第119話 鋳造
魔物を倒して得た金属を使い、鍛冶の鋳造(鋳物)をする事にしたようです。
亜空間部屋の中心に今日買った小型の炉を置く。
それに、オークやゴブリンの持っていた武器や盾の鉄の部分を鍛冶師技スキルの錬成により無理やり変形させ金属以外を取り外して金属部分だけを中に入れる。
本来は、魔石を使った加熱炉とか魔石コンロとかで、少しでも鉄が溶ける温度に近づけた方が良いのだけど。
今日は、採掘士になると取得できる加熱スキルだけで金属を溶かす事に。
そう。
このスキルがあるから、小型の金属を溶かす炉なんて物が、この科学をあまり感じない世界でも簡単に可能になっている。
スキルに聞くと、1秒で5度程度対象の温度が上がり、2000度程度で鉄が溶けるそうだ。
ちょっと時間がかかるので、MPを多めに使う事により上がる温度を1秒に10度程度にしてみる。
亜空間部屋の維持にMもPを使うので、ステータスウィンドウを表示し、MPの残量が大丈夫か確認してみると、まだ余裕。
なので、鉄の融点が2000度とか前の世界と同じなのかな。
鍛冶スキルが教えてくれる鉄の鋼鉄の違いとかも、前の世界と同じなのかな、等と考えたり。
このスキルを魔物に使えば、攻撃魔法の代わりになるのでは、とスキルに聞いたり。
敵の持っている武器に鍛冶師技スキルを使うとどうなるのかをスキルに聞いたり。
今後の作業について確認したりしていると、鉄は2000度を超えて溶けている。
熱くなり過ぎるのも駄目とかスキルに言われるので、丁度いい温度に調整。
ちなみに、加熱スキルは冷却も可能な便利さ。
ただ、射程が1~5メートル程度と短く、対象が鉱石とか鉱物で生物系の魔物には使えないそうだ。
血液とか脳を沸騰させるとかで魔物を倒せるかなと思ったのだけど。
ならば、魔物の体内にある魔石を対象にして加熱、と思ったのだけど、それも駄目だそうだ。
生産の為のスキルは生産の為に。
戦闘の為のスキルは戦闘の為にと言う原則みたいだね。
多分、例外も有るのだろうけど。
基本、単純に敵対している者の物に影響はあまり与えられないんだってさ。
また、敵の武器を鍛冶師技スキルで、どうにか出来ないかだけど。
この世界では、物の所有者を世界の理でも管理しているそうだ。
まあ、他人の物を取った場合にはステータスウィンドウに犯罪者と乗せるのだから、誰の物かと言う事を世界の理の中で判断出来る様に、そう言う仕様になるのだろう。
鍛冶師技スキルは、自分の所有物、製造加工等を委託された物、共有の物か所有者のいない物にしか影響を与えられないんだって。
まあ、正確には強い影響を与えられない、だそうだけど。
では、と言うと加熱スキルとかは他人のモノでも強めに影響を与えられるらしい。
他人の溶鉱炉で、共同して作業とかになると、そう言う制限は困ると言う事なのだろう。
かわりに、鉱石とか鉱物とかにしか影響を与えられなかったり、射程が短かったりする理になったんだろう。
そんな事を考えながら、次の作業へ。
鍛冶師が身に付ける、分離スキルだ。
これで、鉄とそれ以外を分離又は調整する。
なんでも、鋼とか鋼鉄と呼ばれる金属は、鉄の中の炭素量がある程度多いものらしい。
その量の違いで、硬さや粘り強さが変わるとの事なのだけど。
他にも、魔物が発生した時に持っている武器の鉄には銅とかマンガンとか色々な不純物はあるようだ。
なので、それらを取り除いたり量を調整したりスキルにより変質させたりして鉄より強い鋼鉄にした方が良いだろう。
ただ、不純物を取り除いた方が金属として強いとは限らない。
ミスリルと言った高品質な希少金属も含まれているかもしれないから。
だけど、残念ながらそう言うモノは含まれていないそうで、武器として丁度いい鋼鉄になる様に分離スキルにより分離していく。
その辺は、スキルが知っていて、分離スキルメニューにより指定するか、スキルによる加熱中にイメージにより指定する事で自動で調整してくれるらしい。
先ずは手回し式のハンドルを回し転炉を傾けて、中の軽い方の不純物を流し出し、インゴット用の金型に入れておく。
でも、これってどこに捨てれば良いのだろうと思いつつ。
まあ、とりあえずは亜空間収納に入れておくけど。
次に、鉄と言うか鋼鉄になるように調整した溶けた金属を、買った金型に入れて行く。
金型に流し込んだ金属にも更に分離を掛けて、不良品の原因となりそうな空気やガスと言った物も分離と言うか、金型の中から外に追い出したり、鋳巣とか形状不完全等の不良品にならない様に加熱スキルと分離スキルで調整したりする。
金型を移動させて、新たな金型に溶けた金属を流し込む等の作業を繰り返す。
ふう。加熱スキルで急速に冷やす事も出来るけど、そう言うのって強度にも影響が出るらしいので、そのまま自然に冷えるのを待つ。
となると、しばらく作業が出来ないのか。
ならばと、時間が止まらない格納箱に熱いままの金型を入れ、今日の作業は終了かな。
金型をもっと買っておけばよかった。
一応、格納箱内の他の物に熱が移動して痛まないかはスキルに聞いたけど、その辺は入れた物毎に隔離されるので大丈夫だそうだ。
もっとも、隔離されている分、熱が冷めるまでの時間は長そうだけど。
借家の裏庭に戻り、隠形等を解除して玄関から家に入る。
今日は、狩りを早めに切り上げたけど、鍛冶に掛けた時間が長く少し遅くなったようで、彼女達はもう食事の準備をしている。
「ただいま」
と、言うと少しホッとした感じで
「おかえりなさい」
と、二人からの返事。
帰宅時間が遅くなると、やはり少し心配にはなるようだ。
台所を見ると、まだ少し時間がかかりそうなので、その間に風呂へ行き生活魔法の水作成でお湯を入れお風呂に入れておく。
そして、自分の寝室に入りスキル上げの時間なのだけど、今日は直ぐに食事となった。
夕食後、誰も一緒に風呂に入ると言ってくれないし背中も流しに来てくれないので寂しく一人で入る。
まあ、狭めの風呂だからしょうがないんだけどさ。
風呂の後、最低限のスキル上げをして居間に行くとカトレインがいる。
そのカトレインをお姫様抱っこして、寝室のベッドへ。
何と言うか、少し険しい顔のカトレイン。
「どうしたの?」と聞くと。
「昨日、クトリアが大変だったって」との返事。
「そうなんだ。
昨日は初めて試してみたからね。
それで、エッチの時にスキル取得の訓練も少し入れると言う話は知っているんだね」
「は。はい」と、緊張気味だ。
「どこまで効果があるかは、正直分からないんだけどね。
試しにしばらくやってみようかなって」
「はい」
そう返事したカトレインの夜着をずらし、魔力操作で魔力を集中した指先、舌、唇で愛撫を始める。
しばらくするとカトレインも少し暴れる感じになったので、それを往なしながら愛撫を続け。
最後は、あそこに魔力を集中し正常位で。
もちろん、指とか唇とかにも移動させキスや愛撫も。
やっぱり、魔力操作に意識が行っていると行くまでに時間がかかりそうなので、性技スキルで自分の感度を上げて調整した。
それでも、カトレインも体中をピンク色に染めて疲れ切った感じ。
その色っぽい姿に満足し、カトレインにキスをしてから彼女を軽く抱きしめて、今日も眠りについた。
スキルを得る為の変な訓練は続けるようです。
問題が生じ無ければ良いのですが。