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第十八話 風呂上がりの女子は俺にとってデメリット

「そういえば、私の家に十六夜さんが泊まるかもしれないと連絡が来ましたがいつでしょうか」


したっけなそんな話。

十六夜の両親を信用させるために用意しただけだったんだが加羅忍は本気らしい。


「嘘だったから大丈夫だ。悪い、急に変な文送って」

「嘘なんですか?なんで嘘つくんですか?」

「全部が嘘じゃなくて泊まる話が嘘なんだ」

「なんでそんな話に?狼斗さんは美咲さんとどんな話をしたんですか?」

「この前から十六夜は一人なんだ。準一人暮らしみたいなことしてる」

「うん。めっちゃ寂しい」

「だからってイタ電かけてくるな」

「ちゃんと話してるじゃん」

「くそくだらない話を延々と聞かせやがって」

「あ、聞いてくれてたんだ。ミュートにして放りっぱなしかと思った」

「くだらないと思ってるから放りっぱだけど」

「少し嬉しくなった気持ち返して!」


ならかけてこなきゃいいのにと思う俺は恐らく集団生活には向いてないと思う。

友達ゼロ人が密かな目標だったのに。


「嘘だったんですね.....私の心を弄んだんですね」

「加羅忍、それ絶対に外で言うなよ?」

「私の!心を弄んだんですね!」

「静かにしろ化け狐が!悪かったと思ってから!」

「謝る意思があるなら行動で証明してください」

「面倒な」


面倒臭い彼女みたいなこといいやがって。

彼女いた事ないけど。


「行動で示せって言ってもな。俺がしてやれることは既に間に合ってるだろ」

「そんなことはありません。間宮さん達に出来て使用人にはできないことがありますよ」

「なんだそのなぞなぞ」

「んなもん決まってんだろ。子作りにな!」

「馬鹿か?」

「男は狼斗一人だし」

「『達』って言ってんだよ!夏鈴も入ってんの!」

「女同士で子作り出来ないなんて誰が決めた?」


その本当に困惑してる顔止めろ。こっちが間違えているのかと勘違いを起こすから。


「残念ですが子作りではありません。相手が狼斗さんならやぶさかではありませんが」

「俺が嫌だ」

「じゃーなんだよ」


使用人と俺たちの違いは多くあるが分かりやすいのが年齢か。

雇って貰えて尚且つ学校などの仕事以外での拘束時間がない。成人済みのはずだ。


「年齢か」

「惜しいです」


年齢が惜しいとなるとなんだ?

国籍だと離れるだろうし性別は俺も含めるため関係ない。


「友達.....?」


か細く小さな声でボソリと呟かれた言葉は静かな保健室には十分なボリュームだった。


「時雨さん、正解です」

「その友達に何が出来る?どの道能力的には劣るだろ」

「間宮、そんなんだから友達いないんだよ」

「情報厨のお前に言われたくない」

「今はいるもん〜」


勝ち誇った顔をグーで殴りたい衝動を抑え加羅忍に続きを促した。


「端的に言えばお泊まりしませんか?というお話です」

「最初からそう言えよ」

「間宮さんなら気付いてくれるかと」

「無茶言うな」


俺は探偵でもなければクイズ王でもないんだ。

限られた情報から正解を出すには頭が足りない。


「でも泊まって迷惑じゃない?」

「はい。是非いらしてください。部屋も余っていますし四人増えたところで問題はありません」

「なんで俺まで入ってんだよ。女子で仲良く恋バナでもしてろよ」


そして夏鈴の女子力に恐れおののけ。


「泊まっている間誰が荷物を持つんですか?間宮さんは全員と交流がありますが私達はあまりないんですよ?」


それでか。それで十六夜は俺にばっか連絡してきたって訳か。


「だとしたらもっと俺がいない方がいいだろ」

「狼斗さんは昔から蹴落とす教育方法ですよね。私が本当にそれで成長すると思いますか?」

「意思さえあればな」

「無理です。来てください。心の安定剤です」


時雨に全力でお願いされたが嫌なものは嫌なんだ。

時雨が他人と接するのが怖いように俺だって女子が怖い。

しかも泊まるとなれば常にそばに居るわけだ。

そんなの俺の心が危険で危なくなる。


「行くメリットがない」

「同い歳の女の子のお風呂上がりを見ることができます」

「どっちかと言うとデメリットなんだよなー」


女子がいる時点でマイナス百点なんだよ百点満点中。


「メリットならおれが飯作るぞ!」

「それは確かにメリットだ。だけど弱い」


夏鈴の手料理は確かにプラス要素だが今回は四人の女子がいる家に泊まるわけだ。


「メリットとか考えないで素直に楽しもうよ!」

「楽しめないから言ってんだよ。保健室だって鳴川先生が伝家の宝刀を抜かなきゃ俺だけで使いたいくらいなのに」


別に我儘とかでは無い。

本当に具合が悪いなら俺の事など気にせず使って欲しいし相談事があるなら俺は席を外すくらいのことはする。

俺が言っているのは用もないのに保健室にたむろしお茶会を開くことだ。


「メリットなら『女子恐怖症を治す』でいいのではないでしょうか。女の子だけの家に男一人という環境はストイックであり一番効率がいいです」

「治す以前にくつろげない」

「部屋は個々で用意しますし用がなければ出てこなくても構いませんがそれでも嫌ですか?ゲームも漫画も多少ですがあります。食材など必要なものはこちらで用意するので一ヶ月だろうと一年だろうと来てもらっても構いません」


どうしよう。

好条件というのは考える間も無く分かる。

それなのに全く行く気になれない。ただ夏鈴のご飯があり部屋から出なくていいというのなら大丈夫かもしれない。

いずれ克服する必要のあるものだし今女子が近くにいるこの状況を利用した方がいいのかもしれない。


「まあ、そこまで待遇がいいならこちらこそって感じだな」

「決まりですね。基本的に自由行動ではありますが自堕落な生活を防止するために夕飯の時間などを決めましょうか」

「いいね!何時にする?」


帰ったら荷物まとめなきゃな。

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