第106話 ダンジョン
ハリーさんからダンジョンとスタンピートについて聞きました。
一応、ゲームや小説などでどういうモノか知ってはいますが、この世界のダンジョンとスタンピートについて聞く為、少知に確認しておくようです。
しかし、ダンジョンとスタンピートか。
冒険者ギルドを出て、今は借家の庭に隠れた状態で座っている。。
少知に色々と確認したいからだ。
「少知。ダンジョンについて教えてくれ」
【ダンジョンとは、基本的には空間に満ちる魔力であるマナの濃い場所が、魔物を造る製造工場の様になった場所の事を言います。
つまり、魔物が大量に、高速に発生します。
また、宝箱も発生しやすい場所となっています】
「他には?」
【基本的にはマナの濃い場所なので、それが荒野や砂漠や空中や渓谷や山林の中でも、洞窟と言った場所にも存在します。
魔力探索スキルを高レベルにした者の話だと、地中、地上、空中には濃厚なマナの流れる『竜脈』と呼ばれるマナの流れ道がり、その殆どは地中深くか遥か空の上にあります】
竜脈か。とんでもない力の流れなんだろうな。
【その巨大なマナの流れから小さく分岐し湧き出すようにマナの溢れているマナ源泉と呼ばれる場所があり、その通常より濃いマナによって魔物が大量に湧く場所をダンジョンと呼びます。
なお、空中にあるモノより地下にあるマナの流れ道から、マナが湧き出す場所が多い為、地上や地下にマナの濃い場所が出来やすいとも観測されています。】
「それだと、地下に強力な魔物が多数生まれ出る様な気がするけど」
【地下の環境は地上や空中に比べて著しく厳しい為、地下深くに魔物が大量に発生すると言う事は不可能ではと推測されています】
「なるほどね。まあ、前世でも地表近くの地中なら兎も角、地中深くに動物とかは居なかったか」
【結果、地下でありながら魔物を生じやすい空間となる洞窟や鉱山の空洞と言った空洞のマナも濃くなる傾向があり、洞窟タイプのダンジョンが多い及び鉱山がダンジョン化すると言う現状が知られています】
「他には?」
【ダンジョン内でもマナの濃さにはバラツキがあり、マナの濃い場所からそのダンジョンで一番強いボスとも言うべき魔物が生じると言われています】
「他には?」
【……】
黙り込んだか。
「基本的には、マナの濃い場所と言う事は、例外があるのだろう。
その例外は?」
【人為的に作られる場合があります】
「人為的?」
【刻印魔術に、マナ源泉作成と言うマナの流れ道からマナを誘引し拡散させ、ダンジョン等を発生させる力があります】
「そっか。ちなみにダンジョンには、どんな分類がある」
【ダンジョンには、その地形により洞窟型、森林型、渓谷型と言う分類や、獣型、飛行型、巨人型、機械型と言った中に多く生息する魔物による分類や、ボスと呼ばれる魔物のランクによる分類があります】
なるほどね。
その程度なら、一般的な話として教えてくれてもいいと思うけど、個別に質問しなければならないのか。
相変わらず、少知は使い勝手が悪いな。
「最初の方の説明の情報源は?」
【転生者が神に聞いた話です】
なるほど。ならばある程度は正確かもしれない。
いや、決めつけるのは騙される可能性があるか。
ダンジョンについて、一般的な話を聞きました。
次は。