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ノームの終わりなき洞穴【Web版】  作者: 山鳥はむ
【ダンジョンレベル 7 : 天然要塞】
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情報錯綜

 ※関連ストーリー 『五級術士ジミニー』参照

 ――魔導技術連盟、情報部調査課、四級術士カガリ調べ。


 世界座標、朝露の砂漠(リフタスフェルト)の永眠火山にて。

 動植物生態系の突然変異に関する報告。以下、本文――



――永眠火山の生態系異変について――


 朝露の砂漠にある永眠火山は、木々が疎らに生える岩場を主とした乾燥地帯だった。山頂から川が幾本か流れている以外に水場もなく、動植物が生息するには過酷な環境である。


 しかしここ最近、山林に変化がある。


 山の裾野および中腹辺りを起点にして、それまでこの土地にはなかった植生の木々が茂り始めている。山の保水量が増え、小さな川や泉もそこかしこに出現している。それに伴い、これまでいなかった獣も棲みつくようになってきた。

 

 永眠火山の中腹に開いた洞窟から、溢れ出るようにして次々と奇怪な獣達が生息範囲を広げている。既に猛獣出没地域として、土地の権利者であるフェロー伯爵家より山への立ち入りを禁じる令が発せられている。

 同時期に、当連盟所属の準一級術士クレストフ・フォン・ベルヌウェレが鉱山開発事業を開始しており、野生の獣が洞窟内に棲みつくようになったとの報告を上げている。

 ちなみに開発中の当該坑道は一般に底なしの洞窟と称されているようである。

 永眠火山の生態系変化との関連は明らかでなく、内部監査を行っている最中だが、準一級権限で洞窟内調査は上層部までの許可に止まり、当該術士への聞き取りは時間の都合で機会を得られずにいる。


 当部の調査員が得た情報によれば、剣歯虎サーベルタイガー等この地域には本来生息していない珍獣が洞窟に棲みついているという。意図的な召喚によるものと判断されるが、準一級術士クレストフによる召喚であるかは未確認。

 洞窟内を闊歩する高位精霊の存在も確認されており、地元集落で生贄を要求する悪魔の噂が広まっていることと合わせて、知能の高い幻想種が召喚を行っている可能性もある。


 前者の場合は管理体制の安全性さえ確認できれば問題はない。土地の権利者と管理者の間の取り決めに従って管理は行われる。後者の場合は危険生物の拡散の恐れがあり、憂慮すべき事態となる。

 いずれにせよ準一級術士クレストフとの速やかな情報交換が望まれる。

 現在、当該術士との連絡調整中※。


※当該術士は現在、暫定的に行方不明扱いとなっている。さらに長期間、連絡が取れない場合は行方不明者として捜索の必要があると判断される。管理者不在の状態が続くようならば、事態の収拾に動く必要も出てくるであろう。


 ―以上―



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