第184話 忍びへ
主人公は、オークの軍団兵に戦いを挑む様です。
上手くいけばよいのですが。
カトレインとクトリアと別れてオークの軍団へと向かう。
さて、今は何をすべきか。
優先順位は、爆裂魔法を使うオークだろう。
まあ、魔法を使うオーク全てでもあるか。
オークキングも優先だけど、アイツはBランク。
しかも、軍団兵発生の個体は野良の個体より強いらしいから、倒せるなら倒したいけど、簡単に行く気がしない。
他にも、逃げる事を考えると、機動性の高い魔馬に乗ったオーク達も倒したいけど。
後は、進軍を遅らせたいか。
そんな事を考えているうちに、城壁に辿り着いた。
さて、今は有事だから一般の人にも開放されている城壁に拘る必要はない、と勝手に決めて城壁の上に。
爆裂魔法により穴があけられている城壁に近い城壁の上の見張り台の影に隠れる。
右手にミスリルの杖を持ち魔法の威力を上げる事にした。
もう城壁に穴は空き、瓦礫を踏みしめながらオークが侵入し始めている。
穴は小さいが、500匹が通るなら十分な穴だ。
オークキングとハイオークメイジが破壊された城壁部分を通る寸前に、奴らの頭上にミスリルの杖を介し威力を上げた火矢を16発発生させる。
その上で必中撃と念じ、オークキングとハイオークメイジ3匹に4発ずつ打ち込む。
ハイオークメイジは3匹とも頭を破壊出来たけど、オークキングには持っていた武器と盾と防具に防がれてしまった。
死角から狙い、四方から攻撃したのに。
手の内を隠す為に、爆発タイプから超高温焼却タイプに変えた火矢なんだけど、爆発タイプにした方がよかったのだろうか。
それでも、あの感じだとダメージは与えても、倒せた感じではないな。
と言うか、死角から狙ったのに、それに気が付くだけの感知能力があるようだ。
厄介な。
それを確認後、混乱しているオーク達を横目に、秘匿を解除し隠形だけで、しかもその力を抑えた上で隠れながら市街地へと向かう。
すると、それを感知したハイオークアサシンとハイオークスカウトが追いかけて来る。
まずは、暗殺をし易くする為に隠れている俺を感知できる魔物を減らす。
その意図で認知されにくくなる力を下げた隠形だけで逃げたのだけど、その目的は達成できそうだ。
後は、倒すのみ。
俺を感知していそうなオークキングの視線から外れる様に農地の横にある廃屋を利用した処で、必中撃を乗せた火矢でハイオークアサシン7匹とハイオークスカウト6匹を攻撃する。
火矢を避けきれなかった11匹が倒せたので、残りのオーク達に接近しミスリルの杖で殴りかかる。
すると、アサシンの方がビンか何かを地面に叩きつけ液体の毒をバラまいたので、回復魔法の治癒を使いながら接近し、驚いた表情のハイオークアサシンの頭を殴り潰す。
その様子を見たオークスカウトが逃げようとしたので火矢の集中攻撃で倒す。
残った13匹の死骸を時空間魔法の亜空間収納に入れていると、察知スキルがそれをオークキングが観察していると知らせて来る。
やばいな。
手の内を見せない方が良さそうだ。
そう思いつつも、体に付いた毒を取る為、生活魔法の洗浄を使う。
さて、レベル上限に達したから転職出来るけど、どうすべきなのか。
覚悟を決めるか。
今俺が欲しいのは、暗殺できる力。
ならば、就くべきは斥候系。
星3の隠密か星4の忍び。
後の事を考えるとレベル上限が40となる星4の忍びはキツイ。
次の転職に必要になる職業経験値が15億弱となるからだ。
だけど、忍びへ転職。
予想通り、斥候技と隠密技と同様に、忍び技は弱めだけど探索系・察知・隠れ偽る系を強化する力もあるようだ。
それらは斥候技と隠密技よりは強化されているらしいが、それでも力は強いとは言えない。
でも、それが生死を分けるかもしれない。
後は、忍びLV1では力が弱すぎる。
ならばと、オークの軍団に対し盾にしている廃屋の左右に火弾を8発ずつ発生させ、オークの集団に打ち込む。
それも何度も連続して。
オークやハイオークは倒せているけど、その以上のオークには防がれるか。
長距離攻撃だから仕方がない。
オークキングが命じたのか、弓矢が飛んでくると察知スキルが教えて来る。
最低限のレベル上げは終わった。
廃屋を盾にしたまま、市街地へと後退する事に。
主人公は魔法を使うオークへの奇襲に成功し、更に暗殺する力を強化する為に忍びへと転職したようです。