第161話 買い物に行こう
昨日の反省をして、今現在生産出来るモノを生産して自分を強化。
そして、今日は買い物に行くようです。
朝の生産を終えて、食事を食べに居間へ向かう。
朝食を食べながら、「二人にニクロス市で買ってきて欲しい物がある?」と聞いたのだけど、二人は顔を見合わせカトレインに「分かりません」と言われてしまう。
「まあ、俺が見て判断してくるよ」と言ったのだけど、二人の反応が微妙。
「どうしたの?」と聞くと。
「そこまでしてもらう訳には」と申し訳なさそうにカトレインが言ってくるけど。
「俺は、俺の目の前で二人を死なせる気はない」とハッキリ言っておく。
二人は、軽くホホを染めて少しモジモジしている感じ。
まあ、愛していると言っているのと同じだけど、こっちの方が効果はあるのか。
う~ん。良く解からないな。
いや。命の価値が低そうなこの世界だから、愛すると言うより効果が高いのかもしれないな。
表情分析スキルを使っていないから、勝手な思い込みの可能性も高いけどね。
それとも、白金貨30枚程度では買えない程装備品って高いのに、それを指摘したら不味いかなって感じなのだろうか。
移動を開始する前に、冒険者ギルドへ。
俺を監視している人は居なさそうなので、今日は買取依頼と代金の受け取りをしておく事に。
まあ、隠れ偽る系の能力の高い者に監視させて、俺の感知能力を試している可能性もあるのだけど、考え過ぎだろう。
ん。少知スキルに聞けば分かるのか。
口に出さずに、少知スキルに確認する。
『今、俺を監視している奴は居るかな』
【居ません】
よし。大丈夫そうだ。
受付に行き、受け取りを渡して代金の受け取りと、一緒に裏に行って買取依頼の魔物魔狼12匹、魔イノシシ6匹を出す。
今日受け取りは、魔牛15頭と魔カマキリだったので、合計1302900GAU。
魔カマキリの鎌が1個1万Gと高く売れたのが気になったので受付嬢に聞こうかと思ったのだけど、常識が無いと不審に思われそうなので少知に聞く。
なんでも、魔物のごく一部の部位は、魔物具作成と言うスキルを持っている人が、武器や防具に加工してくれるそうだ。
その割に、戦利品処理して残る魔物の部位が少ないなと思って聞いた処、魔物具作成スキルは、ノーマルスキルだけど持っている人は少ないそうだ。
なので、数か月から数年単位で腐らない物でないと加工できる人に売り渡すまで行かないので、そう言う日持ちする物だけが戦利品となるらしい。
ちなみに魔カマキリの鎌は、軽い上に鋼鉄さえ斬り割ける鎌を加工して剣等に出来るので人気が高いそうだ。
ただ、耐久力が低くスキルで加工しても長持ちはしない為、消耗品に近いらしいけどね。
そんな事も少知スキルに確認しながら、今日も異常事態の有無を確認し冒険者ギルドを離れた。
今日は東門から出て東へ走る。
途中にイーサン町とハイリッヒ市があり、その向こうが目的地のニクロス市だ。
今日は、大量にお金が必要となるかもしれない。
少知に聞いた処、良い装備品は結構な値段がするそうだから。
具体的な値段を聞いても、値段がバラバラ過ぎるのか教えてもらえなかったけど、値段が高い事だけは確認できたから。
そこで購入する為の資金が欲しいのだけど、前ニクロス市で戦利品処理した上に料理スキルで熟成させ日持ちするようにした肉を売った時に、この辺では同じ肉は売らないと言う約束をして売った。
まあ、契約にはしていない。
だけど、約束は守るべきと考えたとしても、手前のハイリッヒ市は、その売らないと約束した都市には入っていない。
更に、約束には入らないであろう戦利品処理だけした魔牛を売ってみようと考えたので、少知スキルに『ハイリッヒ市に俺の偽装を見破る者は居るか』と聞いたのだけど、『居ません』との返事だし大丈夫だろう。
まあ、その前に魔牛を大量狩らないと。
周りに人が居ない事を確認し、全力で隠れ、並列思考で二重に魔法障壁を張り、薄く敵を感知する用の結界を張り、身体強化等をし、スキル上げの為に少し離れた処に蚊の幻覚を発生させて走り出す。
昨日検討した魔力障壁に無い事に偽装、隠形、秘匿を掛けて感知されにくくする件だけど、ある一定の強さ以上の魔法障壁にすると、全力で動く事になるのか隠形等が解除された。
なので、外側を各種スキルで隠した弱めの魔法障壁で、内側に強度を上げた魔法障壁を張り二重化してある。
本当は、最後の砦となる内側の魔法障壁の方も隠したかったのだけど、しょうがない。
探索系は気配を14キロ、危機を2キロ、魔力を10キロ、罠を500メートルに設定してある。
気配探索を最大範囲にしてあるのは、魔牛を探す為。
魔力探索は、スキル上げの為に消費するMPを増やす為だ。
探索系と察知スキルにも、無い事に偽装、隠形、秘匿を掛けてあるので、スキルが使われている事を気が付かれにくい筈だけど、全力にすると解除される偽装等では最大範囲にした探索系にはその隠すが掛かっていないのを再度確認した。
ああ。面倒だね。
薄く張った時空間魔法の結界は魔物以外を通すように俺を中心に20メートルの球形で張り、強度は弱く隠す系の力を使ってある。
さて、これで大丈夫だと思いたいが、魔牛を剣とか槍で倒す事を考えると、色々と解除しないと駄目なんだよな。
面倒だ。
そう言えば、とステータスウィンドウに表示されるMPを見ていると、時間の経過共に減るどころか朝のスキル上げ等で減った分も回復しているな。
装備品に付けた錬金効果のMP回復向上のお陰だろう。
これならば行けると、安全確認の為の風景の鑑定とか、並列思考で格納箱のレベル上げ等々をしながら走り続ける。
イーサン町までは、先日魔牛を倒した為か、まだ湧いていない様だ。
イーサン町を超えてハイリッヒ市に向かい始めると、魔牛の反応が。
街道近くに買取価格が高い魔物やEランク以上の魔物がいなかったので、今日初めての狩りだ。
美味しい獲物、魔牛。
その群れを見つけた様です。