とある青年ととある元魔王―その②
※この作品だけあらすじや次回予告文等は御座いませんのでご了承ください。
「ふむふむ・・・。成程、確かにステータス見てみたら[“元”魔王]になってますね」
レヴィからステータスを見させてもらうと確かに「元」と記されている。
「・・・まぁ、戦う意思が無いようですし・・・家族の方に会わせますね」
彼女はそう言いながら元魔王を連れて行く―――が
「そう言えば、名前聞いてない」
「あっ、ごめん・・・名前は[メルディ=カフューム]」
ステータスに書かれていなかった名前表記[???]表記から元魔王の名前[メルディ=カヒューム]と表記に変わった。
要も済ませ同じ魔族達の元へ一緒に行く。
少し古びた古民家だが見た目にちょっとした歴史を感じる。
『魔族の皆様、皆様の上司であるメルディさんを保護しましたよ』
レヴィの掛け声に魔族の住民等が一斉に降りてきた。
「ま・・・まさか本当に生きていらっしゃるとは・・・お会いしたかったです!!メルディ様!!」
魔族の中でも体格のいい男がそう言いながらメルディの前に跪いた。
メルディがこれまでの境遇を話す。レヴィは
「昔聞いた勇者様の感じとは違いますね・・・一般の常識である勇者は弱い者には手を差し伸べると言った事を聞いたのですが・・・」
彼女の言い分に他の魔族も頷く。
「俺等が当時見た勇者は何て言うか・・・欲塗れだった様な気が」
「男も女も子供も構わず切り捨てる様な感じだったから殆どの魔族は地下に息を潜むか家の中に逃げ込むかぐらいだったな・・・」
要するに、当時の勇者はあまり評判が良くないようだ。
すると周りに突然光が灯され
気が付いた時には俺とレヴィだけ―――一人の女性の前に立っていた。
そんな神々しいその人の前にレヴィが
「貴方は・・・神様ですか?」
『はい、そうです。女神アナスタシアです。貴方達にお願いをしにここに来ました。突然の呼び出しをお許しください』
目の前に現れた人は自分を女神と言った。女神様が突然現れたと言う事は・・・
『精霊魔導皇シヴァ、貴方のその力で勇者を倒して欲しいのです』
「勇者を・・・倒す?」
女神アナスタシアが言うにはその勇者は生まれ付き持った才能で住んで居た村の女性の半数を手玉に取り欲塗れの薄汚い人間に堕ちていったと言う。
『私たち神々の中でも特に邪神達も今の勇者に恐怖を抱いています。どうか世界の為に我々の為にどうか勇者を宜しくお願いします』
俺は少し間を置いて考えてみた。
実際勇者が思ってた事について、そしてなぜ自分の力に溺れたのか・・・もしかしたら
「その前に一つ聞いても良いか?」
『どうぞ』
ひとつ考えてみた事を言ってみた。
「元魔王を助けてくれた先代は生存しているのか?」
『・・・います。ですが・・・』
女神アナスタシアは唾を飲み込み
『貴方が来るまで私の手中に専用装備の姿に変わって存在が消滅しました』
意外な事実が目の前に突き付けられた。
今回の話はここまで。
当作品以外にも
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「セヴン~大罪の力を持つギルド職員~」
の2作品もお勧めです。
是非ご覧ください




