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第168話 分配のやり過ぎ

 生産を終えて、借家に戻る事に。

 そこで、二人に渡すものがあるですが。


 トラブルで推敲が出来ず投稿が遅れました。

 今日の生産は終えて借家に帰ると、二人はもう夕食の準備を終えている。


 では食事にしようと言う前に、防具を渡しておく。


 「これは?」


 「ああ。前倒した魔大熊がいたでしょ。あれとかと交換してもらった防具」


 そう嘘を言って、魔獣(魔大熊)の全身革鎧(+1、サイズ調整*1、温度調整*1)をクトリアに、軽装タイプの革鎧のほうをカトレインに渡す。


 後は、認識票みたいな首飾りを二人に渡す。


 指輪も革手袋で隠せるけど、首飾りの方が隠しやすいかなと、とりあえずそちらを渡す。


 「これは、アクセサリーですか」


 「そう。装備品扱いになるアクセサリーだね」


 「何かの効果がついているのですか」


 「HP回復向上とMP回復向上だね」


 「こんな高価なもの」


 「いや。これらは全て+1の良品で*1の錬金効果が付いている程度だから、高くはないよ」


 「後は、これ」と言って白金貨を5枚ずつ渡す。


 正直、何枚渡そうか迷ったんだけどね。


 「えっ」と二人が驚いている。


 まあ、お金がいくら必要になるか分からないと言って出かけたのに、お金を増やして帰ってきたからな。


 「ど。どうして」と、カトレインは驚いているが、前の様に怒ったりはしていない。


 「道中で魔牛が大量に狩れたんだ。

  その上、こんなモノを買って処理した上で売ったから」


 そう言って格納箱から取り出した指輪を見せる。


 「どんな効果が付いているのですか?」


 「サイズ調整とMP回復向上と戦利品処理。

  戦利品処理は*2だからLV6相当だし、MPを大量に使うけどね」


 こんな事なら、料理スキルの付いたアクセサリーとかも擬装用に欲しかったかな。


 まあ、売っていなかったけど。


 「そ。そんな」


 「血抜きが完璧な方が、やっぱり高く買い取ってくれるようだね」


 そう言うと二人とも黙り込んでしまう。


 「え~と、何かあったの?」


 「二人で相談していたんです。お金を返してくれと言われたら返した方が良いかもしれないって」

 

 「そ。そうなんだ。まあ、甲斐性なしに見えるよね。俺」と、軽く自虐をしてみると。


 「そ。そう言う事じゃありません」とカトレインに怒られてしまう。


 「それなのに、白金貨5枚だなんて」クトリアが愕然としたまま小声で呟く。


 「大きな群れに会えたからだから、運の要素も大きいけどね」


 そう言うと、カトレインに睨まれてしまう。


 運で、大量に魔牛が狩れたら苦労しないと言う事かな。


 そう言えば、魔牛を大量に狩るには何が必要か話したばかりだ。


 なので、更に「そう言えば、朝の冒険者ギルドの受け取りも魔牛だったからと言うのもあるか」と言っても二人は納得しない感じ。


 「食事にしようか」


 そう言って俺は問題を先送りにする事に。



 食事の間、空気は重かった気がする。


 う~ん。白金貨2枚程度にしておけば良かったのか。


 白金貨5枚だから500万GAU。


 前の世界だと5000万円相当。


 あ。やり過ぎか。


 彼女達にとっては、札束で顔を殴られた様な感じなのかもしれない。


 そんな反省をして、食後のスキル上げをしてから居間に向かう。


 クトリアは勉強を止めて、立ち上がって自分で寝室へ。


 それだと、お姫様抱っこ出来ないんだけど。


 そして、ベッドに座ると「どうして、こんな事をするのですか?」と苦しそうに言ってくる。


 ああ。文句があると言う事か。


 彼女の横に座り「こんな事って、何の事?」と一応聞いてみる。


 「戦利品の分配で、白金貨5枚だなんて。しかも、私達は何もしていないのに」


 「それでも、二人分を合わせても全体の3分の1も渡していないと思うよ」


 「そ。そんなに」


 「そう。そんなに高く売れたんだよ。

  まあ、大量に納品したからでもあるけどね」


 「何頭、納品したのですか?」


 「二百数十頭だね」


 そう言うと、驚いた表情をした後、冷静に戻り


 「……。どうして、こんな事をするのですか?」と聞いて来る。


 「どういう意味で?」


 「こんなの、常識はずれ過ぎます」


 「そうかな?」


 「そうかなって、どういう意味ですか?」


 「今日も思ったけど、儲けている奴は儲けていると思うよ。

  今日2つの商店に納品したんだけど、下手すると俺より利益を上げているんじゃないかな。

  命を懸けて狩りをしたのは俺なのにね」


 「えっ」とクトリアはそう言う事は考えた事が無かったようだ。


 冒険者ギルドの買取価格の方が酷いのに考えた事が無いのか。


 「まあ、高額で買い取ってくれる得意先があるとか、売れるだけの力があれば、なのだろうけどね。

  俺にとっては、あっちの方が理不尽だったから、二人にとって金額が大きすぎるとか気を遣えなかったかな」


 そう言うと、思う処があったのか、


 「ダイスケさんが気を使う事ではないですけど」と、クトリアは少しトーンダウンしてくれた感じに。


 「二人を篭絡するには、この程度はと思ってしたのだけど、二人の様子だと失敗だったかな」


 そう言うと、黙り込むクトリア。


 「はあ。上手く行かないな」


 そう、ぶっちゃけてしまう俺。


 「これだけのお金があれば、女性の若い奴隷だって買えるのに」


 「でも、二人を買える値段じゃないでしょ」


 「そ。それは」


 「だから、あまり気にされてもこっちも困るんだけどな」


 「このお金に見合う為に、私に何が出来るんでしょうか」と、クトリアは少し困り顔で俺を見て来るので、


 「ん。私、ダイスケさんを愛しているので、生涯を共にし愛し続ける奴隷にしてください、ではダメなの?」


 「そんなの、絶対に嫌です」と厳しい顔をして言い切るクトリア。


 まあ、嫌なのは分かるけど。


 「う~ん。なら、俺の癒しと言うか、甘えられる存在と言うか、そう言うのかな」


 「欲望じゃないんですか」そう睨みながらクトリアが言ってくる。


 「それもあるね。でもそれだけで良いのなら娼婦とかでも良い訳だし」


 「……。でも、心が欲しいって言われても」


 「まあ、無理なら諦めるから、そこまで思いつめる必要はないと思うけどね」


 そう言うと、怒った感じの複雑な表情で俺を軽くにらむクトリア。


 「そう言う真面目な処も好きだよ。

  と言うか、だから一緒に居てちゃんと分け前を分配していると言う事なんだけどね」


 そう言うと、何も言い返して来ない。


 なのでキスから始める。


 この感じ。


 多分、俺の女にはならないだろう。


 なる気が少しでもあるのなら、お金の受け取りに対し、こんな風にはならないだろうし。


 まあ、嬉々として受け取られるのも抵抗はあると言うか、信用出来ないのだけどね。


 前世もそうだったけど、今回の人生も女にもてそうにないな。


 そう確信しながらも、今だけでも良い女に甘え欲望を満たす。


 そう決めて、彼女を強く求め始めた。

 戦利品の分配は、また少し問題があった様です。

 5000万円相当ですからね。

 彼女達が真面目なのか、主人公に依存する気が無いのか、共同で生活していると言う意識が無いのか。

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