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第132話 国への貢献は

 武器の製造を終え、借家に帰ってきました。

 夕食を取りながら会話をするようですが、その会話の流れが。

 借家へ戻ると、今日も鍛冶に時間が掛かり、少し遅くなったようだ。


 俺が帰ると、ホッとした感じの二人。


 うん。愛されているかどうか分からないけど、これはこれで良い。


 いや。良いのかな。


 あまり心配させない方が良い気もする。


 食事をしながら、今日の様子を聞くのだけど。


 ずっとスキルを得る為の訓練をしているだけなので、と不満そうだ。


 これが既に得ているスキルの場合は、経験値が増えて行くのがステータスウィンドウで確認出来るけど、取得するまでは、そう言う確認は一切できない。


 だから、二人とも手ごたえが無くて、何とも言えないそうだ。


 「まあ、そうだよね」


 「はい」と落ち込み気味に答えるカトレイン。


 「だけど、続けないとスキルは得られないだろうし。

  毎日気長に出来る程度の内容にした方が良いのだろうね」


 「それは、分かるのですが」と、クトリアは不満があるようだけど。


 「毎日、一通りの内容は訓練している?」


 「あ。昨日の朝の話だと、同じ事の繰り返しでは効率が下がるかもしれないから、全ての訓練をしておいた方が良いのか」


 と、カトレインはその事に今気が付いたようで、失敗と言う感じで顔をしかめている。


 「まあ、俺に教えてくれた人も、結局は良く解からんとか言っていたし、難しいけどね」


 「そうですね。

  取得の為に必要な事がスキル毎に違うのでは……」


 と、カトレインが途方に暮れた感じで呟く。


 「まあ、こちらは気長にやろう。

  とりあえずは、二人の転職を数回すると言う方で成果を出すしかないね」


 「はい……。


  その……、ダイスケさんは国のために働いたりはしないのですか?」


 そう少し聞き辛そうにカトレインが確認して来た。


 「どういう意味?」と意味が分からなかったので素直に聞き返すと。


 「ダイスケさんはマダマダとは言っていますけど、私達を鍛えられるくらいですから、国の騎士とか衛兵を目指している人達くらいなら鍛える事だってできますよね」


 と、カトレインは何故か少し脅えた感じで聞いて来る。


 「俺が力を得る為に、国は何もしてくれなかったからな」


 「えっ。でも、それが当り前じゃないんですか」


 「は~。例えば学校とかでスキルや転職条件を得る為の教育とか、国のお金でしてもらえるのなら、そう言う義務も少しは出て来るかなと思うけどね。

  まあ、国の出すお金も俺らが納めている税金だから、多少そんな気がする程度だけどさ」


 「そ。そんな風に考えているんですか」とクトリアは驚いた表情をしている。


 う~ん。こっちの世界では、そう言う考えはないのかな。


 そう思いつつも、俺の認識を更に言ってしまう。


 「後は、国が俺達を守ってくれていると実感できれば、また違ってくるのかな」


 「でも、衛兵や騎士は都市や町なんかを守っていますけど」


 と、カトレインも俺の考えが腑に落ちない感じの表情で俺に聞いて来る。


 「ああ。だけど、門の使用料として税金を取っているイメージが強いからな。

  それに若し国がキチンと国民を守っているなら、俺達冒険者って仕事は必要ないと思わない?」


 「えっ」


 そう。前の世界だと、傭兵団みたいなのはあったけど、冒険者なんて仕事は無かった。


 では、何故あるのか。


 魔物と言う前の世界には無かった存在が馬鹿みたいに居ると言う前提を踏まえてみても、国の怠慢じゃないのかな、なんて考えてしまったんだよね。


 まあ、その考え方が正解かどうかは、もっと世界を見てみないと分からないけど。


 警察や消防に相当する衛兵団や自衛隊に相当する騎士団。


 道路や城壁等の様々な事を整備はしているけど、十分では無いのに税金だけは搾取し、最悪国民の多くを奴隷にまで落としている。


 しかも、税が重いと良く感じるんだよね。


 でも、それは前世でも同じだったか。


 まあ、科学技術とかが違うから、税が重くなるのは仕方がないのかもしれない。


 でも、人権って考え方が根付いていないのなら、高貴な者の義務とか言う考えも根付いていない気がするし。


 複雑そうな表情をして、俺の様子を見ている二人にはハッキリ言っておくか。


 「俺が持っている力は、俺が尊敬し好きな人達が職業経験値やスキル、転職条件を得る為のノウハウを俺にくれたから。

  だから、俺の好きな人達にしか、俺の力を使ってあげる気がしないんだよね」


 「で。でも」と、カトレインは納得できない様だけど。


 「国には税金を搾取しているのに、その搾取に見合う事をしていないって、どうしても思ってしまってね」


 そう言うと、二人とも複雑そうに黙り込んだ。


 う~ん。こんな事を言うと、反逆罪とかあるのかな。


 と言うか、転生者だと疑われる発言だったかもしれないな。


 今後は注意すべき、と言うか詐術スキルさんに発言内容を教えてもらった方が良さそうだ。


 そんな事を考えながら、別の話題を振り食事を続けた。

 主人公の感覚だと、この世界の権力者は搾取するだけで、どれだけ国民に還元しているのか、と思ってしまう様です。

 まあ、実際は命がけで都市等を守り亡くなった人達の家族への補償とか色々ありそうですが。

 ただ、主人公の感覚だと、国に貢献をしようとは思えない様です。

 まあ、転生者という事を隠す為に国に貢献とか出来ないと言うのもありますが。

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