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第125話 出ない答え

 成長の雫について、二人に説明し、二人の認識を改めさせました。

 確かに貴重で効果は凄い。

 だけど、強くなれば、それなりに手に入る物。

 そして、強くなる為には使って当たり前の物。

 二人に成長の雫について説明した夕食の後、自分の寝室に戻り、スキル上げ。


 ここに亜空間部屋を作り鍛冶をしても良いのだろうけど、今日は錬金術師技スキルのレベルを上げよう。


 そう思って実際やろうと考え始めると、LV1だと付けられる錬金効果はサイズ調整と信号発信だった。


 信号発信は、機工士や魔機工士が受信機を造る事により、位置を特定できる錬金効果なのだけど。


 現状全く意味がない。


 なので、サイズ調整でレベル上げなのだけど。


 魔イノシシの皮で革鎧を造り、それにサイズ調整を付けるか。


 裁縫スキルを起動。


 亜空間収納内の魔イノシシの皮を鞣し、毛を処理し、化学変化させ、丈夫にして型通りに切る。


 それを張り合わせたり、折り目を付けたりして取り出し、魔蜘蛛の糸で縫う。


 まあ、縫うのもスキルとMPで全部やっても良いのだけど、ここだけは何故か手作業にした。


 造った感じにはなるからかな?


 でも、時間の無駄って気もするので、次からはスキルとMPを使い造る事にしよう、と決めておく。


 そんな事を考えながら造った、軽装タイプと重装タイプを5セットは全て+1の良品だ。


 部位ごとだから、頭、上半身、下半身、手、手、足、足の一セット7つ。


 これを10セットだから70回サイズ調整を付けられる。


 錬金の触媒は、大量に持っている魔石Fにする事にして、錬金術師技スキルを起動しメニューを表示。


 対象や錬金効果を選択し、サイズ調整の錬金効果を1つずつ付けて行く。


 とりあえず、硬質化や高耐久化、温度調整や軽量化等が出来るLV6以上を目指した処、経験値増加スキルがあるので、なんとかLV7にまでなれた。


 これで色々と錬金効果を付けられると、生産系のスキル上げを終えて、次はそれ以外のスキルのレベル上げに入る。



 夕食後のスキル上げを終えて、居間に行くと魔石灯の明かりの下でクトリアが本を読んでいる。


 スキルを得る為の本か。


 彼女を抱き上げ、お姫様抱っこで寝室へ。


 彼女を俺の前に座らせて、後ろから抱きしめる。


 華奢で壊れそうなくらいだ、なんて思っていると「今日は、ありがとうございました」と言ってくる。


 「何が?」


 「成長の雫を使ってもらえるなんて」と、クトリアは何故か暗い表情で言って来る。


 なので俺は「成長の宝珠も使っていれば、今日だけで転職まで行けただろうけどね」と、明るく告げると。


 「そ。そこまでしてもらう訳には」と、クトリアの暗い表情は無くなり、恐縮した感じになる。


 それも嫌だったので。


 「まあ、俺がどうしても必要と思ったら使うけどね。

  でも、クトリアももう少しで転職だから」


  と話を振ると。


 「はい。こんなに早く転職出来るなんて」と、クトリアは複雑そうに言う。


 だけど、気になったので「油断はしてはダメだ」と注意をすると。


 「あ。はい」と、クトリアは少し驚いた感じ。


 「俺は、クトリアを死なせるつもりはない。

  俺の奴隷にならなくても、だ」


 そう俺の本心を伝えると。


 「……。はい」


 と、クトリアは何故か苦笑いした感じに。


 その様子が気になったのだけど、俺の本心を伝え続ける。


 「だから、真面目に考えすぎなくてもいい。

  まあ、真面目な処も良いんだけどね」


 そう言うと、しばらく黙ったまま何かを言いたそうにしていたので、彼女が話し始めるのを待ってみる。


 「……。優しくしないでください」


 そんな風に悲しげに言われても、俺は納得できない。


 だから「どうして?」と、ハッキリと確認すると。


 「辛くなります」と、俯いたまま辛そうに言われてしまう。


 「その感情を利用して、生涯俺の奴隷になってくれないのかな、と悪だくみをしている男なんだよ。

  俺は」


 と、悪い本心をぶっちゃけると。


 「そうなのかもしれませんけど」と、少しは明るくなってくれる。


 「それでも辛いんだ」


 「はい」


 「よし。順調だな」そう言って首筋にキスをする。


 「……」


 「クトリア。今日は後ろから愛撫するから」


 「えっ」


 「これなら、俺の下種な表情も、あまり見えないでしょ。

  見ようとしない限り」


 「怖いって言っても……」と、何かを言いかけたようだけど、途中でやめた様だ。


 「俺はスケベだからね。

  まあ、知っているだろうけど」


 「はい」


 ああ。即答されてしまった。


 でも、此処は引かない。


 「ちょっとずつエスカレートすると思うけど、許してね」


 「狡いです」


 その言葉には返事をせず、魔力を指や唇などに移動させながらクトリアを愛撫する。


 怖がらせない様に、一昨日よりは控えめに。


 性技さんは優秀で、まだ未開発と言えるクトリアを軽く何度か行かした後にそのまま後ろから。


 すると、獣の様にするのは未だ早いと性技さんが。


 今日は、愛撫を続けながらゆっくり。


 最後は、正面に戻り、慈しみながら。


 正直、外見が好みで、真面目で優しく、儚げなところを愛おしいと思っている。


 だから、その気持ちを伝える為に『愛している』ってもっと言った方が良いのかな。


 重く捉えられそうだから、出来る限り言わない事にしているんだけど。


 それに、転生者であり色々と嘘や隠している事のある俺に、それを言う資格があるのかどうか。


 答えを出さずに、二人で眠りについた。

 順調に、クトリアやカトレインとの関係を深めているようですが。

 それが、正解かどうかは分からないのですが。

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