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第144話 魔牛売却と食料品の大量購入

 今住んでいるロダン市の総合商店に。

 魔牛の血抜きの道具を買いに来たのですが、魔牛を売ってくれとの話になりました。

 姿の偽装とかしていないので、目立たない程度に売るつもりの様ですが。

 魔牛を売ってくれと頼まれたロダン市の総合商店で、それぞれ処置の違う魔牛を10匹ずつ売ってみる事に。


 血抜きと内臓の処理を自分で出来るだけ行った魔牛10匹。


 戦利品処理スキルを使用したと分からない程度に血抜き処理だけをした魔牛を10頭。


 血抜きすらちゃんと出来ていない魔牛を10頭。


 一応「最後に出した10頭は十分に血抜きが出来ていない」と忠告はしておく。


 すると「はい。こちらで鑑定させていただきます」と丁寧な返事だ。



 「それで、今日は魔牛を処理する為の吊り下げ滑車ヤグラをお求めだと聞きましたが、格納箱のレベルは幾つでございましょうか」


 そう聞いて来るので一瞬理解できなくてビックリしたのだけど。


 「ああ。ヤグラのサイズか」


 「はい。それでヤグラのサイズが決まりますので。

  出来れば、一つのヤグラで複数の魔牛を吊り上げられる方が、よろしいかと存じます。

  格納箱では、魔牛を吊り上げたヤグラ1つで1個となりますので」


 そう聞かれたので「レベルは14だ」と正直に答えると。


 「そ。それはお若いのにご立派な」と、驚かせてしまった。


 レベル10とか言えばよかったな。


 そう思いつつ「いや。親とか師匠に地獄を見せられただけだけどね」と苦笑いしながら言い訳をしておくと。

 

 「ははは」と笑う姿も上品だ。


 「では、幾ら準備させましょうか?」


 「20個かな」


 「レベル14用の商品はございませんが、レベル10用の商品だと1つのヤグラで最大10頭程吊り上げられますが」


 「そっか。なら10個で良いのかもしれないけど、値段は?」


 「はい。ロープや吊り下げ滑車等、全てセットで10万GAUでございます」


 『100万円相当か。高い』とは声を出さずに「商品次第かな?」と吊り下げ滑車付きヤグラを見せてもらう。


 ヤグラと言っても、俺がしたような3本の木を支えあうように止めたような簡易なモノではなく、四角形の立方体で格納箱に入れるのが前提の巨大で丈夫そうなヤグラだ。


 しかも金属製だし、滑車は40個付いていて移動もできる。


 この程度の値段はするか。


 「わかった。在庫があるなら10個頂こう」


 「ありがとうございます」との返事の後、10個ヤグラが運び込まれてくる。


 う~ん。壮観だ。


 と言うか、今更だけど、これが入る格納箱が凄いな。


 小さめとは言え倉庫100棟を持ち運ぶようなものだ。


 金貨100枚が入った袋を亜空間収納内で用意し店員に渡し、ヤグラを格納箱に入れていると、別の店員が見積もりを持ってきてくれる。

 

 それによると、俺が血抜きと内臓処理をした魔牛の肉は一頭分で32万GAU。


 あれ?


 戦利品処理でキッチリ処理し、料理スキルで美味しく長持ちする様にしてやった奴で皮も含めて40万GAUだったよな。


 前の商人に比べると高めに買い取ってくれている。


 まあ、ここの商店が料理スキルを持っている人を抱えているのなら、こんなものなのか。


 ついで、戦利品処理スキルで処理したと分からない程度に血抜きをした魔牛の肉も一頭分で32万GAU。


 自分で作業したのも、戦利品処理スキルで手作業で血抜きなどをした程度に処理したモノも同じ値段の様だ。


 ちなみに、血抜きが十分でなかった魔牛の肉は一頭分で16万GAUだった。


 う~ん。それでも冒険者ギルドで売る値段の倍だ。


 「一応ご説明すると、血抜きが十分でない魔牛は、やはり買取り値段が下がります。

  と言うのも、事後的にスキルで処置するのには手間が多くかかるからでございます。

  更に、この状態で熟成させても血が原因の状態悪化で長持ちさせにくいのでこの値段となります」


 「わかった」と、安易に言ったが。


 「値引きや値上げの交渉は、なさらないのですか?」


 と言われて、交渉をすべきだったと気が付くが、まあ面倒だし良いよね、と今回はOKと言う事にしておく。


 「ああ。今までどれだけ損をしてきていたのか気が付いたショックでね」


 「冒険者ギルドの買取価格は、お安いとの話ですから」


 「まあ、知っている事だけど、これだけ違うとね。

  ちなみに交渉すると、どの程度上がったの?」


 「うちの商店では、最初にキッチリ高く示す事で、他の商会との差別化を図っておりますので」


 「なる程。まあ、話半分に聞いておくよ。商売も戦いらしいし」


 そう言うと苦笑しながら、お金を用意してくれた。


 全て纏めて売ったので、代金は肉だけでなく魔石と皮の代金も入り、合計830万3000GAU。


 最後に「私は店主のゴバルと申します。いえ。貴方様のお名前はお聞きしませんが、もし次魔牛を納品いただけるとしたら、何時頃でしょうか?」


 なんて聞かれてしまった。


 「う~ん。基本秘密事項だから言えないけど。

  言える範囲内で言うとしたら、街道沿いに出てくれないと流石に狩れないからね」


 「解りました。また機会がございましたら、お願いいたします」


 「そうだ。日持ちがする塩と胡椒とか乾物の調味料。

  それと、ある程度日持ちのする穀物・豆類・イモ類が大きめの袋で買えないかな」


 と、格納箱スキルを持っている事がバレているので運搬を気にせず買えるから今後食糧危機になる事も想定して食料を買い置きしておく事に。


 「こちらでございます」


 と連れていかれた倉庫で、3万GAUの塩30キロの袋を10袋。


 10万GAUの胡椒、乾燥唐辛子10キロの袋を2つずつ。


 500GAUの干しシイタケ、1000GAUの煮干しの10キロの袋を2つずつ。


 米、大麦、小麦、トウモロコシに相当する穀物500GAUの物を30キロの袋を5袋ずつ。


 大豆に相当する乾燥させた豆を30キロ500GAUも10袋。


 ジャガイモ、サツマイモに相当するイモ類も30キロ300GAUを5袋ずつ買って、紐で纏めて格納箱に入れる振りをしながら亜空間収納に。


 これで、当面食糧不足にならないと思いたいけど。


 1000GAUの値引きの後、代金の72万Gを受け取った支配人らしき人に「毎度ありがとうございます」と言われたので。


 「ああ。こちらこそ」と言って、総合商店から出た。


 まあ、1000GAUしか値引きしてくれない商店では、もう購買意欲は無いけどね。


 でも、他の都市とか他の商店とかともっと比較しないと断言は出来ないか。

 魔牛の売却代金が大金になったので、将来の食糧危機を想定し食料品を大量に買ったようです。

 そんな想定は外れて欲しいですが。

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