表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特選男子!~あべこべ世界でモテモテになりたいっ!!~  作者: みぞれパンダ
第1章 特定選別研修 金見山高校編
35/41

第31話 ゴールデンウィーク その2

次回!朽っ!刺されるっ!(嘘)


第31話 ゴールデンウィーク その2


―日野美波―


 まずい。

 そう考えた時には既に遅かった。


 宮本明日香と朽様が急接近したと思えば、あれよあれよという間に付き合い始めた。

 幸いにして、婚約には至ってないように思えるが、話を聞く限り結婚を前提としているらしい。


 正妻第一候補と見ていい。


 朽様が将来的に何人の妻を娶るのかはわからないが、現行法上5人は娶らなければならない。

 このまま手を拱いていれば、彼ほどの男性には群がるように女性が寄ってくるだろう。


 ……なんとかしなくては


 そう考えた時には、無料通話アプリを起動していた。



美波:夜分遅くに失礼します朽様、少々お時間よろしいでしょうか?


旭野朽:なにかな?



 数分もせずに帰ってくる返信に思わず口がにやけてしまう。



美波:ゴールデンウィークのご予定などはもうお決まりですか?


旭野朽:今のところ、旭野本家に挨拶に行くのと明日香と水族館に行くぐらいだね


美波:なるほど、もしご予定が空いておりましたら食事でもどうかと思いまして



 返信が遅い。

 焦れる思いを胸に抱えて、言い訳の文を打ちかけた時。



旭野朽:全然、構わないよ。


美波:ありがとうございます。では日にちですが……



 その後のやり取りで彼の一日を予約できた。

 私はその場で思わずガッツポーズをしてしまう。


 はしたないとは思うが、それでもこの喜びを表現するのに何の躊躇いがあろうか。


 スキップでもしそうな勢いでクローゼットに向かう。

 素敵な服と素敵な店で畳みかけなければ!





―深山加奈子―


 朽君と宮本さんが付き合い始めたらしい。


 羨ましい。


 率直な感想だ。


 宮本さんの雰囲気は以前よりも格段に良くなった。

 なんというか、ぽかぽかしてるのだ。

 以前の尖った雰囲気は消滅している。


 「いいなぁいいなぁ」


 まるで駄々っ子のように私はベッドの上をゴロゴロした。


 運がいいだけの私だけどもし、もし彼の隣に立てたなら。

 それ以上の幸運はないだろう。


 本当に私はいつだって運頼みだ。

 運だけの私……。


 こんなんじゃだめだ!


 一念発起して携帯を取り出す。

 つい先日ゲットした彼のIDをタップして画面を開く。


 書いては消して書いては消してを繰り返し、やっとの思いでできた一文。



加奈子:ゴールデンウィークにデートしませんか!?



 唐突すぎるだろうか、端的過ぎだろうか。

 何度か後悔を繰り返した頃に返信が来る。



旭野朽:僕なんかでよければ笑


加奈子:朽君がいいのっ!


旭野朽:ありがとう。どこに行こうか?


加奈子:えっとこの映画見たくて

    http://~


旭野朽:『俺様の美学』?


加奈子:そうっ!原作漫画が大好きなの!


旭野朽:わかった。楽しみにしてるね


 そんな一言に私は舞い上がる思いだった。

 





―旭野朽―


 美波と加奈子から同時にデートの誘いがあった。

 一夫多妻制のこの国家では浮気や不倫という、前世では社会通念上認められない行為が平然と行われる。


 がしかし、だからといって個人の感情が社会通念通りという事を期待するのは希望的観測だ。


 すなわち報連相はしっかりと行わなくてはならない。

 携帯から明日香のIDをタップ。


旭野朽:美波と加奈子にデートに誘われたんだけど


明日香:なに?もう浮気?


旭野朽:……ごめんなさい。


明日香:冗談よ。電話できる?


旭野朽:できるよ


 程なくして明日香から電話が掛かってくる。


 「朽がモテるっていうのはわかってたし」

 「あの二人があんたの事を想ってるのは明白だった」

 「日野さんなんてあんな事入学式で言うぐらいだし」

 「横紙破りだって私に文句の一つあっても良かったのに、彼女私におめでとうって」

 「だから、別に私は気にしないわよ」

 「でも、二人がいい女だからって私の事忘れない?」


 不安げな声は少しだけ鼻にかかっている。

 泣いてはいないが、やや震えた声に庇護欲がそそられる。

 俺は断言する。


 「忘れるわけないだろ?」


 「私、我儘だし素直じゃないし性格きついわよ」


 「しってるよ」


 「嫌いにならない?」


 「愛してる」


 「ふふ、ありがとう……わ、私も愛してるわ」






 というわけで彼女公認が貰えた。


 ぐへへへ……ハーレムだぜっ!

結構、後書きまで読んでくださる方も多いようですので

今後、小話はここで書きます。ご協力ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ