第154話 遅いよ
魔熊の集団が居たので、杖による魔法攻撃力の向上程度を確認しています。
結果は、ある意味満足で、ある意味不服なのかな。
隠れたまま、魔熊に対し水矢で攻撃する事により、魔法攻撃力を向上させる杖の使い勝手と、その威力を確認しているのだけど。
慣れかもしれないが、魔法の発動速度は杖を介すると言うイメージがある分、少し遅れる。
今後、それによって杖を使う使わないを決める必要もあるのかもしれない。
そう懸念事項を心に止めつつ残り5匹の魔熊を順次倒していくと、残り3匹でまた転職出来たので戦闘士から狩人になる。
残りの魔熊を同じく杖で強化した水矢で倒し、全てを戦利品処理して次の獲物に向かう。
次は、グレーターオーク7匹の集団。
幸い俺を見つけられない様なので、杖を使いこなす練習台に。
水矢に必中撃を乗せてみる。
うん。やっぱり、ワンテンポ遅れるか。
まあ、杖を介するイメージをしなくても威力が上がらないだけだし。
後は、杖だけに限らず剣とか槍とかに魔法攻撃力向上の錬金効果をつけて戦う事を基本にしても良いのかも。
ギリギリの戦闘中には武器を介して魔法の威力を上げる事は出来ないのかもしれないけど、余裕のある時は武器を介した魔法の威力アップが出来るからね。
並列思考もあるから、戦い方次第という事もあるか。
無意識に武器を介して魔法を使える事が出来る様になるまで繰り返す訓練も続けるべきだろう。
3匹倒したところで、また転職可能に。
狩人から魔物使いに。
残り4匹を水矢で全滅させると、転職可能になった上に宝箱が。
ああ。これが目的だったと、開けるとグレーターオークの魔石C、銀貨10枚、大銅貨10枚、下級エリクサー、中級MP回復薬、成長の雫、ミスリルのインゴットだ。
それとは別にグレーターオークが装備していたミスリル製の剣3本、盾2個、槍2本、斧1本、槌1本、全身鎧のセットも回収。
転職はせずに、スキルレベルの上限が10のままのスキルの幾つかのレベルの上限を20に開放する。
魔力探索、追跡技、話術、詐術、幸運、HP回復だ。
ハッキリ言って、最近感知能力を上げる為にレベル上げに注力している魔力探索以外は未だ必要ないのだけど、一応レベル上限を開放しておいた。
次に、魔アリっぽい反応に向かったのだけど。
魔牙アリ?
ひょっとして、女王アリが進化種だと、その兵隊アリも進化した形になるのか。
良くは分からないが、巣の入り口を見張っている感じの魔牙アリを倒すと、やっぱり200匹以上の魔牙アリが出て来る。
う~ん。巣全体の個体が進化種になるのか。
それって危険かも、と魔牙アリ242匹を水矢で倒し始める。
よし。最初の13匹で転職可能に。
魔物使いから黒騎士へ。
次は53匹で。
黒騎士から白騎士へ。
まだまだ居ると倒しまくっていたら後3回転職出来たので、白騎士から薬師、神官、魔道士へと転職。
戦利品処理すると、魔石は魔アリのFではなくEランクだ。
ただ、酸袋と言う戦利品は、魔アリの酸袋と言う名称のままだった。
まあ、違いが無いと言う事なのだろう。
しかし、流石Eランクの大量の魔物。
星3の職業で5回も転職出来た。
あ。Eランクの魔牙アリで、何時もやっている星1と星2を一通り転職する事を繰り返したら、かなり少知少能スキルが鍛えられたのでは。
凹んでしまうが、ここは危険な場所なので、これで良かったのだろう、と諦めて次の獲物へ。
次は、魔邪大蜘蛛。
大きくて邪悪な魔物化した蜘蛛?
これは、巣を張るタイプの蜘蛛だったので、長距離から水矢で倒す。
そして、その近くにたオーガ7匹を水矢で倒す。
うん。このクラスになると、やはり杖で魔法の威力をアップさせておいた方が間違いない。
まあ、魔法で攻撃する事に集中できるのならば、と言う補足は付くだろうけど。
1匹目で魔導士から鍛冶師に。
後は、2匹倒すと転職可能になるので隠密、魔法戦士になった上に更に転職可能になれた。
これで、錬金術師に転職すれば今日一日で星3の職業を一巡出来た事になる。
と言う事で本来は今転職したいところだけど、暗視、罠解除、奴隷契約スキルのレベル上限を10から20に上げておく。
と言うのも転職してLV1になるのが怖かったから。
その原因の次の獲物だけど、注意しながら接近する。
俺の数倍の身長があるハイオーガとファイアージャイアントが戦闘中だから。
巻き添えを食わない様に気を付けながら接近。
ハイオーガは、巨大な棍棒で殴りつけている。
ファイアージャイアントは、武器を持っておらず多弾頭化している火弾でハイオーガを攻撃している。
あ、接近してきたハイオーガに対し口から火を吐いたけど、無視したハイオーガにぶん殴られた。
ハイオーガは火傷をしているけど、気にしていない。
ファイアージャイアントも、腕が折れたりしているけど、無視して殴りに行ったりしている。
う~ん。
ガチの一対一の戦いだから、攻撃したら不味いかな。
ああ。魔鷹とかそう言うタイミングを狙って来ていたし、悪い事では無いよね。
周りを慎重に探索した上で長い方の杖を手にし、水矢を並列思考で32発、俺から離れた処にゆっくりと発生させる。
全力のスピードだと効果は発生しない隠形と秘匿を水矢に掛け、見えなくする為だ。
さて、ファイアージャイアントはゲームだと水が弱点だけど、通じるか。
ハイオーガも生命力が高そうだけど通じるか。
必中撃とも念じ、二匹の首を狙う。
撃つ、と念じると姿を現し高速で首を攻撃する水矢。
ファイアージャイアントの周りからは水蒸気が、ハイオーガの首からは血しぶきが飛んでいる。
まだ、足りない。
俺から離れた処に発生させる事も意識しながら杖を介して水矢を発生。
倒れるまで何度も打ち込む。
二匹とも戦いに介入した俺を探してもの凄い形相をしていたが、首を破壊されれば流石に動けないだろう。
水矢と4度念じた処で、奴らは動かなくなった。
戦利品処理と念じ、出てきた魔石等を回収し次の魔物をと思ったのだが。
魔法障壁が破壊されたと魔力魔法が知らせて来る。
それと同時に察知等の感知系や先読みも危険を知らせて来る。
遅いよ。
振り向きかけた処で巨大な爪に捕まれ地面に押し倒される。
体をねじって確認した魔物はグリフォンだった。
強い魔物であるグリフォンに押し倒されたようです。