第27話 魂の力と
落ち着いて考えられる場所に着いたので、現状把握や次の転職先等を考えています。
その際に、少知に色々と聞いたのですが、聞いた事の中に矛盾があり、それが気になって来たようです。
ちょっと、面倒な世界観の説明になっています。
次に確認しておきたい事なのだけど、転職の事と少知少能の事を理解すると、矛盾が気になって来た。
1級職から転職すると少知少能の使用可能回数が増える為に必要な日数が100日から1日減ると教わった。
2級職だと2日、3級職だと3日、4級職だと4日、5級職だと5日減るとも。
だけど、それって色々な処で計算が合わない気がする。
だって、職業経験値って魔物を倒したり訓練したりする事により得た又は自身のMPから取り置いたエネルギー量の目安らしいのだけど、その数値はLV10で7489だけどLV20では443168と約59倍だ。
その辺に気が付いた時に、1級職での転職で1日減るなら、2級職での転職で59日減ってくれたらいいのに、なんて考えてしまった。
だから、その辺の話を合間合間に少知に聞いてみたのだけど。
転職時に、それまで溜めた職業経験値と言うエネルギーにより、その人の能力を作り替えたり、半永久的に各ステータスの微量な強化が行われたりすると聞いたが、正確に言うとそれだけでは無いらしい。
実は、誤差程度だけど魂の強化及び魂の力を集めこの世界の力に変える部分の強化にも使われているらしいのだ。
魂とこの世界の人族と言う存在の関係だけど、イメージとしては太陽と人かな。
膨大なエネルギーを内包し発生させ、それを四方に放出しているのが魂とその力。
イメージとしては太陽。
まあ、太陽は太陽に比べて矮小な存在である人でも見る事が出来るし、その存在を知っているけど、魂はあるかも程度の存在で、その力は現状全く認識できないと言う違いがあるけど。
太陽は、重力とか光(電磁波)とか太陽風といった膨大なエネルギーによる影響を太陽系に与えている。
その様な放出されるエネルギーの極一部を受け取り有効利用している・自然にあるモノとして影響を受けているのが僕ら地球に存在する人なのだろう。
まあ、先ほども確認したけど、太陽と違い魂の力は人では認識できないと言う違いはある。
でも、人が太陽の存在や周りに放出しているエネルギーを正確に認識できているかと言うと、認識できていないから、この説明でも良いのかな。
で、僕らが認識できていない魂のエネルギーをこの世界でも使える力にして利用している部分だけど。
まず、その前提として魂が放出するエネルギーは膨大で、それを受け取り影響を受けたり利用したりしているこの世界の人族は、そのエネルギーの1兆分の1すら有効的に使えていない。
なお、その利用方法で代表的なモノは魔力だ。
つまり、魂から放出されているエネルギーの極一部は、前の世界には無かった力である魔力へと変換され、その魔力をため込んで自由に使える状態としたMPになる。
太陽光発電パネルで、太陽のエネルギーの一部を電気と言う溜める事も様々に利用する事もできるエネルギーに変換している感じなのかな。
また、魂の力は職業制及びレベル制によるステータス強化にも使われているらしい。
まあ、例外として魂の力のごく一部を自身の利用できる力としてため込み使う少知少能スキルと言った力もあるけど、それは良いだろう。
しかし、それは既に述べた通り1兆分の1も有効的に使えていない。
多分、地球に居る人類や個人が、太陽が持ち放つエネルギーの極一部しか有効的に使えていない事と同じだろう。
いや。流石に太陽のエネルギーよりは有効に使えているのかな。
……。
う~ん。
説明下手だ。
少知の説明の、
【この世界の一般的な人族は、魂から発する膨大な感知できないエネルギーの1兆分の1から1000京分の1のエネルギーを利用し、職業制・レベル制・転職に基づく恒常的なステータス強化や本人管理下の魔力であるMPとしている】
という方が分かり易いかな。
この説明は、転生者が神に聞いた話だそうだから、信憑性は高いのだろう。
話を元に戻すと、それだけの膨大なエネルギーを内包する魂の強化に、転職前に得られた職業経験値と言うエネルギーの全てを使ったところで、どれだけ強化となるのだろう。
地球から打ち上げるロケットに太陽のエネルギーとなる水素を積んで、太陽に打ち込む程度のモノ。
太陽の直系って140万キロ、質量は地球の33万倍もあるのに。
つまり、2級職とか3級職程度の職業を数回程度転職したとしても、魂の力の強化は誤差程度のモノらしいと最初の説明に戻る事になる。
では、何が強化出来ているのか。
高次元の高エネルギーである為に三次元のこの世界では有効的に使えない魂のエネルギーを、この世界で有効的に使えるエネルギー及び力に変換する部分や魂の力を集める部分を強化し、エネルギーを有効活用できる割合を増やす。
それは、扱いきれないエネルギーを少しずつ、その当人が使いこなせるようになって行くと言う事でもある。
その結果、いずれ時が来れば魂の力を認識できるようになり、更に自分の意思で思うように使えるようになるのかもしれない。
少知は何も教えてくれなかったけど、そうなった存在が神とか呼ばれる存在になるのだろうか。
その辺の話は兎も角、魂の強化と言っても少々の職業経験値と言うエネルギーでは魂の力そのものの強化は極微量でしかない。
魂の力を強くするのではなく、魂の力を少しずつ有効活用できるように、力を集め管理しこの世界の人族にも使える程度の力に変換・支配下に置く部分を強化する事を言うのだそうだ。
だとしても、少知少能スキルの使用可能回数が減る日数の部分は計算が合わない気がすると少知に聞くと、
【この世界に生きる者が強くなる事に意欲を持つようにゲームの様な仕組みを作り、その仕組みが働くように様々な調整を神が世界の理でやっているので、そう言う形になっている】
だそうだ。
何と言うか面倒な話で、この話は少知ではなく神様が答えてくれた気がするのは気のせいだろうか。
だけど、今度はここまで理解すると、5級職から2級職に転職した時のステータスの弱体化等と辻褄があわない気がする、と聞いたのだけど。
転職を繰り返して魂の力を有効に使えるようになって行ったとしても、世界の理に刻まれている職業制による制限により、力が弱められるんだって。
まあ、そうだよね。
ちなみに、魂の話になったので、今後この世界で輪廻転生を繰り返していくのかなと言う事も気になったので少知に、
「魂には前世とか前々世とかの記憶はあるのかな?」
とも聞いてみたのだけど、少知スキルからの返事は無かった。
魂と言うモノが、俺の想像以上の力を持っているのだとしたら、経験した事を忘れるなんてあるだろうか。
現に、俺は前世の記憶持っているしね。
でも、前の世界では前世の記憶は無かった。
異世界から転生して来た今回だけが特別なのだろうか。
そう気になったので、この世界ではどうなのだろうと少知に聞いてみると【前世の記憶を持っていると考えている人も居るが、殆どの人は前世の記憶を持っていないと考えている】そうだ。
魂に記憶されていても、人の身ではそれを思い出したりできないと言う感じなのだろうか。
魂に記憶する能力があるかどうか、という大前提を少知に聞いても返事が無かったので、現状これ以上確認しようも無いか。
となると、前世の記憶があり少知少能スキルを持つ、今回の人生で出来るだけ魂の力を扱えるようになるべき、なのかもしれない。
……、細かい事を気にし過ぎかな。
まあ、何にせよ生き残る為には、強くなっていくしかない。
それには、転職を繰り返す事も重要。
それは、世間一般の常識とは違うかもしれないけど、少なくとも俺には必要だ。
そう確認して、今日はもう寝よう、と思い横になると直ぐに眠りについた。
膨大な力を持つ魂。
それを有効活用できるようになった存在が神?
現状、気になっている事は一通り考え・調べ終えたようなので、明日からは生活の為・強くなる為の行動開始ですね。
この様に、世界観を明らかにする為に長々と書くのは良くないとは知っているのですが、まだ上手く出来ずにこんな形になりました。
最低限の説明は終わったと思うので、これからは少しずつ世界観を入れる事になると思います。
〔追加〕と思っていたのですが、以降の話を推敲して見ると、結構まだ世界観の説明はありました。
また、魂の力のイメージについては書かない方が良かったかも、とは思ったのですが。
人から見た魂の力の膨大さをイメージしてもらう為に載せたままにしてあります。
なお、人の魂にそんな膨大な力が、と思う人も居るかもしれませんが、神を創った存在からすれば、塵みたいなモノと言う裏設定です。
創造主について書く場面があれば、そこで表設定になるかもしれませんが。




