とある青年ととある一人目の女幹部
※この作品だけあらすじや次回予告文等は御座いませんのでご了承ください。
「えっ、俺に訪問者?」
王都の冒険者ギルドにていつも通り魔物の間引きしした後に報酬を貰う予定だったのだが・・・
ギルドスタッフが俺に会いたいと言う子が来たと言うのだ。
「知っている方ですか?」
「いや、全然」
ギルドの入り口付近に居る美女を見て俺がそうキッパリと言うスタッフはそうですよねと苦笑いをする。
「取り敢えず俺に用があるなら声掛けしとくよ」
「お願いしますね、シヴァさん」
そう言ってその美女の元へ行く。
「君か?俺を呼んでいるのは」
「はいっ!よろしくお願いします!精霊魔導皇シヴァ様!」
俺の正体も知っている彼女は一体・・・?!
と言う事で神聖教皇国に住んでいる元魔王に会い来た。
「彼女、王猿の転生した姿かもしれないですね」
「・・・マジで?」
「マジです。魔物の中では人型になりたいと思う変異種が居たりするんですよね」
到着した時間帯がお昼だったので食事をとりながら彼女の事をメルディに聞いてみた。
王猿の生まれ変わりだとは知らなかった。
「因みにシヴァさん。魔物は何故身を引く知性があると思いますか?」
「確か・・・自身より相手がより強者なのと脳内に危険信号が送られて来ているから?」
一品目を完食し終えた魔王が口元を布で拭き
「その通りです。元は人間と同じように脳味噌があって知性がある魔物も少なからず居るので潔く身を引いたりする事も屡々と」
「・・・とすると変異種の場合は違う?」
俺がそう言うとメルディは頷く。
「彼女みたいな魔物でも勿論、知性はあります。ですが自分がより強い個体種であると言う認識が強い為、彼女自身よりも強い人が現れなければなりません」
「・・・倒したのはユウだけど・・・もしかして」
彼女の姿をよく見てみる。一見髪の毛の色を変えると長髪の姿のユウにそっくりだ。
「気付いた通り、彼女自身の意思とその細胞が入り混じって完璧にな人型になれる変異種に転生したと言う事ですね」
「成程、人が人に転生するのと同様に魔物も魔物に転生するって言う概念は変わらないんだな」
メルディは二品目に手を付けて食べながら頷く。
取り敢えず―――
「この先も多分変異種が現れてくるかもしれません。そう言う場合は時折その変異種に選択肢を与えるとより一層仲間が手に入ると思います。」
「・・・それじゃあ戻るか、服も貸してくれてありがとう。後日洗って返しに伺うよ」
俺がそう言ってメルディとその場で別れる。その美女と一緒に家に帰り、ユウに事情を説明した所
「ほぇ~凄い・・・ってかその格好じゃあれだから丁度余った王猿の毛皮を使って上下一式作っときますね。そう言えば名前とかは?」
「まだ名は無いです!良ければ名をお与え下さい。シヴァ様!」
彼女に頼まれた俺は考えた結果――――
「【トール】って名前はどうかな?」
「【トール】・・・・有り難うございますシヴァ様!」
するとトールの首回りに謎の痣が出来た。
因みに彼女のステータスも見れるようになり―――名前表記が【トール】と変わってた。
首回りの痣を精霊通信でエレア母さんに聞いてみた所
『あ~それね、確か精霊魔導皇にしか出来無い名付けの証と忠誠の証としての紋様だから特に害は無いわ。その子、貴方に忠誠を誓っているみたいだし』
「そっか・・・わかった」
そしていつもより多めの食材が食卓に並んでいたので賑やかになった。
今回の話はここまで。
当作品以外にも
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「セヴン~大罪の力を持つギルド職員~」
の2作品もお勧めです。
是非ご覧ください




