表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/190

第123話 成長の雫

 ある程度強い魔物達が集まっている場所に到着したようです。

 そこで主人公はある消費マジックアイテムを使う事にしたようです。

 「さて、これから一時間が勝負になるけど大丈夫?」


 そう聞くと、二人は意味不明って感じだ。


 なので、キッチリ説明する事に。


 「ここから南に行くとオーガが2匹、魔熊が3匹、オークが十数匹、魔狼も十数匹いる。

  だから、成長の雫を使おうと思う」


 そう言うと、二人は目をむいている。


 そしてふと我に返って「そ、そんな。本当なのですか?」と問い質してくるカトレイン。


 「ああ。二人を絶対に失いたくないから、そろそろ使おうと思っていたんだ」と状況を説明する。


 まあ、今朝の話し合いで判明した『調子に乗ってスケベな事をした結果、二人に捨てられるかもしれない』と言う件も関係無くは無いけどね。


 正直『彼女達は強くなったら俺の元から去っていくだろう』と言う不安もあるのだけど、死なれるよりはいい。


 「で。でも、そんな貴重なモノ」とクトリアは、少し脅えたような感じ。


 「でも、何処かで使わないと、約束を守るのは難しいと思ったんだ」


 そう言うと、二人は黙り込んだ。


 成長の雫。


 この消費マジックアイテムを使った者は取得経験値が10倍になる。


 たった1時間だけど。


 しかも、成長の宝珠や成長の祝福と言った消費マジックアイテム、神授の装備に付与された取得経験値増加の効果や、経験値増加スキルとも効果が重複する。


 まあ、その仕組みは面倒だけどね。


 成長を促進させる仕組みは、消費マジックアイテム、装備品に付いている効果、経験値系のスキル、特別な恩恵・加護の4種類ある。


 そして、同じ種類の仕組みだとその効果は掛け算に、違う種類の仕組みだとその効果は足し算になる。


 例えば、成長の雫と成長の宝珠は、同じ消費マジックアイテム系であるため、その効果が掛け算となる。


 成長の雫は1時間取得経験値が10倍に。


 成長の宝珠は2時間取得経験値が10倍に。


 なので、同時に使えば10×10の100倍の取得経験値及び成長速度になる。


 しかし、経験値増加スキルの効果が10倍ある時に、他の種類の仕組みである成長の雫を使うと、10+10の20倍の成長速度となる。


 面倒だけど、小知に教わった、この世界で生き残る為には重要な理に関する情報だ。


 そして、消費マジックアイテム系である成長の雫は宝箱が発生すれば多くの場合で手に入るアイテム。


 成長の宝珠も、BランクやAランクの魔物を倒した時に発生する宝箱からなら、それなりに手に入るアイテムとの事。


 その為、この世界の人族が高レベルになる為には必須のアイテムでもある。


 となれば、当然多くの者が欲するマジックアイテムで、宝箱からは出やすい成長の雫ですら数百万から数千万GAU(数千万円~数億円相当)が相場と言われている。


 それを使うと言ったので、二人は驚いたのだけど。


 「でも、それを使わなくても、この調子で職業経験値が得られれば、後数十日程度で確実に転職出来ますから」


 とカトレインの方が俺の提案に対する異論を言ってくる。


 「まあ、確かにそうなんだけどね。

  次の転職の時の方が多分必要度は上がるだろうし」


 「なら」と、カトレインが複雑な表情をして言ってくるが。


 「まだ、数個は使えるから」


 「えっ」と、二人がまた鳩が豆鉄砲を食らったような表情になる。

 

 「それに、さっき確認した通り、戦闘系のスキルも無しに前衛で戦うのは怖いよ。

  なら、まずは戦士か木こりになって戦闘力を上げておいた方が、間違いない」


 「……。はい」二人は、何故か恐縮していると言うか怯えている感じだ。


 格納箱からビー玉程度大きさで軽く白く光っている成長の雫を取り出す。


 「本当に?」とクトリアが驚いている。


 実物を見た事があるようだ。


 「魔狼がこちらに向かって来ているから使うよ」


 「はい」

 「はい」


 二人は、まだ納得していない感じだけど、了承の返事が帰って来た。


 先に言っておいた方がよかったのかな。


 そう思いつつ、成長の雫を握りしめて『使用』と念ずると、『成長の雫を使用しますか。はい/いいえ』の確認が出るので『はい』を選択。


 丘の向こうから魔狼達が向かって来ている。


 二人を下がらせて、火矢を16発発生させる。


 「色と大きさが変わっている」とカトレインは少し驚いた感じで。


 ああ。


 昨日、設定変更した火矢に少し驚いたようだ。


 上がったように見えた威力を試すために、口内から脳を攻撃する形だった火矢を首を破壊する様に照準を変更し撃つ。


 12匹全部を首が千切れそうな形にする事が出来た。


 二人を見ると「火弾じゃなくて火矢だったの」と、カトレインが愕然としながら呟いている。


 ああ。火矢が多弾頭化していたのをはじめて見せたか。


 しかも、火矢一発についても青い色の小さな火球なのに、なぜか威力が強くなっている事に違和感を持っている感じか。


 でも、詐術が下手に言い訳をしない方が良いと教えてくれたので、先を急ぐことに。


 「この一時間が勝負だ。

  でも、無理はしない様に行くから」


 そう言って、魔狼を格納箱に入れ、彼女達を連れて次の獲物に。

 主人公は、この世界で重要アイテムである成長の雫を二人の為に使ってしまいました。

 それにより、どんな影響が出て来るでしょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ