少女
私がいる部屋に入ってきたのは、リーブさんと同じ金髪の少年だった。
「ちょっと何黙ってるのよ。ちゃんと挨拶しなさい。」
「そ、そんなこと言ったって…」
そう言って少年は顔を赤くしながらこっちをチラチラ見ていた。
「あなた…ごめんなさいね。この子ったら女の子と話したことが少なくてね。あまりにあなたが可愛いもんだから照れちゃってるのよ。」
「ちょっと母さん何言ってるんだよ!!」
少年は顔を赤くしながら起こっていた。
対してリーブさんはというと…
その少年を面白おかしくからかっていた。
リーブさんは実は悪い人なのかもしれないと一瞬思ってしまうぐらい今のリーブさんからは黒いオーラが出ていた。
母さん。少年はそうリーブさんに言っていた。
やっぱり親子なんだ。髪の色も一緒だもんね。
親子か、私にもいるのかな家族。
お母さんや、兄弟とか。
もし、いたとしても今何をしてるんだろう?
私を探してくれてるかな?
会いたいな。
「大丈夫?」
「うぇっ?」
突然、少年からかけられた言葉にビクッっとして変な感じに返してしまった。
「悲しそうな顔してたよ。」
どうやら少年に心配させてしまったみたいだった。
「あはは。ごめんなさい、少し考え事してて。
えーと」
「レイ。それが俺の名前、よろしく。」
「よろしくレイ。」
そう言って私たちは微笑んだ。
「やっと名前を言えたわね。このヘタレ。」
「ヘタレって母さん…」
「今はそんなことで落ち込んでる場合じゃないでしょ?あの時の事を話しましょう。」
「あっそうだった。」
落ち込んでる場合じゃないってリーブさんが落ち込ませたのに。
でも、私が倒れていた時の話の方が気になるからね。
ごめんねレイ。
そう心の中で謝っていると、レイが話しだした。
「あの時はちょうど森に動物を狩に行っているときだったんだ。」
魔王の復活まであと・・・364日