第百三話 どうして毎回こうなるのか
「間宮の好きな人!?だれだれ!」
「お前ら以外の誰か」
「なーんだ。それ前にも聞いた気がする。」
「ならその捻じ曲がった性格なり悪癖を直せ」
「そんな退屈な人達より私達といた方がより刺激的な毎日を送れますよ?」
「刺激的すぎて毎日フルボッコなんだわ!少し落ち着きたいんだ」
確かに個性がないのは退屈だが、お前らの個性は強すぎる。
一つくらい失った方が静かになっていいと思うんだ。
無個性で白い俺がめっちゃ目立つ。
「狼斗はよ。馬鹿な女と聡明な女。どっちが好きだ?」
「馬鹿の程度と聡明の程度による」
十六夜みたいな頭の中ピンク色馬鹿は嫌だし、加羅忍みたいに悪知恵だけに頭を働かせるのも嫌だ。
どちらとも程度によるんだ。
「んー。言い方を変えるか。勉強が出来る女と出来ない女」
「あー。出来る方がいいかな。俺が出来ないから教えてもらいたい」
なにが引き金になったのか、十六夜の顔が思いっきり満開に咲いた。
「じゃあさ!皆で学年末試験勝負しようよ!合計点勝負!」
「お前、それ勝ち目あると思って言ってる?」
十六夜の成績はこの中じゃ群を抜いて悪い。
学年末試験まであと一か月とない。勝負となれば時雨や夏鈴の助力は見込めない。
負け確のイベント持ち込んでなにがしたいというのか。
「勝ち目はある!だってまだ終わってないから!」
こういう無鉄砲でチャレンジ精神溢れるところは『唯一の』長所かもしれないな。
「今からテスト範囲を勉強すれば間に合うはず!」
「ほう。今までテスト勉強なるものをしてこなかったのにか」
「うん!」
本当にその自信はどこから来るのか。
「では皆さんで勉強会をしませんか?」
「これは勝負なんじゃないのか?」
「実際は勝負ですね。でも勝負をするのはテストだけ。それまでは協力関係といきましょう」
なんと優しい世界だろうか。
どうかそのまま俺にも優しい世界になってくれ。
「勉強会には勿論間宮さんにも参加して貰います」
「え、俺は勝負に参加しないんだから関係ないよね?」
「モチベーション維持のために」
俺はそんな便利アイテムじゃない。
というか人を便利アイテムとして見ないで。
「俺が居たらちゃんと勉強しないだろ」
「おれはするぜ。終わったらご褒美貰うけど」
言い方可愛い。
「ではある程度の問題を用意して出来た人から間宮さんにご褒美をもらいましょうか」
「ん。それって俺に得はないよね?」
「同年代の女子になにかして貰えるなんて常識で考えたら十分ご褒美ですよ」
「毎回常識外れのことをする加羅忍に言われてもな。説得力に欠ける」
「とりあえず決定!いつにする!?」
「皆さんの都合がよければいつでも。場所はいくらでも提供できるので」
なんでだろうな。どうして毎回こうやってなにかをしようという発想に至るのか。これが分からない。




