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作者: udakuda
掲載日:2012/10/25

 ドン。


 私が本をを読んでいるとき、ドンという音がした。

 何の音だろうか、その音に耳を傾ける。

 ドン。

 再びその音が響いた。



 心臓が跳ねた。

 心音がばくばくと耳の中で反射しているように聞こえる。

 ……この音は知っている。

 体が告げていた。

 この音は――――、

 車に体がぶつかる音。


 それは、非情にも家の裏から聞こえてくる。

 いつの日か、こんなことがあった。



 「かえせよー、かえせよー」

 そういう男が家のそばで喚きちらし、車を蹴る。


 ブルッ、ブルルルルル……

 鉄とアスファルトが擦れる音がして、側溝にタイヤがはまったこと。

 それは、3時間もかけてどこかへ行った。



 耳には車が近づき遠ざかる音が聞こえた。

 良かった。

 どこかに行ってくれた。


 それを目にするだけで、自分は光の世界からおいだされるだろう。

 それだけは勘弁だ。

 だから、私はカーテンを閉め、本に集中する。


 近くの街道の車が行き交う音がやけに耳につく。

 家の裏の道を通る輩も普段に比べると多い気がする。

 狂暴な音をたててバイク疾走をしている暴走族もいたりする。


 ――――これは、世間の闇の音か。





 ……さあ、もう寝ようか。

 今はもう、ねんねの時間。

 こんなことはなかった。さあ、こんなことは忘れて寝ようじゃないか。



 私は布団に入り、ギュッとそれを握りしめ、目をつぶった。













 それを聞いたことーーーー、


 後悔はしていない。


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