第147話 今日は東側へ
愁いを帯びた美女が、自分から積極的に。
主人公は、ちょっとタガが外れてしまったようです。
推敲に失敗し、投稿が遅れてしまいました。
朝目が覚めると、カトレインはまだ寝ている。
昨日の夜、彼女は頑張り過ぎたからな。
俺が酷使したとも言えるが。
性技スキルに、彼女を慰める様なエッチを教えてとオーダーしたのだけど。
結局、そんなエッチは教えてくれなかった。
だが、スキルはLV6とか11とかになると、できる事が増えるモノが多い。
残念ながら性技スキルは現在LV6なので、LV11にならないと出来る事が増える可能性は無さそうだ。
なら確認してみようと鑑定スキルで性技スキルを詳細鑑定した処、LV11になると自分のフェロモンをある程度操作できるようになるらしいが、それは目的ではないしな。
ならスキルに直接聞いてみるとか、と性技スキルに聞いた処、更にエッチが上手になるとの返事。
具体的には、と聞いても今の能力が強化される、との返事だから駄目なのかな。
でも、諦める程の情報ではないから『性技スキルのレベル上げを』と意識してから変になったような気がする。
悪い事をしたんじゃないか。
そう思いつつ、彼女の髪や獅子の耳を撫でているとカトレインが目を覚ました。
すると、直ぐにいそいそと服を着て、部屋から出て行ってしまう。
おはようのキス、して欲しいのに。
いや、まあ、昨日の夜頑張り過ぎた件が無ければ、朝のエッチへの挑戦も考えていたんだけどな。
疲れるから駄目だとは言われたが『カトレインは2級職だから』とか言ってチャレンジしようと思っていたのだけど。
まあ、夜にあれだけしたら朝は駄目だよね。
それに、後もう少しでクトリアは村人から転職出来る。
そんな時にゴリ押しするのは、逃げられない状態で無理やりだったと嫌われるかもしれない。
まあ、『いい人』で終わらない為には、少し悪い事もした方が良いのかもしれないけど、それはクトリアが転職してからにしよう。
そう決めて、次は並列思考を使い片方の思考でスキルのレベル上げ。
もう、片方の思考で真面目に生き残るための考察に入る。
昨日、1級職と2級職を10回転も転職した。
本来、1級職で転職すると1日、2級職で転職すると2日、小知少能の使用可能回数が貯まる迄の期間である充填時間が減る。
実は、充填時間は最大1990日、その後の神様の仕様変更により2000日短縮できる仕様になっている様なんだけど、魂の力が強かった俺は全く鍛えていない状況でも充填時間が100日。
なので、魂の力を集める部分を鍛えようと頑張った処、あっという間に人として限界である10日になってしまった。
だけど、他人の魂から放たれた魂の力が、その人のプラスの感情により俺に誘引された場合には小知少能の力に出来、それだと他人との協力と言う事で充填時間を最短1日に出来る。
でも、他人の魂から放たれ俺に誘引されてくる魂の力は、自分の力に比べると微弱。
なので、それを利用する為には小知少能を2000日まで鍛えるべきだとなり、再度転職を繰り返す事により小知少能を鍛えている訳だけど。
もう、1級職て転職しても1日短縮されるわけではないから『日』ではなく『単位』と呼ぶか。
話を元に戻すと、今日1級職と2級職で転職を繰り返したおかげで、少知少能スキルの魂の力を集める部分が390単位から606単位まで鍛えられた。
魂の力を集める部分を最大限まで鍛えると2000単位だから、約3割終わったという事だ。
それが、3級職を何度も転職すると決めて狩りをした日に比べて数十倍の効率だったと感じたのだけど、これに意味はあるのだろうか。
だって、取得した職業経験値で言えば、3級職の転職を繰り替えしていた日の方が、3級職である事により強い魔物と戦えるために数倍多い。
何と言うか、自分の知らされていない世界の理があり、それを考慮してスキルの仕様が造られた結果、そんな事になっている気がするのだけど気にしすぎだろうか。
そう言えば、この世界の為に作ったスキルではない小知少能をこの世界の仕様に合わせたから、矛盾するところもあるって話だったな。
となると、やっぱり小知少能スキルが異質だから、と言う理由になるのだろうとは思うが、異質だからこそ、本来なら気が付かないこの世界の理が見えてきている気もするんだよな。
まあ、今の俺は解っている枠の中で強くなるしかないのだけど。
朝食中、何故か目が泳いだ状態のカトレイン。
ホホも、少し赤い気がするし。
昨晩、積極的だったのを恥ずかしがっているのだろうか。
俺としては、彼女達に捨てられてしまうと言う最悪の事態を想定し、あれは落ち込んでしまった自分を切り替えたかったとか、俺への御礼の気持ちからだ、と思う様にしているのだけど少しは脈が出てきたのだろうか。
なんて自分に都合のいい妄想をしていると、クトリアが「今日は、魔物が多くて強い東側に行きたいのですけど」と言って来た。
「焦らない方が良いと思うけどね」と、くどいと思いつつ釘をさしておく。
だけど「でも、今後の事も考えると、早めに転職した方が良いとも言っていましたよね」とクトリアは強い口調で確認してくる。
「そうなんだけど、昨日異常に強い魔物がいなかったからと言って、今日も居ないとは限らないんだよね」
そう懸念事項を伝えても。
「それは、西側も同じですよね」とクトリアは譲歩する気は無さそうだ。
「そうなんだけど、西は南へ行く街道もあるから、その分安全でしょ」
西側に狩りに行けば、東西に延びる街道だけでなく途中から南へ行く街道があり、その街道付近も当然魔物の討伐がされているし、通る人が討伐しているだろうから東側よりは安全なのでは言う意味で言うと。
「……。その人達の安全にもつながると言う事ですか?」と声が少し落ち着いたトーンに変わるけど。
「それは俺達の仕事ではないから、気にしていないけど」と俺の認識を伝えておく。
「そ。そんな」と他の人の安全について考えない俺に対し、真面目なクトリアは責めてくる感じ。
彼女の故郷の事は聞いていないけど、そちらの方面なのだろうか。
「でも、割り切る処は割り切らないと、毎日落ち込む事になるでしょ」
そう俺がこの世界で生きてきて思った事を言っておく。
すると複雑そうに黙り込んだので。
その姿にホッとしながら「俺と違って、真面目で優しいな。二人は」と言うと。
「そんな事はありません」と二人に声を合わせて言われてしまう。
う~ん。もっと優しい人が身内に居るのだろうか。
なんか、今のでカトレインの雰囲気が前に戻ったかも。
そんな状況に少しがっかりしつつ「で、東と西、どちらにする?」と丸投げする事に。
すると「え。私達が決めていいんですか」と、クトリアは驚いているが。
「その方が、俺の責任が減る気がするからね」と、俺の責任逃れだとハッキリ言っても。
「では、東側で」とクトリアが即断する。
カトレインの意思を確認しないで決めたな。
まあ、今日中に転職出来る可能性もあるからか。
早く強くなって俺と別れたいってパターンもあるのだけど。
だとすると悲しい。
だけど『俺と別れたいの?』と落ち込んで見せても、俺が重い男だと思われるだけだ。
だから「分かった。そのつもりで準備しておくよ」と軽く言って、朝食後の訓練へ。
彼女達との食後の訓練も終えて、一人で冒険者ギルドへ。
異常事態が起こっていない事を確認し、買取依頼と受け取り。
魔狼12匹、魔イノシシ5匹、魔鷹で368200GAUだ。
買取には、血抜きが十分でない魔牛を15頭と、魔カマキリ1匹を出して置いた。
代金を受け取る時に、察知スキルにより後ろからの視線を感じる。
ああ。俺の収入を見たいのか。
覗くのはマナー違反だろうから、あからさまではないが、面倒な事だ。
昨日商店に売ったのだから、今日は買い取りに出さなくても良かったかな。
そう思いつつ、冒険者ギルドを離れた。
冒険者ギルドへ行くと、まだ注目されているようです。
興味程度で害意では無い様なので、無視するようですが。