第42話 この世界の奴隷
今日の戦闘等について、反省や確認をしています。
次は、今後についてです。
最後に、今後の検討か。
都市を歩いていると、奴隷らしき人達を何人も確認した。
それは服装から疑い、鑑定して確認したわけだけど。
その人達は、片手や指が無かったり、体に大きな傷があったり。
全員では無かったけど、そう言う人が多かった。
それが気になったし、自分が奴隷にされる危険性を知る為に、色々と少知に聞いてみた。
すると、五体満足の人であれば土地を領主から借り畑をしたり、冒険者ギルドで都市の中での仕事を受けたりで生活が出来る者が多く、借金から奴隷に落ちるような事は少ない。
しかし、魔物に襲われ怪我をして十分な労働が出来なくなると、家族などの支援が無いと税などが払えなかったり、飢えで食べ物を盗んで犯罪者になったりで奴隷に落ちる。
この国及び世界全体でも、そう言う奴隷が多いらしい。
例えば、都市の領主等から借りている家や畑等の土地については、騎士の持つ契約スキルで契約して賃借料兼税金を払う事になる。
その契約に違反し税金を払わないと、多くの場合で契約不履行となり、100万GAUまでだと軽犯罪者相当となり、ステータスウィンドウの契約欄に契約不履行と表示される。
しかも、窃盗といった犯罪とは異なり支払いが終わるまで契約不履行状態が続くので、1日で債務不履行と言う表示が消える訳では無く、軽犯罪者相当となる契約不履行は表示されたまま。
それを回避する為に、きつめの労働契約程度の1級奴隷に自分でなる事も、軽犯罪者相当と言う事で奴隷契約スキルにより強制的に1級奴隷にされる事もある。
しかし、そう言った労働で借金が返せない人はどうなるか。
100万GAUを超えた時点で重犯罪者相当の契約不履行となり、今度は命に係わる命令以外はきかなければならない2級奴隷にすら本人の意志を無視し落とされる世界の理となっている様だ。
しかも、1級奴隷より2級奴隷の方が使い勝手が良いと、1級奴隷にはせずに2級奴隷に強制的に出来るまで待った上で2級奴隷にする、という事も普通に行われているらしい。
また、家や畑等の土地を借りていなければ税金は払わなくてもいいが、通行料の必要な門を使って外に採取に行く事もできないので、食べる物がなく盗みを行う等して犯罪奴隷になるパターンも、それなりあるとの事。
後は、人族同士の戦争で死ぬか奴隷になるか選ばされて、奴隷になるパターンの戦争奴隷も多いらしい。
魔物の跋扈する世界なのに、人族同士で戦争をする余裕があるんだね。
まあ、人族と言うのは厄介だと言う事なのだろうか。
また厄介なのが、拷問で奴隷契約を了承しても奴隷になるらしい。
しかも、拷問し嫌がる人を無理やり奴隷にした人が人権侵害で犯罪者になりそうなのに、体に致命的な外傷を与える拷問でもない限り、そうはならないようだ。
例えば、爪をはがされる拷問とか考えただけでも嫌だけど、爪が生えてくるような爪のはがし方だと、致命的な外傷を与えたことにならず、加害者は犯罪者にならず他人を奴隷に落とす事も可能だそうだ。
俺が転生者である事がバレタ場合、このパターンで奴隷化されるんだろうな。
まあ、間違って犯罪者になるパターンも無くは無いけど。
そして、無理やり奴隷にされた奴隷を普通に売っている奴隷商も多いとの事。
なかなかに酷い世界の理だけど、多分、不変の法則・現象を現象たらしめている法則である世界の理で管理しようとすると難しいのだろう。
多少の傷なら、魔法とか薬で治せるから、どの程度で傷害罪になるかの判断は難しそうだし。
だとしても、拷問で奴隷に出来るなんて酷い理だ。
まあ、緩めとは言えバトルロイヤル的な世界なら、人権侵害なんて気にする訳もないか。
でも、俺の様に自分の身を護る為に転生者である事を隠したい場合には、2級以下の奴隷を従者にし、秘密を喋るなと命じておけば、奴隷契約により喋れない様に強制される及び話そうとすれば耐えられない程の痛みが走るらしいから、秘密が保持できるらしい。
なので、従者に奴隷が欲しいと思っている。
酷いと思いながら、利用できるモノは利用する。
世界に抗う気概は無いし、この世界では当たり前。
だとしても、俺も酷い人間だ。
前の世界なら、人として生まれた以上、最低限認められるとされる人権。
それさえ認められない奴隷。
その仕組みを利用する以上、俺も善人では無い。
そう認識だけはしておく。
と言いつつ、前の世界でも酷いモノだけどさ。
最大の人権侵害である戦争・紛争ですら、彼方此方であったのだから。
まあ、それは置いておくとして、奴隷を買うとしてもお金は無いし、俺自身弱いからまずは可能な範囲内で自分を強化してからだから、まだまだ先の話だけど。
でも、相場くらいは知りたいな、と言うのが現状だ。
後は、女性の奴隷と契約した場合に、エッチな事を求めるかどうか、と言うのもあるよな。
性病とかも、治療の魔法とかで治せると少知に聞いているから、そう言うのは風俗に求めると言うのも有りなんだけど。
俺が転生者という事をばれない様にする為には、関わる人を減らすと言うのも必要だから、そう言う意味だと風俗ではなく、エッチについても了承してくれる女性奴隷の方が良さそうだと思ったのだけど、本当にその方が良いかは分からないし。
……。
この都市にも、ちゃんと国の認可を受けた奴隷商があるらしいので、明日話だけでも聞けないか、行ってみよう。
そこまで思考が進んだ処で、今日の反省等は、これくらいで良いかと、眠りについた。
奴隷制度。
まあ、フィクションと言う事で。
奴隷制度については、今後修正が入るかも。




