第8話 ラッキースケベ その2
本日2話目です。
第8話 ラッキースケベ その2
―旭野朽―
俺は諦めないっ!
何としても姫子さんの裸が見たいっ!
15歳の性欲を甘く見てはいけない。
体の奥底からムクリムクリと湧き上がる欲望は簡単な事では治まらない!
きっと、そうきっと姫子さんの裸を見たらこの欲望も解決される。
そう信じて疑わないひたむきな心が今の私には必要なのですっ!
と、再びテンションが上がってきた。
しかし、ここで昨日と同じ轍を踏むわけにはいかない。
冷静にいかねばならない。
そう、素数を数えるのです。
2,3,5,7……57ヨシッ!
冷静になれたところで作戦を練る。
日常生活において裸になるのはお風呂だ。
まぁ妥協したとして下着姿でも可。
だとすれば着替え……。
しかし、彼女は朝4時には起床して日課のトレーニングを行い6時ごろには何事もないかのようにスーツになっている。
ここを利用しない手はない……。
そうだ、いきなり裸を見ようとするのが良くなかったのだ。
ふふ、それに気づくとはやはり天才!策士!
まずは、下着姿を拝見しようじゃないか!
というわけで……。
ただ今の時刻は5:40。
そろそろ彼女が帰宅して着替え始める頃合いだ。
足音を殺して自分の部屋を出る。
廊下もすり足差し足忍び足。
姫子さんの寝泊まりしている客間の前までゆったり時間をかけて到着する。
もちろんノックはしない。
あくまで俺は純真無垢な子供なのだ。
ふへへ!あの彫像のように美しい肉体美をこの目に収めてやるぜぇ!
「あの~姫子さん~」
……誰も……いないだと?
おかしい。
姫子さんが帰宅しているのは確認済みである。
どうして……はっ!?
「あの、朽様いかがされましたか?」
背後にはいつの間にか姫子さんが立っていた。
いつの間に!?と思うが思案に耽っていたので気づかなかったのだろう。
「いや~なんでもないんだよ。た……だ…」
「朽様?」
そこに女神が居た。
彼女はパンティー1枚のみで、首から掛けたバスタオルがちょうど胸を隠している。
まるで宗教画のような美しい一幕だ。
「お、お風呂はいってたの?」
「はい。少々汗をかいてしまいまして。すいませんお見苦しい恰好ですぐに着替えます。」
「ぜ、全然見苦しくなんかないよ!その、とっても綺麗だよ。」
「ふへ?」
全裸という状況でもなければ下着姿というわけでもない。
ただ、シャワーを浴びて所々についている水滴が妙に妖艶な雰囲気を出している。
正直、エロい。
全裸なんかよりも全然エロい。
顔を真っ赤に染めた彼女と見つめあうこと数舜。
「風邪ひいちゃうよ……姫子さん」
「は、はひ」
彼女はぎこちない動きで部屋に入っていき、その後何事もないかのようにスーツ姿で出てきた。
もちろん顔はまだ真っ赤だった。
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あ、たまには感想とか……調子乗りました。すいません。