第167話 アクセサリー作成
自分を強化する為に、装備品となるアクセサリーを造り、それに錬金効果をつける事にしました。
さて、何が出来るのでしょう。
グレーターオークが着ていたミスリル合金の全身鎧を溶鉱炉に入れて、加熱スキルで溶かし、分離も終えた。
なので、回転式の溶鉱炉を傾け、先ずは不純物を不要な金属を入れておくケースに流し出す。
そして、流れ出るのがミスリルになった処で、金型に流し込む。
その金型は、実は太い針金を作る為の金型。
前世だと、針金は金属の棒(線材)を作り、それを引き延ばし、穴に通して引き抜くと言う『しごく』と言う作業を何度も繰り返し、細く引き伸ばし、更に加工して強度等を調整しているらしい。
しかし、今回の目的は強い針金やワイヤーを造る訳では無いので、この方法を選択した。
まあ、鍛冶師技スキルと魔力で無理やり形成しても良いのだけど、それよりはこちらの方が強度と言うか、良品の度合いを上げやすいとのスキルの指摘があったので、採用した方法だ。
その太い針金状の金属を造る為に作った金型に溶けたミスリルを流し込んだけど、それでも余ったので普通の四角いだけのインゴット用金型にも流し込んでおく。
その後、溶鉱炉の中に残ったのは主に鉄。
それを分離スキルで炭素量等を調整し、硬く柔軟な鋼鉄になる様にして剣用、槌用、戦斧用の金具に流し込む。
もう一度、溶鉱炉にミスリル合金の全身鎧を入れて加熱分離。
今度は、その過程で魔力の流れをスムーズにし、且つ魔力を増幅させる効果を付与し強化する。
そう言えば、杖用の金型は造っていなかったな。
大き目のインゴット用の金具3つに溶けたミスリルを入れておく。
残った鉄は、同じく鋼鉄にして盾用の金具4個に。
また、溶鉱炉にミスリル合金製の全身鎧を入れる。
今度は多めに。
このミスリルには粘りがあり硬くと言う効果を付加し強化。
剣、盾、槍、戦斧、槌を2つずつ。
残った鉄は、同じく鋼鉄に変質させて、剣、盾、槍2つずつに、斧、槌の金型に1つずつ。
次は、最初に作ったミスリルの太めの針金を使った製造だ。
まだ、冷え切っていないのを加熱スキルで、強度が下がらない程度に冷却して取り出す。
これを金床において金槌で殴り少し台形に近い形にしながら丸く折り曲げて円状にして切り取り、鍛冶師技を使い溶け合わせて形を整え指輪にする。
まあ、一番簡単な指輪かな。
売るのなら、もっと形状を考えた方が良いが、実利と言う意味だとこれで良い。
ミスリルの精製過程で上手く変質出来た様で、これでも+1の上に空枠が2つある指輪だ。
この作業を何度も繰り返し、空枠が2つの物だけを40個造った。
空枠を多く造る様にだけ意識して製造してきた為に全部+1の空枠2個に出来た様だ。
次は、首飾りだけど。
軍の認識票みたいな形で良いか。
ミスリルを鎖状にする形も考えたけど、首にする首飾りは、それを敵に掴まれると強度が強すぎるのも弱点になりそうだし。
ミスリルの強度は一切上げずスキルと魔力で無理やり形成した鎖なら強度は今一になり、簡単に引き千切れる。
だけど、防具では無いからそう言う造り方で良いのか。
まあ、所々切れ目の入った鎖を入れて行けば、首飾りを引っ張られても、そこから千切れるし、そう造るのが良いか。
インゴットに入れた、アクセサリー用のミスリルを鎖状に無理やり鍛冶師技スキルと魔力で形成したのを20個造ると、20個が空枠が2つの+1の良品に。
軍の認識番号が刻まれている認識票の形の首飾りを40個程造ったら40個が空枠2つの+1の良品に。
後は、裁縫スキルで、あまり強度が無く、強い力で引っ張られると切れる程度の麻の太い糸を作り、それに軍の認識票形態の首飾りを通す。
後は、これに錬金効果を付けるだけか。
その前に、魔大熊の防具に錬金効果を付けておくか。
今朝造った俺の革鎧は、俺のサイズに合わせてある上に着やすいタイプの革鎧なので俺が着る分にはサイズを考える必要はない。
しかし、彼女達の防具は、彼女達のサイズにピッタリ合わせると、何故体のサイズをここまで詳細に覚えているのかと気持ち悪がられる危険がある。
そこから裁縫スキルを持っている事がバレル可能性もあるし、汎用性がなくなるから。
なので、まずはサイズ調整の錬金を付け、その上で温度調整を付ける。
まあ、MP回復向上とか防御力向上でも良いのかもしれないが、今は暑くなっても着られる防具の方が良いと思ったので。
次に、指輪10個にサイズ調整の錬金効果も。
その上で、MP回復向上を付けておく。
残りの30個は、また考えよう。
次に首飾りだけど、こっちはサイズ調整を付ける必要はない。
彼女達用にはMP回復向上とHP回復向上で良いのだろう。
俺用にはMP回復向上を2回付けるので良いかな。
そう考えて、認識票タイプの首飾りに錬金効果を付ける。
うん。MP回復向上は同じアクセサリーに2つ付けられた。
さて、今日の生産は終えて、家に帰ろう。
クトリアとカトレインに渡す用のアクセサリーと防具を造ったようです。
まあ、死なせる気はないとか、言っていましたし。