7話
―――ピピピピ、ピピピピ
純は目覚ましを止め、今日の日付を確認した。
―――5月4日火曜日
(例の日まであと4日か…)
純の頭には前川という人間が誰かというか苦難ができたから今日くらい休んでもいいんじゃないかという考えが脳裏をよぎった。
(なんであいつの言葉が気になるんだよ…)
そう、純の頭には同時に昨日前川から言われた明日もちゃんと来てねという言葉が頭から離れなくなっていた。
(くそーー!どうしよー…)
―――「えーでは朝のホームルームを始めます。」
けっきょく学校に行った純だった。
(はぁ…めんどくさいとわかっているのになんで来てしまったのか……)
「ほら千葉!こんな早くから寝るんじゃない!」
周りからは微かに笑いがこぼれていた。
(おまけにさらしものかよ!)
―――昼休みになった。
「千葉君千葉君!君にあんな人を笑わす才能があるとは思わなかったよ!」
(多分朝のことだろう。)
「俺があれを狙ってやったと思うか?」
「ちょ、ちょっと千葉君顔怖いって。ほら笑顔笑顔!」
前川は千葉の頬を握って上に押し上げた。
「にゃにふるんひゃほのあか!」
なにするんだこの馬鹿と言いたかったらしい。
「あははは!おもしろい、もっとなんかしゃべってみてー!」
(こいつ…!)
純は前川の手を必死に振りほどいた。
「ちょっと、痛いな~」
「知るか!自業自得だ!俺は寝る、静かにさせてくれ。」
「って昼ご飯食べてないでしょ!?」
「スースー」
「寝るのはや!まるでのび○みたい…」
(なにを言ってるかもう頭に入ってこねー…)
―――「ほらほら、流石に起きなさいって!」
「んっ、ふぁ~~っ。今何限目だ?」
「今は放課後よ!あんた寝過ぎ!」
「え?そんなに俺寝てたのか?」
(……まあいいか、帰ろう。)
「ちょっと、私を無視して帰らないでよ!」
純は必死に呼び止めようとする前川を置いて家に帰っていった。
―――ガチャッ
(よし!明日は絶対に休もう!)
ひそかに決意をする純だった。