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第145話 二人への忠告

 大量の売却代金と食料品を手に入れて、二人の元に帰りました。

 そこで売却代金の一部を二人に渡す事にしたようですが。


 誤字報告、ありがとうございます。

 今住んでいるロダン市の総合商店で30頭の魔牛を売り、食料品を数百キロ買いました。


 その行為でお金持ちだとバレているのが心配になったので、家の方面に向かいながら探索系スキルで念入りに調べたのだけど、後をつけて来ているモノは居ない様だ。


 まあ、俺の探索系や察知スキルから逃れられる強い者が居たら不味いけど、それ程の人を遊ばせておく余裕が無いのは、今回の魔牛の買取でも何となく感じた。


 この都市では、街道の定期的な討伐や都市の防衛と言う最低限必要な人材を除くと、Eランクの魔牛程度すら狩れる人が不足しているのだろうから。


 とは言え、商店の警護員の中に優秀なのが居る可能性はあるか。


 そうも思ったので一応、全力で隠れて、様子をみてから借家へと向かう。


 全力で隠れるのも注目を集めたり、俺の力がバレたりする可能性もあるのだけど、都市の中は気配等の数が大いから俺に注目していない限り気が付かないだろう。


 逆に、隠れたのに気が付くほど俺に注目している人が居るのなら、住んでいる家がバレルのは怖いから、やれる事はやっておく事にした。


 家からそれなりに離れた処で、無い事に偽装、秘匿、隠形を順次外し、探索系や察知スキルに意識を向けながら家に向かう。


 時間があれば、鍛冶もしたかったのだけど、結構遅くなったので諦めて家に入る。


 総合商店での売り買いで時間が掛かり遅くなってしまったからな。


 帰宅の挨拶をすると、食事の準備は終わっているので食べましょうと言われ、装備品を外してから食堂へ。


 食卓の椅子に座る前に二人の目の前に白金貨1枚ずつ置くと、カトレインに話が違うと言われてしまう。


 「次の魔牛の売却代金は、ダイスケさんが受け取ると言う話でしたよね」


 とカトレインが怒っているのではないけど、何故と問い詰める感じで聞いて来る。


 「ああ。でも、思ったより収入があったから」


 「どういう事ですか?」


 と言う話になったので、食事をしながら、この都市の総合商店へ血抜きをする道具の購入と魔牛の買取をしてもらった事を話す。


 「そんなに違うなんて」とクトリアは何故か深刻そうな顔。


 「まあ、分かっていた事だけどね。

  試しに、同じように処置をした魔牛も冒険者ギルドに売ってみる予定だけどね」


 「半額なのに、ですか?」とカトレインは不思議そうに聞いて来る。


 「ああ。それでも約半額なら、そう言うモノだと思っていればいいから」


 「それは、そうなのでしょうけど」と不満そうなカトレイン。


 クトリアも同じ意見の様だ。


 まあ、800万GAU程度の売却代金が400万GAU程度になるって事だしね。


 「それに、あまり目立ちたくないのなら、普通の商店には売らない方が良いだろうしね」と事情を説明する。


 「そんなに目立ちたくないのですか」と不思議そうに聞いて来るクトリア。


 なので「目立つと盗賊にこの家で寝ている間に襲われるかもよ」と、心配になった事を言ってみると。


 思った以上に驚いている。


 う~ん。俺とその辺の感覚が違うんだ。


 一日だけとは言え、ステータスウィンドウに犯罪者等と出るから、泥棒と言った犯罪は少ないのだろうか。


 二人が善人だから気が付いていなかったと言うパターンもありそうだけど。


 これはこれで、この世界の人の常識を調べておいた方が良さそうだなと思いつつ。


 「それに、その白金貨を目の前にして、嫉妬を買わないって言いきれる?」


 そう追加の懸念事項を伝えると。


 「……。はい」と、二人とも納得したようだ。


 「まあ。お互いに注意しよう。

  まあ、俺のせいで手遅れって感じもあるけどね」


 「解りました。気を付ける事にします」


 との返事を聞いたところで、ふと同じ隠した方がいいと思っているもう一つの懸念事項が頭に浮かんだので、それを伝えてみる事に。


 「念の為に言っておくと、二人も力を得た後は、それを隠す事も考えておいた方が良いよ」


 「どういう事でしょう?」と、納得がいかないと言う感じでカトレインが聞いて来る。


 「師匠が言っていたのだけど、この国は戦力不足。

  だから、転生者を無理やり奴隷戦士や奴隷生産者にする事を選んだよね。

  それでも戦力不足になったらこの国はどうすると思う」


 そう言って二人を見ると、前にも軽く言った事があったのだけど、あまり真面目に受け取っていなかったようで、驚いた表情をしている。


 「力を持つモノには義務がある、とか適当な理由付けをして、転生者以外の力を持つ者も、無理やり奴隷にして戦わせたりする方向に向かうだろう、だってさ」


 そう言って二人を見ると、考え込んでしまった。


 「二人は、その意見を否定できる?

  俺は出来なかったから、出来るだけ力を隠す事にしているんだけど」


 「で。でも自ら進んで国の為に働けば」


 そう、ふと気が付いたようにクトリアが言ってくるが、少知スキルに聞いた事実を伝えてみる。


 「そうしていた転生者も拷問で奴隷化されて、奴隷になった者は国に都合の良い消耗品の戦力として使われているって、俺は聞いたけど。

  本当に、そう言う事が転生者だけで済まされると思う?」


 「そ。そんな」と、呟くように言うカトレインと、絶句しているクトリア。


 「どうなるかは分からないよ。

  でも、そう言う可能性がある事も、真面目に考えておいた方が良い」


 そう言って食後のスキル上げに自分の寝室に向かう事に。



 今日は、時間が無かったので、最低限のスキル上げになりそうかな。


 ステータスウィンドウのスキルの一覧を見て、今日スキル上げをするスキルを決める。


 まあ、今の職業が錬金術師だし錬金術師技スキルだよな。


 量産スキルを使って100個同時に錬金したらどのくらいMPが減るのかも確かめておかないと。


 現在のMP量を見て、魔石Fを触媒にして木製の手裏剣(+1)100個に硬質化を付ける。


 うん。軽いめまいすらなく、MPはそれ程減っていない。


 後は、魔法系のスキル上げをやってしまおう。

 量産スキルのお陰で、生産系のスキル上げは順調の様です。

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