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人狼game  作者: 千彩
2/2

―n+2日目、朝食―

前話より。人狼ゲームが終わった次の日の朝、生きる気力を失った人間の少女一人と人狼の青年一人のやり取り。

「顔は洗った?」


青年は何食わぬ顔で私に尋ねた。


「まぁいいか、朝ごはんにしよう。おれが作ったんだ!」


そういって青年は私のいるベッドのそばの机に朝食を広げ始めた。

そんなことしても、意味ないのに。

朝食を食べたら、次は私が喰われる側なのに。


「いただきます。」


未だベッドの上から動かない私をよそに、青年はパンに手を付けた。






「食べないの?」


いつのまにか、青年は朝食を食べ終わっていた。私の顔を心配そうな顔で覗き込んでいる。

食べたところで、食べられるんでしょう?


「食べないと、しんでしまうよ。」


食べたところで、ころされてしまうでしょう?


「顔も洗っていないし。まだ寝ぼけまなこだね。」


洗ったところで… あぁ、どうせ食べられるのなら綺麗な状態のほうがいいか。


「タオル持ってくるから、待っててね」


そんな私の気持ちを汲み取ったのか、青年は行ってしまった。



なにかが、おかしい気がする。

しかし、なにがおかしいのかはぼんやりしていて分からない。

青年の言っていたとおり、まだ寝ぼけているのだろうか。

そうだ、きっとそうだ。

もう一度、寝てしまおう。

寝ている間に、青年は、人狼は戻ってきて、私を食べてしまうかもしれない。

それでもいいや。どうせしぬのだから。

そうして、私はもう一度、目を閉じた。

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