第15話 各勢力の確認
山を砕き、森を一瞬で凍らせるような存在達に出会いました。
絶望的な気持ちになりましたが、巻き添えで死ぬ事は無かったので、この世界に存在するモノ達について確認しようと思ったようです。
街道へ出るために歩きながら、先ほどの竜と精霊の戦いを見て気になった事を少知スキルに色々と聞いている。
それを纏めると、こんな感じ。
まず、この世界には、魔物、人族、精霊族、魔族、竜族が居る。
魔物が一番多く正確な数は数えようも無いが、人族の間では人族の数百倍以上居るのではと言われているそうだ。
魔物は、様々な種類がいて分類すら難しく、とんでもない数が居る。
何より特徴的なのは、自然に湧く事らしい。
この世界に満ちている人等に制御されていない魔力、別名『マナ』を元に世界の理で発生又は『マナ』を元に世界の理の力や神の力で強化され発生する。
それ以外にも、魔物が生む事で増えるらしいが。
生まれた魔物は兎も角、マナから大量に自然発生するので幾ら討伐しても数は減らない、又は数を減らす事は不可能に近いくらい大変な事だとの認識の様だ。
逆にとらえれば、魔物由来の資源が枯渇する事は現状無さそうと言う事なんだけど。
魔物には資源の側面があるとはいえ、人では対抗できないと思う程強力な魔物も居る。
分類上、さっき見たのは魔物ではないが、あんなレベルのモノも多分いるだろう。
これに対し、人族は数億人程度居るらしい。
前の世界の数分の一から数十分の一くらいなのかな。
人族には、人間、亜人、獣人がいる。
亜人は、エルフ族とドワーフ族。
ホビットやノームとかグラスランナーとかは居ないらしい。
獣人は、狼人族、犬人族、猫人族、獅子人族、虎人族、等の様々な種類が居るらしい。
人族同士での争い、戦争もあるらしいが、地域に分かれて単一民族の様に暮らすのではなく、一緒に暮らしている事が多いらしい。
まあ能力が高く、容姿が美しく長命と言う事で狙われるハイエルフの様に、自分達だけで暮らす種族も居るかもな、と聞いたら居るらしい。
何て言うか、ファンタージモノでは定番の悲劇が起こっていないと良いけどね。
次の精霊族だけど、妖精を含めるかどうかで数は変わってくるらしい。
当然、人族は正確な数値を知らないので、人族の知っている事しか教えてくれない少知も人族の間では、こう言われていると言う数値しか教えてくれない。
妖精は、精霊族の中では一番力が弱く、意思もあまりないモノが多く、基本無色透明で空気みたいなモノで物質に実体化出来ないものが殆どらしい。
これに対し、精霊になると自我があり、本人の持つ魔力が十分あれば実体化する事も可能と言われている。
精霊の上に大精霊、老精霊、古精霊、精霊王、精霊帝がいるらしい。
ちなみに、俺が先ほど見た火の巨人は、精霊王のイフリート(火の男性型精霊)だとの事。
あれより上が居るのにゲンナリする。
妖精を含めると魔物並みに数が居ると言われ、精霊以上の数になると数百万とか数千万と言われているらしい勢力だ。
次に魔族だけど、数百万から数千万居ると言われているが、これも正確な数値は人族には分からないらしい。
人型、獣型、奇形型と様々な姿をしている種族。
ちなみに、魔物として力や知恵を得て、魔族に分類が変わるものも居るらしい。
数は少ないが、基本的に能力が高く強い。
人族に比べるとエリート集団と言える。
人族より増えにくく、長い年月生きられる。
また、最初から強いが人族の様に急激に強くはならないらしい。
そして、魔人、魔王、魔帝とランク分けされているらしい。
細かく言うと、将軍、貴族とか色々あるらしいけど、種族としてのランクは3つしかないらしい。
なお、魔物から魔族へとなるモノも居るので、学者によっては魔物を追加し4ランクにするらしいが、今はどうでもいい事だ。
最後に竜族。
幼竜、成竜又は竜、属性竜(火竜等)、老竜、古竜、竜王、竜帝というランクがあるらしい。
ちなみに、先ほど俺が見たのは竜王らしい。
はあ。
これも、まだ上に1種居るし。
数は、数十万から数百万と言われているらしいが。
個体で見た場合、人族に比べ圧倒的な強者だ。
これらと生存競争をして生き残らないと駄目なのか、それとも別の目的があるのか。
まあ、神様らしき存在には『神の先兵になれる存在になれ』って言われた感じだったけど、神にすらなっている人族が居る訳だから、やっぱり強い存在を目指す事が目的の世界なんだろうな。
それより先に消滅させられる可能性が高い、と先程教え込まれたけどね。
少知に、この世界の大まかな勢力図を聞いた感じでしょうか。