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第20話 表情分析スキルを取得した理由は

 主人公は、表情分析スキルと言う力を取得しています。

 その理由は、少知に色々と確認した処、人族は信頼できそうにないから。

 まあ、人族の中には信頼できない人も居ると言う事なのでしょうけど。

 人族は、信頼できそうにない。

 

 そう思った理由だけど。


 少知に『転生者はこの世界ではどう思われ、どう生活しているか』と言った事を何度も聞いている。


 魔虎戦の前には時間が無かったので聞いたのは「奴隷・洗脳状態で戦わされている転生者が居るか?」、「多いか?」との質問に、いずれも【はい】だったから。


 それで奴隷契約スキルなんかも取得したけど、それだけでは不十分そうだったし。


 魔虎戦の後に少しずつ聞いたのだけど、まず称号に転生者がある人が見つかると、保護・教育と言う名の監禁が始まる事が多いそうだ。


 その理由だけど。


 職業制の概要説明とこの世界の現状を理解すると、その理由の一つが分かる。


 例えば、転生者はこの世界に普通に生まれた人より各職業のレベル上限が低くランクの高い職業に就き易く、強くなり易いと言う事実があるようだ。


 しかも、全部ではないが長い修行を必要とする転職条件を満たして転生がなされているらしいし。


 だから、戦力又は生産者として利用すべきとなっているようだ。


 しかも、神授属性と言う強力な力の付いた装備品を持って転生してくる者が多いので、それも利用したいらしい。


 また、この世界は文明のレベルが低く悪い意味での君主制の形になっている国が殆どらしい。


 つまり、権力者として王とか皇帝とか貴族とかが居る。


 しかし、転生者の中には民主主義と言った社会で生活をしていた人も多い。


 しかも、前世で暮らしていた世界だと、王政も横暴なモノから変わって来ている国も多かった。


 なのに、前世での昔の悪い方の王侯貴族や現在でも居た独裁者の命令を逆らわず聞くような者が多いかと言うと、前世での知識がある分、反抗する者・逃げようとする者が圧倒的に多いそうだ。


 まあ、普通に考えて力を持った者ならば、理不尽で横暴な連中に従おうなんて思わないだろう。


 転生者の中にも悪い権力者たちと共謀して上手くやろうと考える者も当然いるけど、多くの場合、それも上手くいかないらしい。


 結果、転生者は、洗脳・拷問による奴隷化がなされて戦力として戦いの最前線に出される。


 まあ、国によって違うらしいが、そう言う国が多いらしい。


 ちなみに、この国では、そこまで酷くは無かったらしい。


 しかし、逆に戦力不足で何時滅ぼされるか分からない状況だったのに、更に内乱で国力が弱まったため、転生者は強制的に奴隷と言う方針に変わり始めているらしい。


 少知から聞いた話から俺が推測した内容もあるから、断言できるほど確信している訳でもないけど、危機感は持つべき状況だろう。


 なので、この世界が、今いる国がそのような状況ならば相手の心情とかを読み取れるスキルが必須だと思ったので。


 ちなみに、表情分析ではなく、感情分析や読心術もあったのだけど、それはユニークスキルやアルティメットスキルだったので、当分手に入れることは出来ないだろう。


 そんな風に考えて取得した話術・詐術・表情分析スキルは、人と会話したり、人の表情を観察したりしないとスキルが使われず、結果レベルも上がらない。


 スキルに聞いてみたところ、表情分析スキルは一部の魔物にも使えたけど、それは後で気が付いた事。


 これらのスキルを都市に着くまでに上げる為には、人と触れ合う必要がある。


 また、この街道を3時間以上歩いているが歩いている人には出会っていないので、馬車を使うのが常識なのかもしれない。


 だとしたら、途中で人を拾う仕組みもあるかもしれないし、歩いて行ったら都市に入る時に疑われる可能性もある。


 なので、馬車に乗れるなら乗った方が良いかなと、自分の姿を消す偽装・秘匿・隠形を解除し、表情分析・話術・詐術スキルが起動してある事を確認して街道のすぐ横を歩いて都市に向かってみる事に。


 馬車が俺に並んだタイミングで、御者が聞いて来た。


 「ロダン市まで乗っていくか?」


 「後どのくらい掛かる?」


 「歩くと夜になるぞ」と御者は事務的な感じで聞いて来る。


 歩いている者には声を掛けろと指示されているので、一応誘っていると言う感じだ。


 そして、二人いる護衛っぽい人達は、少し離れた場所で俺の動向を監視している。


 ああ。盗賊とかも居るんだろう。


 なので、変に緊張感は出さずに受け答えをする事に。


 「料金は幾らだ?」


 「ここだと正規の料金の半分だから500GAUだな」


 「お釣りはあるか?」


 「ん。金貨払いか?」と少し嫌そうに聞いて来る。


 「いや、大銀貨だ」


 「それならある」とホッとした感じ。


 まあ、大金を持って危なそうな御者なんて仕事はしないか。


 「なら乗った方が良さそうだな」


 「ああ。ステータスウィンドウを他人への可視モードにして見せてくれ」


 と、予想された通りの確認があったので、「ああ」と言って偽装したステータスウィンドウを見せる。


 「犯罪者の賞罰はないから大丈夫だ。

  お釣りを受け取ったら、後ろに飛び乗ってくれ」


 と、俺だけでなく護衛や馬車の客にも言い聞かせるように言われたので、お金を渡し、お釣りをもらってから後ろの荷台に乗り込んで、空いている処に座ると、馬車がスピードを上げた。


 しかし、犯罪者だとステータスウィンドウに犯罪者と表示されるのか。


 後で、少知に確認しておこう。

 犯罪者だと身分証明書となる可視モードのステータスウィンドウに、犯罪者と表示される様です。

 真面目に生きている人にはありがたい理の気もしますが、どうなのでしょう。

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