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特選男子!~あべこべ世界でモテモテになりたいっ!!~  作者: みぞれパンダ
第1章 特定選別研修 金見山高校編
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第21話 灰被りの秀才 その5

あと2話ほどシリアスでございます。

第21話 灰被りの秀才 その5


―旭野朽―


 その日、結局宮本さんが教室に帰ってくることはなかった。

 クラスの中で彼女を心配する声が聞こえてくることはない。

 まるで、彼女が居ないことが当然であるかの空気に少しだけ苛立ちを覚えた。


 これはエゴだろう。


 彼女が浮いている原因は俺にある。

 男性に対して人当たりの厳しい女性が、この世界で珍しくてついつい構いすぎた。

 結果は当然、クラスの中で孤立だ。


 「朽様?お加減が悪いのですか?」


 「大丈夫?朽君?」


 美波と加奈子が心配そうな表情でこちらを伺う。

 彼女たちも少なからず宮本さんに反感を抱いている。

 

 種を蒔いてしまったのは俺だ。


 ならば、その尻ぬぐいも自分でやるべきだろう。


 「いや、大丈夫だよ。今日は予定があるから先に帰るね」


 二人の返事も待たずに荷物を持って教室を出る。

 校舎に隣接した送迎場まで小走りで向かい、いつもの車に乗り込んだ。


 「お疲れ様です朽様」


 「お迎えありがとうね、姫子さん」

 

 車に乗りむと同時に姫子さんが一冊の資料を渡してくれた。

 そこには、男性保護団体(MPG)のマークが記載されている。


 「宮本明日香の調査報告書です」


 「危ない橋を渡らせちゃったね。ありがとう」


 「いえ、これも仕事ですから」


 「お礼に姫子さんのお願い事も聞かなくちゃね……身体で払うとかさ」


 「「ん゛ん゛ん゛」」


 前に座る二人から大きな咳払いが聞こえる。

 姫子さんはフリーズしていた。


 そんな中で黙々と資料を読み進める。

 調書のような形で、取り調べの記録が淡々と書かれたその資料を読み進めていくほどに、資料を握る手に力が籠る。


 「……なんだよこれ」




ー4年前。


 丁度、彼女が小学校6年生になった時。

 当時から彼女は一際優秀で、難関の中学校を受験することを教師に勧められた。

 地元の公立中学では、周囲との学力差が顕著で孤立してしまう恐れがあったからだ。


 彼女の場合、苛烈な性格の根底には強烈な自負とプライドがあるという事を、教師は理解していたのだ。


 認め合える仲間が周囲にできることで彼女が軟化するのでは?

 という希望的観測だったのかもしれない。


 しかし、問題はその中学が私立であったことだった。

 公立中学と比較してべらぼうに高い学費を払わねばならない。


 奨学生制度のないその中学に入るための課題は金銭だった。


 宮本母は方々を駆けずり回った。

 家計から捻出できる額をはるかに上回る金銭を集めるのに、多くの親戚や友人を頼ったのだ。

 銀行のローンを組むことは彼女の社会信用ではできなかったからだ。


 そして、宮本母が最後に縋ったのはある遠縁の家族だった。

 その家庭とは親族の集まりでよく顔を合わせる程度の面識はあった。

 

 宮本母と宮本は祈るような気持ちでその家庭に訪れた。


 男児を生んだ家庭だ。

 補助金のおかげもあり、かなり裕福な家庭だったのだ。


 そして、そこの男性……当時は中学3年生の男はわかりやすい下衆だった。


 『奴隷になれるんだったら金ぐらい出してやるよ』


 そこから彼女たちの地獄が始まった。

閑話が……投稿できない(血涙)!

わしゃ!コメディを書きたいんじゃ!


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1~5どれでもいいんです!ほんと5でいいんで!いやマジで!

5押してくれるだけでいいんで!ほんとに!

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