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第四十八話 絶対に逃げられない逃亡戦があってたまるか

海から帰って一週間。

今は八月も中旬で俺は街中を走っていた。

空にサンサンと輝く太陽が無性に憎い。照りつける太陽は俺の肌を焼き容赦無く体力を奪っていく。


事の始まりは今朝、兎が家の前に居た所から始まった。


「あーそーぼ」

「帰れ馬鹿」


そう言って扉を閉めたのはいいものの。兎に角うるさい。

工事でも始めたのかっていうくらいにはうるさかったため裏口からこっそり抜け出した所までは完璧だった。

近くの本屋で時間を潰そうとしたら既に十六夜がいた。

俺もなぜだか分からない。俺は走ったわけじゃないから十六夜が走れば間に合うだろうがなぜ行き先まで分かったのか。

それから行く先々に時雨や夏鈴に待ち伏せをされ俺は街中を走り回っている。


「くっそ……はぁはぁ……どうなってやがる。まさから行きそうな場所に予め張り込みを?いやまさか。相手の総数は四人。本屋、カフェ、ネカフェ、ゲーセンまでは理解出来る。なぜ俺の家にまた張り込んでやがる。なにがどうなってる」


あまりの意味不明さと暑さで正常な思考すら出来なくなっていた。

落ち着け。呼吸を整えて可能性を全て考えろ。……加羅忍が向こうにいる時点で可能性が無限大すぎて考えを放棄したくなるが少しでもその絶望を明らかにして置きたい。


まず俺が行きそうな場所に張り込みという線はさっき言った通りない。

飛行機での追跡も上空には見られない。

連れ違う人全て加羅忍の使用人という可能性もないとは言えないのが辛い。

今は小さな路地に身を隠しているがついさっき十六夜の声がしたからかなり近くにいて俺の居場所はバレている。

疲れとか暑さとかよりも恐怖がなによりも強い。

どこまで追ってくるのかなぜ俺の居場所が分かるのか。


「くっそ……最終手段だ」


俺はある人物に電話をかけた。


「で、麻耶の家に来たと。いきなり電話してきたと思えば……ま、手土産あったから許すけど」


麻耶の手にはコンビニのスイーツがあり美味しそうに食べていた。


「汗だくだし体力ボロボロで熱中症一歩手前じゃん。なにしてたの?」

「女子高生四人との鬼ごっこ」

「はっ、青春しやがってよ」

「相手が行く先全てに先回りしてきたら?」

「え、なにそれ。なんかの番組のアレ?」

「違う。俺がこの炎天下動き回った理由だ」


俺は今日一日で起こったことを麻耶に話した。


「人を追いかけるのに人力はほぼ不可能だし、上空からもないってことは、それもう宇宙しかなくない?」

「宇宙?」

「GPSのこと」

「俺のスマホには位置情報を送る機能は全部オフってるぞ。そういうの怖いから」

「だとしたら……ちょと失礼して」


麻耶は俺の服をごそごそと触った。

一応女子高生という年齢ながらも学校に行っておらず初対面の時から色気がないため女子として見てこなかったが至近距離まで近づかれると流石に怖い。


「あった」


麻耶が持つのは四角く黒いナニカ。

それはかなり小さく重さもない。フードの中に入れられてしまえば絶対に分からない代物。


「そ、それはなんだ?」

「GPS発信器。まだ電源ついてるからここにいるのもバレてる」

「いつからだ……?海から帰ってきて十六夜達と接触していない。今日だって追いつかれることなく逃げた。俺にGPSを取り付ける隙なんてなかったはずだ」

「その人達を家に入れたことは?」

「……ある」


あの時か。

仕掛けたのはおそらく時雨。依頼したのは加羅忍だ。


「多分麻耶の性格を知ってる時雨が止めてくれるだろうけど正直ジリ貧。家を出た瞬間に捕まると思う」

「裏口は」

「あるけど塞がってる」

「意味ないだろそれじゃあ……」

「大人しく捕まれば?とって食われるわけじゃなし」

「俺の時間という大切なものが食われるんだよ」

「……だったら麻耶とゲームしよ」

「なぜ急に」

「ずっとなにもしないでいるつもり?麻耶はそれでもいいけど」

「最近出来てないよな」

「女遊びにかまけてるせいで」


流石にそれは反論したい。

別に好きで女遊びしているのではないと。

俺だって一人の時間が欲しいし颯太ともっと遊びたい。

だが閻魔達がそれを許さない。


「好きでやってるんじゃねぇんだよ……」

「青春勝者乙」


麻耶はテレビゲームのコントローラーを俺に投げた。


「よしじゃあこうしよう。麻耶に負けたら大人しく捕まるってことで!」

「ふざけんな。お前の勝てるの極一部のプロゲーマ達だろうが」


麻耶のゲームの上手さは誰よりも知っている。

これに関して言えば麻耶の幼馴染の時雨より知っていると言っても過言ではない。


「じゃ負けないように頑張らないとねー」


画面では既にインクを飛ばすイカ娘二人がスタンバイしていた。


「楽しもうじゃないか」

「楽しめるか馬鹿!」


このゲームを深くやったわけじゃないが武器は近い慣れている二丁銃。ウデマエはそこまでないけど立ち回りやスペシャルで勝てる可能性はかなりある。

そう思わないとウデマエSS+に勝てる気がしない。

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