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第30話 注意不足と奇襲

 主人公は魔物を倒し、順調に職業経験値を得ているようです。

 それで得た経験値を使い、強くなる為に転職するようですが。

 順調に、2級職を極めて行っている。


 後は、採掘士を極めれば、3級職へと移れる。


 そう思いながら移動していると、木が十数本固まって生えている場所がある。


 そこには果物が数種類なっている。


 しかも、他の場所に比べて量が多い。


 と言うか、他の場所には無かった腐りかけの果物すらある。


 なら、いつもの様に採取しておくかと、果物を取りに行く。


 少し向こうにゴブリンの気配もあるけど、隠れたままだし大丈夫だろうと亜空間収納を使い、いっぱい実っている果物を採取する。


 ブドウ、夏みかん、リンゴの様な果物を採取。


 なんか、武器とかも落ちているけど、なんだろう。


 あ。あっちにも美味しそうな果物があると移動し始めた時に、後ろから右肩と左肩を鋏まれ動けなくなる。


 なんだ、と見ると昆虫の手のようなモノに鋏まれている。


 しかも、防具を切り裂いていて、既に体に食い込んでいる。


 そう認識した途端、今頃察知スキルが警鐘を鳴らす。


 えっ、と困惑しながら昆虫の手の様なモノをと凝視すると鑑定が実行されて魔大カマキリと名称が。


 魔大カマキリの鎌に、鋏まれ拘束されているんだ。


 しかも、持ち上げられて地面に足が付いていない。


 そう理解したタイミングで、その魔大カマキリは俺の首に噛みつこうとしている事を先読みスキルが教えて来る。


 慌てて、俺の頭の上に魔力矢を発生させると、魔大カマキリは俺を盾がわりに使おうとする。


 だけど、魔力矢だから軌道変更が可能。


 俺を避けて頭を破壊しろと念ずると、俺を器用によけて魔大カマキリの頭に命中し奴の頭が弾け飛んで魔大カマキリの鎌の締め付けが緩む。


 更に、俺の重量を持ち上げ続けられなくなったのか足は地面に付いた。


 しかし、俺は両手を動かす事が出来ない。


 両肩から胸にかけて切り裂かれているからだ。


 と言うか胸の大胸筋とか背中の僧帽筋だけでなく、あばら骨まで斬られている感じもある。


 そして、血も流れ始めた。


 そっか、戦利品処理をすれば、と戦利品処理をすると、奴は戦利品になり拘束は解かれたが。


 拘束が解かれた為に、血が噴き出し始めた。


 だけど、俺は立ちすくんでいる。


 と言うのも、傷が深すぎて下手に動くと、HP回復スキルで繋がろうとしている骨や血管がズレルとスキルが教えて来るから。


 でも、そうしている間にも血は大量に流れ、意識も朦朧と。


 そこで表示され続けていた『転職しますか。はい/いいえ』の文字に気が付く。


 『はい』を選択し、神官に転職。


 これで傷が回復してくれればいいけど、体には大きな変化はない。


 ステータスは上がったはずだけど、回復はしないか。


 いや。


 転職してレベルが1になりステータスは下がったのか。


 でも、新しく得た神官技が信者技とは異なり、今の俺の現状を詳細に教えてくれる。


 あばらの何本かが切られ、胸と背中の筋肉は切り裂かれ、傷が広く深いので多くの血管が損傷している。


 どうする。


 このままではHP回復スキルの回復では間に合わず、俺が出血多量で死ぬ。


 と言うか、ほぼショック状態で死にそうな状態。


 あ。


 向こうにゴブリン8匹が鷹みたいな大きな鳥に襲われている。


 出血の為か狭くなった視野だけど、何とか魔物達をとらえている。


 魔力矢を9回唱え、9匹を倒す。


 これで、経験値は得られたはずだ。


 神官は、LV21前後で回復魔法スキルを手に入れる。


 頼む、届いてくれ。


 新しく得たスキルが教えてくれる怪我の回復の為の呪文。


 『回復』を何度も念じる。


 すると、骨の位置を治し、傷を消毒し、血管を繋ぎ、骨を繋ぎ、傷を塞いでくれた。


 ステータスウィンドウを表示して確認すると、神官のLVが22になっている。


 LV21前後だから、得られない可能性もあるのだけど、俺は回復魔法を手に入れられた。


 は~。


 回復魔法スキルに、どういうスキルか聞いてみると、この世界の回復魔法は便利で、傷口を消毒したり、入った異物を取り出したり、麻酔を掛けたり、骨などの位置をなおしてから治療してくれる、知識いらずの便利な魔法だそうだ。


 もっとも、『回復』では失われた部位を再生させる事は無理で、傷は残る事が多いようだが。


 また、血も失われたままだけど、それは傷さえふさがればHP回復スキルが回復させてくれる筈だ。


 俺はホッとして自分の血の血だまりに座り込んでしまった。


 「や、ヤバかった」


 思わず呟いちゃうよ。


 昨日、ちゃんと調べて計画立てておいてよかった。


 ……。


 あ。


 少知少能スキルの少能で回復出来たよね。


 【はい】


 ……。


 焦ると、碌な事ないな。


 大量出血とケガによるパニックで、目の前にある事にしか反応できなかったのか。


 まあ、スキルの取得以外で少能の使用可能回数を減らさずに済んだから良かったのだけど。


 少知の方は兎も角、少能の方は普段使いしない能力だから、綺麗さっぱり忘れていた。


 これで死んでいたら、神様とかに怒られたんだろうな。


 それとも笑われる方か。


 まあ。結果オーライ。


 でも、後でちゃんと反省はしよう。

 MPの多い主人公は、成功率の低い祈願スキルでも回復させる事は可能なのですが、その手段の存在すら思い出せないようです。

 未だ冷静で無いのでしょう。

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