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特選男子!~あべこべ世界でモテモテになりたいっ!!~  作者: みぞれパンダ
第1章 特定選別研修 金見山高校編
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閑話 3万PV記念 深山加奈子の日常?

朽君の唇って……なんか駄洒落っぽい。

閑話 3万PV記念 深山加奈子の日常?


―深山加奈子―


 日が昇り始める時刻。

 私の一日が始まる。


 動きやすい格好に着替えてランニングの準備を終える。

 

 毎朝の日課となっているランニングは小学生の時から毎日やっている。

 

 走ることが好きで始めた日課だけど、中学で陸上部に入ってからは体力作りのために、義務的になった。


 「さて、と!今日も頑張りますか!」


 掛け声とともに簡単な柔軟を終えて緩やかに走り出す。

 ペースは一定。

 乱すことなくリズムを刻むように呼吸をする。


 2~3kmほど走ったところで公園につく。

 市が何かの記念で作った、しっかりと整備の行き届いた公園。


 タータン(競技場に敷かれたゴムの地面)コースがあり、長い直線もある。

 短距離走者にはうってつけの練習場所で、何本かここでいつもダッシュをする。


 全力では走らない。

 100~120mほどの距離を8割程度の力を維持。

 フォームを崩さないことだけを意識して、リズミカルに地面を蹴る。


 跳ねる様なそのフォームは陸上をしていない人から見ると、何か上機嫌な人みたいで少し恥ずかしい。



 


 数本のダッシュを終え、そろそろ帰宅しようと公園の出口に向かう。

 しかし、そこには彼がいた。



 旭野朽



 荒い呼吸と玉のような汗を額に浮かべる姿から、彼もランニングしていることが分かった。


 「く、朽君!」


 自分でもびっくりするような大きな声に、びくりと肩を震わせた彼が私に気づく。


 「なんだ、加奈子か~。朝から元気がいいね」


 くすくすと笑う姿にドキリとしてしまうが、あんなに大きな声が出してしまったことの羞恥心が遅れてやってきた。


 「ご、ごめんなさい。朽君に会えてうれしくて」


 「僕も加奈子にあえてうれしいよ」


 極々自然に、こんな言葉をかけてくれる朽君。

 これで惚れない女子なんていないんじゃないだろうか?


 「朽君もランニング?」


 「うん。体力つけたくて」


 彼は男性の中でもひと際向上心のある人だ。

 普通の男性は運動とか勉強とかあまりしないって聞く。

 そんなことしなくても生きていけるから。

 でも彼は違う。


 特選男子として立派に務めを果たそうとしている。


 そんな真摯な彼に今日も尊敬の念が浮かぶ。


 「ねぇ、よかったら早く走るコツ教えてくれないかな?」


 「うぇ!?」


 「加奈子って陸上部だったよね?」


 「う、うん!任せて!」




 


 そこから20~30分ほどフォームのレクチャーを行う。

 朽君は運動神経もかなりいいのか、どんどん吸収してあっという間に速くなった。


 「いてて……」


 しかし、日ごろの運動量が少ないせいか、背中をさする様に痛みを訴えた。


 「ど、どうしたの朽君!?」


 ひどい痛みでないことは確かだが……。

 朽君は突然ジャージの上着を脱ぐとコース横の芝生にゴロンとうつ伏せで寝ころんだ。


 「ちょっと背中押してもらえないかな?」


 「あう……えっとそのいいの?」


 「エッチな所触ったら怒るよ?」


 小悪魔風にそう笑う朽君。

 マッサージって……最早既成事実では?


 「それじゃぁ押すよ……素人だからあんまり強くは押さないよ。痛かったらちゃんと病院行ってね?」


 「うん……あっ、はぁ。そこそこ」


 朽君の悩まし気な呟きと吐息に思わず手に入る力が強くなる。


 「ふぅ……はっ!あん」


 喘ぎ声のように漏れ出る声が妙にセクシーだった。


 「う~ん!気持ちいよ加奈子」


 そんなこと言われると……私は……私は。


 「それじゃぁ交代しようか?」


 「え?私はいいよっ!?」


 ぶんぶんと手を振り固辞するけど、朽君は手をワキワキとさせてこちらににじり寄る。


 「えいっ!」


 抵抗していると、バランスを崩して二人して倒れこんでしまう。

 目を開けると、そこには朽君の端正な顔が目の前にあった。


 私に覆いかぶさるような姿勢の朽君。


 彼の顔が少しずつ少しずつ近づいてくる。


 「ねぇ加奈子……いいかな?」


 吐息もかかる様な近さで朽君が見つめてくる。

 私も覚悟を決めた。


 「うん……いいよ」


 近かった距離も指一本分までさらに近づく。

 私は目を閉じて……。






ぴぴぴぴぴぴぴぴ




 目が覚めた。


 「く、く、く、朽君と……き、き、キス!?」


 私は二度寝した。

 もちろんランニングは出来なかった。




 その日、学校で私が朽君の唇から目が離せなかったのは致し方ないだろう。

【読者の皆様へ】


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