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特選男子!~あべこべ世界でモテモテになりたいっ!!~  作者: みぞれパンダ
第1章 特定選別研修 金見山高校編
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第34話 ゴールデンウィーク その5

かえってきたどー!

第34話 ゴールデンウィーク その5


―旭野朽―


厳戒態勢の屋敷前で、三人の視線を受ける。


「今度は雅と来なさい」


祖母のぶっきらぼうな言いぐさについつい、笑ってしまいそうになりながらも頷く。


「高2の時の悪戯を謝罪する気があるのなら、旭野家の敷居をまたぐことを許すと伝えておいてください」


叔母のハイライトの消えた目を見て、母とそっくりだなんて言葉を飲み込みながら頷く。

高2の時に一体何があったんだという疑問もついでに飲み込んだ。


「朽っ!また来るがよいぞ!」


従妹の生意気そうな笑顔を微笑ましく思いながらも頷く。



「皆様、お世話になりました。今後ともよろしくお願いします」


社交辞令ともとれる定型文だが、頭をしっかりと下げてお礼を述べる。

今までが疎遠だったのだ。

関係を再スタートさせるにはこれぐらいからで、ちょうどいいだろう。



海軍仕様のSUVに乗り込んで窓を大きく開ける。

三人の視線に対して、大きく腕を振りながら小さくなる影に長く長く手を振った。


こうして、旭野本家との初対面は無事に終えることができた。


……そう、あとはデート祭りじゃぁぁ!!!




―宮本明日香―


「ねーちゃが気持ち悪い顔でケータイみてる!!」


「こーら明日美!本当の事でも言っちゃだめよ!」


「んなっ!?気持ち悪くないもんっ!」


明日美とお母さんの揶揄いについむきになって反応してしまう。

水族館に二人で行くことを約束した文面を見て、つい顔が緩んでしまっていた。

だけどそれは仕方のないことだ。


高校入学から休みなしでバイト三昧の日々。


友達と遊ぶことはおろか、異性と……朽とデートだなんて。

楽しみにしても仕方がないと思う。


「……ねぇ明日香。その……、本当に大丈夫なの?」


先ほどのまでの笑顔とは打って変わって心配そうなお母さんの目。

瞼の少し上には、まだ消えていない傷跡がある。


「もう。何度も説明したでしょ?彼は……朽は大丈夫。世界で一番、カッコよくて、優しくて……強いんだから」


「そう……わかった。もう心配はしないわ。でも、デート終わりでもいいからうちに連れてきて」


唇をかむお母さんは意を決してそういった。

きっと、お母さんもあの事件の事について忘れられたわけじゃない。

それでも、私を心配して思いやって……。


「一度でいいから生男子高校生見てみたいの!」


冗談か本気かわからない発言。

それでもその態度に、少しばかりの安堵を覚えてしまう。


「いーやー!」


舌を出して反抗して見せるけど、三人で大笑いする。

あぁ家族で心の底から笑い合ったのはいつ振りだろうか。





―旭野朽―



都内から少しだけ外れた水族館。

連休中のレジャー施設ともなれば家族連れやカップルで混雑するイメージ。

しかし、ここはあべこべ世界。


当然、男性が混雑した水族館で優雅に見学なんかできるはずもない。

一日貸し切りとはもちろんいかないが、1時間ほど施設点検の名目で貸し切れた。


料金?

大丈夫金ならある!


そんなブルジョワジーな思考に引っ張られながらも、手元の時計を確認すれば、もうすぐ待ち合わせの時間。

入館窓口で待つこと数分で、お目当ての人物が来る。


「お、お待たせ!ごめんね少し遅れた……その、髪のセットに時間が……」


学校で見るポニーテールではなく、下ろした髪が風になびく大人びた明日香。

彼女の美しい髪の魅力が十分に生かされた姿に思わず息をのんでしまう。


濃紺のワンピースは学生服より気持ち短めで、すらりとした足と手についつい目が行ってしまう。

少しだけ化粧をしているのか、十分に大きな目や小ぶりな鼻が、いつもよりはっきりと見える。


「ぜ、全然待ってないよ。……その、とってもかわいいよ」


誉め言葉に少しだけ目を見開いて

反論しそうになって

ぐっと飲みこんで

顔を俯かせる彼女。


耳まで真っ赤になったことが少し離れたところでもわかるのに

彼女は本当に囁くような声で


「ありがと……その、朽もちょーかっこいいよ」


あぁ神様!

ありがとう!

この世界に転生させてくれて!


完結!みたいな終わり方ですけど全然まだ続きますw

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