第2話 例のあれ
感想と評価ありがとうございます!
モチベーション維持につながりますので
どうか今後もよろしくお願いします。
第2話 例のあれ
―旭野朽―
男子町を出て2週間。
政府指定のセキュリティ完備囲郭マンション。
現在の住まいはアサルトライフル(ゴム弾)を装備した警備が周囲を固める大変物騒な物件。
マンションにただ出入りすることさえ、許可証の有無を確認されるこちらに引っ越してきております。
そのため、高校入学までの短い春休み期間を、引っ越しと新生活の準備に持っていかれた。
そうこの世界には確かにあった。
男子町からこれから過ごす街への移動中、右を見ても左を見ても
女、女、女。
姦しいどころの話ではない。
姦の20乗レベルで女性ばかりなのだ。
この世界にはあったのだ……理想郷が!
街に繰り出してナンパ祭りだっ!
と息巻いていたのも束の間、テレビや新聞から得られる情報はあまりに非情なものであった。
“30代男性集団暴行 意識不明の重体”
“40代男性焼身自殺 過去の強姦トラウマか?”
“丸々グループ会長 男性社員に暴行 常態化した地獄!?”
こんな記事ばかりだ。
どうにもこの世界は男性にとってサバンナも同然の状態らしい。
幸いにもこういった事件が起こるのは、大変に治安の悪い地域限定であるらしいが、それでも一度抱いた不安や不信感を払しょくすることは中々できない。
ナンパしまくりで
モテまくりで
ハーレムまつりじゃ!
それサバンナでも同じこと言えんの?状態だ。
この世界でも男女の筋肉量には歴然とした差がある。
確かに同一の運動量では男性に軍配が上がる。
しかしながら、男女では圧倒的に数が違うのだ。
なんの準備もせず街に繰り出せば、圧倒的な数の暴力で転生したてのこの肉体は、蹂躙され骨の髄までむしゃぶり尽くされる。
戦いは数だよ姉貴……。
そんな絶望感に身を浸していたが、それも今日までである。
ピンポーン
自宅のインターホンが鳴る。
待ちに待った瞬間である。
こうした世界線ではこれ抜きでは語れない。
「こんにちは、こちらは旭野様のお宅でお間違いないでしょうか?」
「はいそうですが。」
「私、男性保護団体の鬼塚と申します。本日より男性保護監督官として警護任務に就任いたしました。」
そう男性専属のSP的な人たちである!