないで格納箱に入れる。
更に南下していると、木の枝にぶら下がる形でハチの巣が見えていて、その周りに魔蜂達がいる。
初めて倒す魔物なので、少知に魔蜂は何が戦利品となるか聞いてから、一匹一匹丁寧に頭を切り離す形で魔力矢を使い、魔女王バチも同様に倒す。
戦利品処理スキルを使うと、巣も含めて処理された戦利品になった。
52匹も一度に戦利品処理をすると、MPが一気に減った為か軽いめまいがしたけど、MPの多い魔法戦士でそれなりのレベルだから、まだまだ戦えそうだ。
でも、この辺は注意しないとな。
戦利品は、と確認すると、魔女王バチの魔石D、魔蜂の魔石F51個、魔蜂の毒袋51,魔蜂の蜂蜜50キロ、魔蜂の蜜蝋30キロ。
あっ。
少知が教えてくれた魔蜂の中でも蜜蜂系の魔蜂だったのね。
蜜蜂だと前世のイメージで数千匹以上いるイメージだったのに数十匹しかいなかったし、木にぶら下がる形で巣をつくっていたから、スズメバチ系統だと思ったのだけど、ラッキーだ。
だって、そのまま舐められる甘味が手に入ったのは嬉しいでしょ。
いや。
この世界では毒とかあるのかな、と少知に聞いたらそのまま舐めても大丈夫との事。
戦利品処理により蜜蝋のビンに入った蜂蜜か。
高く売れるだろうか。
まあ、甘味と栄養補給用に取っておくけど。
この世界では、蜂蜜は貴重なのでしょうか。
この都市に限って言えば果物以外の甘味は少なく、砂糖も値段が高いので嬉しいようです。




