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第104話 稼げる冒険者

 順調に強くなり、お金も稼いでいる。

 なので、二人に分配をするようですが。

 朝起きると、今日もクトリアは居ない。


 もう、二人で朝御飯の準備をしているようだ。


 生活魔法で顔と歯を磨き、彼女達の処に行き、渡し忘れていた熟成させた魔牛の肉1切れを渡す。


 料理スキルが上がった後に作った物の中だと一番小さいけど、100キロ以上あるのかな?


 それを見て「これは?」と少し驚いた顔のクトリア。


 まあ、冒険者ギルドですら結構な値段で買い取るのだから、この世界ではそれなりの贅沢品なのだろう。


 そう思いつつも、美味しい肉も食べたいし、骨はスープの良い出汁になるだろうと、


 「ああ。手引書を買いに行った時に目に付いたんで買ったんだけど、格納箱の中に入れたまま忘れていたんだ」


 と、高級品なんかなじゃいよと、軽い感じで渡しておく。


 「分かりました。料理に使わせてもらいます」とカトレインは早速切り分けている。


 「料理スキル持ちが長期保存できるように処置してあり常温でも2月程度は大丈夫らしいから」


 と、料理スキルから言葉も伝えておく。


 後は、二人に任せておけば大丈夫だろう。



 さて、朝食だけど、がっつりステーキが出た。


 まあ、若くなった肉体にはありがたいのだが。


 それを食べながら二人に確認する。


 「二人は、戦利品の分配は白金貨が良いのかな?」


 「えっ?」と、二人とも意味が分からないと言う感じの声を上げている。


 「いや。狩りに行くときに家に置いておくのも不用心だし、持ち運ぶのには金貨は邪魔な上に重過ぎるでしょ。

  俺は、格納箱があるから良いけど」


 「ええ。それはそうですが」と、クトリアが戸惑いながらも返事をしてくれる。


 「分配用の金貨が数十枚ずつあるのだけど、これをそのまま渡しても良いのかなと、思ってね」


 そう現状を伝えると。


 「普通は、冒険者ギルドに預けるのですよね?」と、カトレインも確認してくるが。


 「うん。でも、それはそれで面倒らしいからね」


 「はい。都市が違うと出せませんし、預かり証が偽造防止で、結構重い物らしいですし」


 と、クトリアが冒険者ギルドで一緒に聞いた冒険者ギルドにお金を預ける問題点を言ってくれる。


 「代わりに、ステータスウィンドウと名前等が違うと引き出せないと言うのもあるので、家においておけるらしいですが」


 そうカトレインも冒険者ギルドにお金を預ける問題点を言ってくれたので。


 「まあ、それでも盗んでいく奴がいるって話だったね。

  嫌がらせか何かで」


 と、ギルドで3人揃って聞いた話を口にする。


 「ええ。困ったものです」と真面目なカトレインは憤慨している。


 まあ、ギルドとしては丸儲けだから、ギルドの管理下でそう言う悪さをしている奴も居そうだけど、どうなのだろう。


 ああ。俺なら偽装スキルで名前を変えて引き出せるのだから、そう言う人も居るのか。


 でも、受付嬢が顔を名前を憶えていたらバレるのか。


 そんて考えつつ「で。どうする?」と、二人に確認を続ける。


 「でも、そんなにお金が貯まっているのですか」


 と、カトレインは収入状況に疑問を持ったらしく訊ねて来る。


 「昨日倒した魔熊とか皮が高く売れるらしいからね」


 「あ。はい」


 と言ったカトレインは少し表情を曇らせた。


 魔大熊を思い出したのかもしれない。


 でも、それを無視しつつ「で、魔鹿の肉を売った金で補填しようかなと」と話を進めると。


 「ああ。そう言う事なのですか」


 と、カトレインも納得したようだけど、俺の懸念を知らせておく。


 「後は、生活費だね。

  パンとか食材の購入費を出しているでしょ。

  二人で」


 「あ。はい」と、カトレインは自分達で支出しているのに申し訳なさそうに。


 「そう言うのを請求してくれるのかと思ったら、そうではないから早めに多めに払っておこうかなって」


 「それは、気を遣う程の事では」と、今度はクトリアの方が、申し訳ないって感じで言ってくるけど。


 「食事を楽しむのも大事だよ」


 「ダイスケさんは、そう言うタイプなのですね」


 と、クトリアが確認してくるので。


 「ああ。何時、どうなるか分からない事も多いからね。

  楽しめる時に楽しんでおかないと。

  その辺は身をもって知っているだろうけど」


 「……、はい」


 とホホを赤くする二人。


 俺が暗に言ったことを理解したようだ。


 「まあ、無駄に贅沢をする必要もないし、金銭感覚も大切だけどね。

  とりあえず、これで」


 そう言って、二人に白金貨1枚と金貨10枚ずつを渡しておく。


 「えっと」とカトレインが少し困った顔をしたので。


 「白金貨が分配だね。

  少し前払いも入っているけど。

  金貨の方が生活費の俺の負担分かな」


 「少しと言うと?」とカトレインは、その辺も気になるようだ。


 「ああ。確かそれぞれ31万GAU程分配が貯まっていたね。

  後、昨日の分が冒険者ギルドで数十万GAUは受け取れるから、残りが前払いだね」


 そう言うと二人で見つめあっていたけど。


 「ダイスケさんの取り分は?」


 と、カトレインの方が聞いて来たので。


 「ああ。さっきも言ったけど、昨日のDランク以上の魔物とか色々とあるよ。

  あの魔熊の皮とか、防具屋とかに売れば、結構な値段になりそうでしょ。

  心配しなくても、払い過ぎなんて事は無い筈だから」


 そこまで具体的に言うと、


 「はい」


 と、納得してくれたようだ。


 「冒険者も一定以上の強さを手に入れると、それなりに稼げるという事だから」


 そう言って、食事を再開した。


 二人は何故か複雑そうだけど、少しずつ稼げる冒険者と言うのを実感してもらうさ。

 主人公は、稼げる冒険者。

 戦利品売却代金分配時の二人の反発を減らす為に、それを実感させつつ分配金を渡す事にしたようです。

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