第138話 良く分からない力
この都市に、主人公の力に気が付いている人が居る。
力と言っても、色々な力がありますが。
改めて推敲すると、後半は無くていい内容かも。
気持ち悪いと思った人は読み飛ばして問題ないかと。
「俺の隠している力を気が付いている人は、この都市に何人いる」
俺の周りではマナが濃い事に気が付いて、そう小知に聞いてみたのだけど。
【19名ほどいます】
マジですか……。
「全員、高い感知能力を持っているんだ?」
【いいえ】
「そっか。感知能力を持つ人から聞いた人も居るのか」
【はい】
不味いな。いや、まだ3級職レベルだから大丈夫なのか。
と言っても、転職を繰り返して、結構なステータスになっていると思うけど。
そっか。俺はレベル上限が低いけど、この世界の人達と同様と考えれば、星3でLV60だから高ステータスと言う事もあり得るから、それと誤解される程度ではあるのか。
う~ん。
ひょっとして、クトリアとカトレインに絡んできていた冒険者が居たけど、俺の強さに気が付いたから、ちょっかいを出して来なくなったのかもしれないのか。
それは、それで良いのか悪いのか。
いや。待てよ。
この借家の辺りのマナの濃度が高いのを気が付いた人が居たら、俺の力に気が付いている人が19人程度で済むのかな。
「魔力探索スキルをもっている人は、この都市に何人いる?」
【一人です】
「えっ。俺だけ?」
【はい】
「何で、そんなに数が少ないの?」
【魔力探索スキルは、人族の間ではユニークスキルに近いノーマルスキルと言われる位、所持している人が少ないスキルです】
「えっ。何で?
日頃、これだけ魔力に関わっていたら、皆取得出来そうだけど?」
【いいえ。だから、逆に誰でも取得できるスキルにならない様に、6級職の者でも必ず取得できるスキルとならない様に厳しい取得条件となっており、結果、あまり取得できないスキルだと言われています】
「ハードルが高いのか」
【そう言われています】
「なら、他の人達へのアドバンテージとして、魔力探索スキルを取得したのは正解ではあるけど……」
そう言ってもう一つの事実について聞いてみる事に。
「なんで、クトリアの身にまとう魔力が多いの。それも下半身に」
【人族の血液や体液に魔力が含まれており、それが感知されています】
ああ。俺の体液か。
生活魔法で洗浄はしたけど、残っているだろうし、そのまま朝食作りをし始めたのか。
「ひょっとして、勇者とか英雄とか言う6級職の恋人や妻はスキルを取得し易いとかあるのかな」
【そう言う統計データはあり、知られています】
「女性が6級職だとどうなるのだろう?」
【男性ほどではないですが、恋人や夫にスキルを得る者が多いと言う統計データがあり、知られています。
更に、子にスキルを取得して生まれる者がいる事も統計データにあり知られています】
「そ。そうなんだ。何か変な理だな」
【……】
「ひょっとして、クトリアやカトレインは、スキルを取得し易い状態なのかな?」
【……】
返事はないか。
人族には知られていない情報なのか。
いや。でも統計データはあると言っていた。
う~ん。断言は出来ないって感じなのだろうか。
それとも、今の俺程度の力では、スキルを取得出来やすくなっているとは言えないのか。
それと意識して多めに魔力を込めていたわけでもないし。
それに、6級職の職業のステータスに比べれば、まだまだだしな。
でも、『いいえ』と言う程でもない、と言うレベルか。
いや。質問が曖昧だったか。
そう思ったので、もっと具体的に
「もし、俺が体液に魔力を集中させて女性にそそいだ場合、その魔力の影響でスキルを取得できる可能性は上がるかな?」
と聞くと【はい】と返事が帰って来た。
ああ。そうなんだ。
魔力操作で意識的に集中させれば、断言できる程度に確率は上がるのね。
まあ、エッチをする理由を得られるのは良いけど、それを彼女達には言えないよな。
いや。言って良いのかな。
どうしたものか。
どうすべきなのか。
「あ。俺が濃い魔力を込めたモノが女性の中にとどまっても、悪い影響は無いかな」
【人族の管理下にある魔力は、変質させない限り人族に悪い影響は与えないとされていて、実際にそう言う事例はありません】
「ふ~ん。良く解からない力だな。魔力って」
そんな思考に入り込んだ処で、朝食のお呼びが掛った。
魔力は、良く分からない力。
まあ、この世界でも、電気や電磁波等の力について、どれだけ解っているかと言われると。