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第11話 神さまの眠れぬ夜




人前で泣くなんて、いつぶりのことだろう・・・

思い出しただけで、恥ずかしさから顔が火照ってくる。


大勢を目の前にして、怖いと思ったがここで負けてはいけないと勇気を振り絞って立っていた。

そこに諒多が現れて・・・



緊張してよく覚えていないけれど、とにかく諒多に助けてもらったことは解る。



恐怖から開放されて気が緩んだが、涙は流すまいと堪えていたのだ。

でも、諒多に優しく包み込まれて、背をポンポンと叩かれているうちに、堪えきれなくなって・・・



「どうしちゃったのかしら、私・・・」



ベッドの上で丸くなって寝転がりながら、美央は静かに目を閉じる。

瞼の裏に浮かぶのは諒多の笑った顔・・・

女性の自分から見ても綺麗な顔立ちで、あまり男っぽい感じは受けないが、瞳の強さは男性のものだと思う。

彼のくしゃっとした、笑うと目の無くなってしまう笑顔が何故だか頭から離れなかった。


男性に抱きしめられるのが、あんなに安心出来ることだとは思いもよらなかった。

すっぽりと美央を包み込み、全てのものから守られているような感覚。

美央より少し高い体温と、お日様の匂い・・・


でも、彼が好きなのは親友の結喜。

結喜は本当に可愛い。

フワフワで、小さくて、柔らかくて、可愛げの無い自分とは正反対。

小さい頃からずっと、可愛らしい結喜や女らしい明日香に憧れて来た。

でも、やっぱり2人のようには出来なくて・・・

いつからか、私は私らしくと自分に言い聞かせるようになった。



明日からは、2人の恋を応援しよう・・・

大好きな結喜と優しい諒多くん。これ以上無いくらいお似合い。

2人には心から幸せになって欲しい。



だから・・・今夜だけ・・・

今夜だけは優しい腕の中を思い出していいですか・・・

夢の中までなんて贅沢は言わないから・・・

眠るまでの少しの間だけ・・・





初めての神さま視点のお話しです。

いかがでしたでしょうか・・・?

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