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第九十四話 少し距離を置こう

クリスマスパーティーが終わって颯太は早々に寝てしまった。

母親も酒が入り寝てしまった。ここまではいつも通り。問題はない。

風呂入るときにごたごたがあったがまあ、いい。


風呂で水着を着ることになるなんてな。


「で、お前はいつ帰るんだよ」

「明日!」

「寝るのは廊下な。外でもいいぞ」

「酷ーい!友達が訪ねて来たのにその扱いはないよ!」

「アポなしで急に訪ねて来て人を振り回しておいてよく言う。俺の部屋は無理だぞ。狭いから」

「時雨ちゃんは寝たのに?わたし時雨ちゃんより背、小さいから入ると思うけど?」

「そういう問題じゃなくてだな」

「じゃあ襲わない!絶対に変なことしないって誓う!」

「本当だろうな。四人全員に言えることだが程度が過ぎてるんだよな」


それで何度苦労したか。考えるたびに頭が痛くなる。


「大丈夫!常識はあるから」

「常識があったら朝っぱらから人のベットの前でスタンバイしてないんだよ」


常識がないのは今に始まったことじゃないが。


「絶対だからな。なにかしたら外に放りだすからな」


こんなような会話を前もした気がする。


と言っても時刻は夜の二十二時。

寝るのには早い。俺はベットに背中を預けて座った。

十六夜はというと、


「ベットだー。久しぶりーベット」

「いつお前が俺のベットで寝たよ」

「うーん。間宮が風邪ひいたときに飛び込んだ時くらいかな?だから久しぶりって」

「そうかよ」


なんでもいいが、枕に顔を埋めるな。洗濯は定期的にしてるけど恥ずかしいから。


「シャンプーの匂いがするー」

「十六夜も同じ匂いするだろうが」

「でもやっぱり堅い」

「意味が分からん」


十六夜からすればやはり匂いは固形らしい。


「間宮ってあまり人のこと殴らないよね」

「急になんだ。殴られたいのか」

「うん」

「え」


ちょっと距離を置こうか。物理的にも好感度的にもな。


「純粋に気になってさ。こういう漫画のキャラって罵られて喜んだり笑ったりするじゃん?どんな気持ちなんだろうって」

「出たよ。謎の好奇心。そういうのは加減が出来る時雨とか力が欲しいなら夏鈴にやってもらえ。俺の場合加減が出来ない」


憎しみが籠った拳は誰の拳よりも痛いと思う。


「加減が出来なくてもいいから殴って?殴られたら満足するし安心するから」

「急にメンヘラになるな」

「殴られないと不安なの。貴方の物だって証明を頂戴?」

「止めろ。案外お前の声で言われると刺さるから」


顔は見てないが声だけ聞けば役になりきっている。文化祭の主演十六夜がやればよかったのに。

ま、はぐれ者扱いだから難しいか。


「それ以上近づくな。首に巻き付く腕も外せ」

「見てこのキャラ。泣いてるけど嬉しそう。ね?」

「なにが「ね?」だよ。女は嫌いだが手は絶対に出さないって決めてんだよ」

「もしなにかあった時に揉めるから?」

「大正解。リアルでもネットでも馬鹿は放っておくに限る。お前みたいな馬鹿はな!」


そもそも理由なく人は殴らないだろ。

世の中にはサイコパスなもやしパパもいるが俺はサイコパスじゃない。

ま、俺には家に侵入され今日一日クリスマスという時間を潰されたという立派な理由があるがな。


「もういいよ。一人でやるから」

「最初っからそう言ってんだろうが」


首に巻き付く腕が外れたかと思うと後ろからパンッ!というスライムを机に叩きつけたような音がした。

その後に声にならない声とベットのスプリングの音がした。

人間は好奇心で自分に本気ビンタが出来るらしい。俺は絶対に出来ないしやらないけど。


「感想は」

「癖になりそう」

「お帰りはあちらです。二度と俺に関わるな」

「噓だよ。半分は」


マジで外に追い出そうかな。

そのうち人前で「いつもみたいに強くビンタして」とか言いそうで怖い。

俺には女性を殴って喜ぶような特殊性癖はない。

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