閑話 1万PV記念 鬼塚姫子の日常?
祝!1万PVっ!いやーうれしい。ということで記念閑話です。
記念閑話が今までの話で最長ってどういう事でしょうか?
分かりません。私、日本語わかりません。
閑話 1万PV記念 鬼塚姫子の日常?
―鬼塚姫子―
春先の朝は冷える。
特に4月は気候が乱れがちだ。
しかし、日課のトレーニングは不安定な天候には左右されない。
ランニングや筋力トレーニングはこの仕事を続けるうえで決して疎かにはできない。
近年では暴対法などの影響により反社会的組織が男性の安全を脅かすことは少なくなった。
しかし、ゼロではない。
それに、何も危険はそういった者が相手とも限らない。
多くの女性は男性に飢えている。
日常生活を送るうえでも脅威は多い。
痴女や露出狂などといった分かりやすい例だけでなく、一般女性さえ脅威になりうる。
彼女らの行動原理は性欲だ。
欲に目のくらんだ者というわけではない。
Forced estrus virus
そう、男女比が大きく傾く原因となったウィルス。
強制発情ウィルス
女性の筋力や動体視力を男性並みに引き上げ、性欲を爆発させる。
女性のみが罹患し、感染者からは男児が生まれることはない。
男女比が大きく変化したのは120年前にこのウィルスが猛威を振るったからである。
人類は80年もの歳月をかけてワクチンを作り上げたが、時すでに遅く人類の男性比率は1%を切る寸前だった。
そして、ワクチンが完成した現在でも時折感染者が出現し、男性が餌食となる。
そうした悲劇を未然に防ぐための男性保護団体であり、男性保護監督官である。
(心頭滅却すれば火もまた涼し)
これは男性保護団体が掲げる標榜でもあり、私個人の標榜である。
決意を新たに今日もランニングウェアに着替え玄関を出ようとした矢先……。
「姫子さん!僕も一緒に走っていいかな?」
そこには天……保護対象の朽様が立っていた。
「ももももお、もろち……もちろんです!」
突然の申し出に思わず声が上ずる。
「ははは、リラックスリラックス!」
ぽんぽんと肩を叩いてくれる朽様
あぁ~天使ぃ~。
「それじゃぁ行こうか姫子さん」
こ、これはもしかして早朝ランニングデート!?
もはや既成事実では?
いつもよりゆったりねっとり走ってはいたが、それでも朽様のペースは徐々に落ちていった。
「ふ、ふ、ふ。結構早い速度なんだね毎日このペース?」
「いえ、普段はもう少しペースを上げています」
荒い呼吸を整える姿も美しい朽様は、額に浮かんだ汗を無造作にふき取ると苦笑いを浮かべた。
「ごめんね情けなくって……これから頑張らないとね」
そういってはにかむ朽様は直視できないほどまぶしい。
というか、これからもって……まさか毎朝ですか!?
そんな思考をぐっと押し込み表情筋を意思で動かして私もはにかむ。
「えぇ朽様。これから頑張りましょう」
ぐへへ男子高校生と合法デート……しかも毎朝……ぐへへ。
同期たちでは絶対に味わえないだろう機会に思わず涎が垂れそうになる。
しかし、そんな和やかな時間も長くは続かなかった。
ピリピリピリ
朽様の携帯からけたたましい電子音が周囲に響く。
『FEV警報!FEV警報!男性は速やかに避難してください』
周囲5㎞にFEV患者が出た時に通知されるアラートシステムだった。
「な、なぜこんな時に!」
ランニング中はまともな装備を携帯していない。
そして悪いことは重なるものだ。
公園の入り口にはすでに女の姿がちらほらと見える。
感染者特有の緩慢な動きと思考がハッキリしていないような、おぼろげな表情……通称“メス顔”だ。
「朽様!早くお逃げ……」
公園の入り口から目線を逸らさずに、避難を促したところで気づく。
そう、今朽様は疲労困憊な状態。
そんな彼が今から走って自宅まで逃げおおせられるだろうか……。
そう、やることは一つだ。
「朽様……お先に行ってください。後から必ず追いつきます」
「そ、そんな!姫子さん!待って!どうするの!」
私は彼に笑いかけます。
FEV暴走時の女性は軽装で相手できるものではありません。
もちろん、束になって掛かられたら命の危険すらある。
それでも、私は……。
私は男性保護監督官だっ!
ここで引ける道理なんてあるわけないっ!
覚悟を決め走りだそうとする私の腕を朽様が強く引く。
そうして、彼の腕の中に抱き留められた私は強く強く抱擁され、熱いキスをされた。
「絶対、無事に帰ってきて!そ、その……無事帰ってきたら続きだよ?」
そう言って頬を染める朽様に私は華麗にウィンクして見せる。
「いけない子ですね……」
ぴぴぴぴぴ
「……夢だと…!?」
あまりのショックで思わず呟きが出る。
嘘だ。
あんまりだ。
奴らを八つ裂きにして、朽様との甘いアヴァンチュールのはずが……。
「二度寝したら……続き見れるかな」
その後2度寝したことにより、まさかの朽様の起床時間が被り、一緒にランニングに行くことになったのは幸いだった。
もちろん、装備を厳重にして行ったのは言うまでもないだろう。
この記念閑話は色々な機会を見て投稿する予定です。
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